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吉村委員 先ほどおっしゃった
政府見解、では、その根本はどこにあるんですかということの理由について岡田
委員から突き詰めて聞くと、
結論として、いわゆる人命を防護するための自然的権利に匹敵する重要な
基本的な権利、それが背景にある、だから
憲法に
違反しないんだ、そういうロジックかなというふうに思っております。それ自体が自然的権利そのものではないので、非常にわかりにくい、かなり苦しい答弁だとは思うんですが、いずれにせよ、そういった極めて限定的な
根拠に基づくことによって
憲法に
違反しないというふうに今までは答弁されてきたんだ、この九十五条についてはそういった
議論がされてきたんだろうというふうに思います。
九十五条の
解釈がその自然的権利からどんどんどんどん広がっていったらいけないんじゃないのかということが懸念されるわけでございまして、それについても過去のやりとりがあります。
平成十五年六月十三日の外務
委員会でそのやりとりがされているわけですね。九十五条の
解釈が自然的権利からどんどんどんどん広がって、際限なく広がるんじゃないか、どこでとめたらいいんでしょうかということの
議論がされているわけでございます。
ここで山本
政府参考人がそれに対して答えている言葉、このように言っています。
いわゆるPKO法、それからテロ対策特別措置法におきまして、自己または自己とともに現場に所在する他の
自衛隊員、もしくはその職務を行うに伴い自己の管理のもとに入った者の生命または身体の防衛のため、その防衛の武器の使用を認めておるわけでございます。
これは、御指摘のとおり、まさにいわば自己保存のための自然権的権利というものでございますので、そのために必要な最小限度の武器の使用というものは、いかなる場合も
憲法九条一項の禁ずる武力の
行使に当たらないという
考え方に基づいてやっております。
このように、武器の使用が全て九条一項の禁ずる武力の
行使に当たるとはもとより言えませんけれども、
政府は、武力の
行使とは、
基本的には国家の物的、人的組織体による国際的な武力紛争の一環としての戦闘行為をいうというふうに解してきておりますので、その相手方が国、または国に準ずる組織であった場合でも、ここからが大事だと思うんですけれども、
憲法上の問題が生じない武器の使用の類型といたしましては、従来の自己等を防衛するためのもの及び
自衛隊法九十五条に規定するもの以外にはなかなか
考えにくいというふうに
考えております。
つまり、自然権的な権利、それによって
憲法に
違反しないよというところの派生からひもといていくと、自己防衛のためのもの、それからいわゆる
自衛隊法九十五条、自国の武器を使っている人を守るために自衛官が武器使用をする、この九十五条に規定するもの以外はなかなか
考えにくいというふうに答弁されているわけでございます。
今回、では、九十五条の二でどういうふうに新たな提案がされているかというと、まさに
外国、アメリカ合衆国の軍隊も含めそれ以外の国、防衛義務がない国も含まれるわけでございます、そういった国の武器等を防護するために
日本の自衛官が武器を使用するということになっているわけですね。これは本質的に、自然権的権利あるいは自然権的権利に匹敵する重要な
基本権、そういったところでは説明がつかない領域に入ってきているというふうに思っているわけでございます。
そういう意味で、先ほどの平成十五年六月十三日の答弁、自己を防衛するためのもの及び
自衛隊法九十五条に規定するもの以外にはなかなか
考えにくいという答弁と矛盾する今回の規定じゃないかと思うんですけれども、それについて御見識をお伺いしたいと思います。