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鈴木(義)
委員 維新の党、
鈴木義弘です。
時間がないので
質問に入らせていただきたいと
思います。先日、役所の方から通商白書というのをいただいたんですね。その中から何点か御
質問をさせていただきたいと
思います。
アベノミクスで景気を、経済再生が一番の重要な政策の
課題だということで、今その途中にあるんだと
思いますし、また、昨年の衆議院選挙のときは、道はこれしかないんだということでやっておられたんですけれども、デフレをとめて、インフレ政策でターゲットを二%にしようということで、国もそれに向けてやっているんだと
思います。
デフレがとまらない
一つの要因で、いろいろな本が出ていたりしたんですけれども、私は、生産労働人口が減ったというのも一部あると
思いますし、それにも増して、やはり円高が一番きいてきたんだと
思います。これは前にも
質問申し上げたときに、二十四、五年前の一ドル当たりの円の相場が二百四、五十円だったのが、今、円安に振れたといっても百二十三円、四円ぐらい。ということは、海外から入ってくるものは二分の一で入ってくるし、こっちから出そうとすれば二倍の価格になってしまう。
今、お隣の韓国がいい例だと思うんですね。スマートフォンだとか車だとか、ほかのいろいろな製造品もそうなんでしょうけれども、ウォン安でどんどんどんどん日本との競争に勝って、スマホは世界の五〇%を凌駕するぐらい売れた時期もあったんですけれども、今、ウォン高で四苦八苦しちゃって、このまま低成長が続いてしまうんじゃないかというようなマスコミの記事も目にしたんです。
では、この白書の中で、他国のグローバル企業が日本を投資先としてどのように見ているのかというのを
分析した表が入っていました。アベノミクスの
一つとして、国家戦略特区をつくって、東京を中心に海外の投資を呼び込もうじゃないかというような話で、では、投資先としての日本が外国から見たときにどういうふうに見られているのかというのが、デメリット、メリットとしてわかりやすく表になっていたところで、そのうちのデメリットとして、近年、日系企業のカスタマーの数が減少していて、産業集積の低下が懸念されている。
これは、いろいろな業種が日本の国内にあったんですけれども、今申し上げましたように、海外にどんどん、
中国を初め製造業が外に出ていって、ついてくるんだったら来てくれということで、それに付随した
中小企業で、ついていかれたところは出ていったんでしょうけれども、ふたをあけてみたら、ほとんど外に出てしまって、国内で回せるだけの企業が残っていない。
例えば、私がお世話になっている
地元の製造業というんですか、加工をやっているんですけれども、バフがけというのを聞いたことはありますか。こういったアルミだとかステンレスだとか鉄を、研磨剤を使ってぴかぴかに磨くんです。そうするとさびない。
今どうですかと先日訪ねていったら、おかげさまで
仕事はあるんだけれどもと言うんですね。じゃあいいじゃないですかと言ったら、でも、俺ももう年だから、あと何年やれるかなという話なんです。バフがけの
仕事をしている人がもうほとんどやらなくなってしまった、やめてしまったということですね。そこも後継者がいません。旦那さんが一人でやっているだけです。
それで、なおかつ、同じような
仕事をやれるところが、粗悪、ちょっとやはりグレードが落ちちゃうんだと思うんですね。そこでできなかったふぐあいのあるものを自分が受けてやっているから、
仕事は腐るほどあるんだ、でも、もう自分がやめちゃったら、じゃあ誰がやるかな、そこまで自分が心配できないよな、そういったことを言われているんだと思うんですね。
ですから、製造業が海外にどんどん出ていってしまって、本当はそれを支えていたのは暗黙知と言われている熟練工の人たちだったんですけれども、もうそろそろ本当にギブアップして卒業する時期に来ているんだと
思います。そういうふうな
状況の中で、結局、どうやって投資を呼び込むのか、海外の企業に来てもらうのか。
ある企業は、これはもう何年か前の話ですけれども、携帯電話の部品をつくっている私の先輩の企業さんなんです。本当に小さい部品、一個何円です。どこに納めているんですかといったら、カシオなんです。カシオは、もう携帯電話をつくっていないにもかかわらず、モトローラのOEMをしていたんです。今は何の部品をつくっているかはわかりません、これは四、五年前の話なんです。
そういう
状況の中で、今までの施策のあり方がちょっとやはり違うんじゃないかというふうに認識するんですけれども、
大臣のお考えを示していただくのと、それに伴う今後の対応策ですね。
今申し上げましたように、海外から投資を呼び込むんだといいながら、お金だけ来てくれればあとは自分たちでやるという話も投資なんでしょう。でも、そういった製造業の集積が低下しちゃっているという現況を見たときに、次の打つ手というのはおのずと見えてくるんじゃないかと思うんですけれども、まずお尋ねしたいと
思います。