○藤野
委員 効果という言葉を繰り返されるんですけれども、その効果というのがくせ者で、
ガイドラインに定めればいいんだと書いてありますけれども、先ほど紹介された
特許小
委員会の
報告書を見ますと、「政府は、
ガイドラインの
策定にあたっては、
研究活動に対する
インセンティブについて
民間における創意工夫が発揮されるよう、
民間の自主性を尊重するもの」こう書いてあるわけですね。要するに、
ガイドラインをつくるときには
民間の自主性を尊重しろと。
今、この大前提として、やはり、
発明者と
企業というのには大きな力の圧倒的な差がある。この状態を放置したまま
民間の自主性ということにしてしまったら、これはやはりとんでもない効果が生まれると思うんですね。
ですから、効果というのであれば、
ガイドラインをつくるというのであれば、現行水準を下回らないような、しっかりそこを担保できるような効果をこの
ガイドラインによってつくるべきだということを強く
指摘しておきたいと思うんです。
そのためにも、先ほど来御
指摘ありますように、
ガイドラインをつくるメンバーですね。今、
特許小
委員会の議論を見ていますと、たしか労働者側はお一人で、
企業は、
中小企業を含めますと五名も入っている。
経営者ですね。ですから、あとは
学識経験者とかいろいろありますけれども、こういうメンバーでやっていたら、やはり労働者の声というのは反映されないというふうに思いますので、そこはしっかりやっていただきたいと思います。
そして、ちょっときょうは
審議会そのものの展開についても御紹介したいと思いまして、
資料をお配りさせていただいているんです。
実は、この
委員会、非常におもしろいというか、奇妙な経過をたどっていると思うんです。といいますのは、配付
資料一を見ていただきますと、これは、
特許制度小
委員会が二〇一四年三月から議論を始めまして、一回目から六回目まで議論をされて、それを受けて七回目に出された、日付としては六月十八日の
資料なんです。
これまでの議論の整理ということで、よくやる中間整理みたいなものなんですが、要するに、これまでの議論の整理ですから、これまでの議論の到達点をまとめたものだということなんです。
黄色いところを見ていただきますと、右の方ですね、ちょっと字が小さくて恐縮ですけれども、「今後の検討の
方向性」ということで、仮に一定の場合に
使用者帰属を認めるとしても、全ての使用者等について一律に
従業者帰属を
使用者帰属に変更する必要があると認められるほどの事情の変更が、
平成十六年以降に生じているとまでは
説明されていないのではないかと。これは別に事務局の方針でもありませんし、一つのまとめでしょうからあれですけれども、ただ、要するに、事情変更が認められていない、
説明されていない、こういうことをはっきり言っているんですね。
もうちょっとかみ砕いて、そのときの
審議も紹介させていただきますと、こういうふうに言われております。るる事務局からそういうお願い、いわゆるその
説明、事情変更が必要だ、
産業界がおっしゃるからそういう
説明をしてくれとお願いをしていたわけですが、そこのところは定量的なものは
産業界からお示しいただけなかった、こういうことなんですね。ですから、抜本的に原則論を変えるところまでは
説明されていないのではないか、こういう認識のもとにこういうまとめがされたというふうに
説明をされております。
その上で、当時の室長ですけれども、配付
資料の二の方へ行っていただきますと、こういう認識を語られているんですね。「五回目から六回目の間には私ども法制的な検討を随分進めました。その過程の中で、やはり現行法が
従業員帰属となっていることの重みを私どもとして十分に理解しました。」こういう発言であります。重みということで、なかなか名言だと思うんですけれども、当時、非常に重要な認識に到達していたと私は思うんですね。
経産
大臣にこれをお聞きしたいんですけれども、そういう
意味では、一回から六回をやってこうなって、
従業員帰属を変える。要するに、事情変更、立法事実がない、
説明されていない、原則は重みがあるというふうになっていたわけですが、最終的には
使用者帰属になった。がらっと変わっていくわけですが、不自然だというふうには感じられませんか。