○木内(孝)
委員 ちょうど戦後五十年のときに私はロンドンにいて、当時の五月八日のVEデー、対
ドイツ連合国記念日というか、彼らから見た記念日というのがあって、VJデーといって、向こうから見て対
日本に勝利した記念日というのがあって、そのときに感じましたのが、歴史の向き合い方は違うんですが、毎年メルケル首相は、五月八日、
出席しているんですね。
ですから、当時の戦争のことが話題にならないぐらい次のステップに向けてというところもございますので、ぜひその点は、
ドイツと
日本は違うということでそのとおりなんですが、やはり謙虚さというところは、ぜひ見習うべき点があれば見習っていただきたい、そのように思っております。
最後に、ジャパン・ハウスについてお伺いをいたします。
対外発信機能を
強化するとして広報費を五百億円確保した、これは大変結構なことだと思います。それで、重要な
都市においてとりあえずは
三つ、ロンドン、ロサンゼルス、それとブラジルと三カ国にジャパン・ハウスを設立する。
私もこの方向性は決して間違っていないと思っておりますが、せっかく三十六億円もの予算をとりながら、三十六億円をどうも箱物の部分にかなり費やされるリスクがありそうな
状況を危惧しておりまして、例えば、今、ロンドンの目抜き通りにそれなりの箱をきちっと確保する、不動産を確保して、賃貸になるんだと思いますけれども、その目抜き通りにこんなのを確保すれば、また何億円も家賃がかかるような話になると思います。
各
都市、三十六億円を
三つで割れば十二億円ですけれども、せっかくこれだけのお金を使えるのであれば、私は、有識者にまた丸投げして、民間人の意見を吸い上げて、こういうジャパン・ハウスをつくろうという、でき上がってくるものが何となく想像されて、できることならば、現場で、
外交の最前線にいる方が最もやりやすい、そういうお金の使い方にしてほしい。
別にこれは現場の方が言っているかどうかは私わかりませんけれども、例えば、この間も、公邸料理人、こういうのを補助金、最大で月額十七万払われているわけですけれども、二百十の在外公館に、これを三十万円に仮に引き上げたとします。そうすると、十三万円で二百十の公館ですから、たった三億円程度の経費で、全
世界じゅう三十万円に引き上げることは可能です。これが十年間続いてもこの三十六億円の予算の範囲内でできる。
私は
日本の文化を発信するのであれば、たまたま今、食文化の発信を通じてと。
日本大使館は海外で非常に料理がおいしくて有名なんです。みんな
各国の大使館の
人たちは、
日本料理だと喜んで来る。しかしながら、それが箱物の、ロンドンの、既に公邸なり大使館なり公使公邸なり、それなりに立派な建物があるわけですから、それだったら、建物に何億円もかけるのではなくて、例えばもう料理に集中して、逆に十二億円を料理だけに集中したら、それはもうロンドンじゅうで話題になるくらい、大変な効果があると思うんです。
今、
日本は限られた予算で大きな
成果を上げなきゃいけないわけですから、私は、コンクリート、箱物から人へといいますか、そういう形で、ぜひ見直しを御検討いただきたいというふうに思っておりますが、そこの御所見をいただければと思います。