○小川勝也君 ちょっと
質問に沿った
答弁でない部分もありましたけれ
ども、最後、御
答弁をいただきました。
私たちはこの
酪農家の方々に何を
期待をされているのかといいますと、規模
拡大で
皆さんもう疲れ果てているんですね。ここ二十年で乳量を倍にしているんです。ですから、いつまでたってもゴールのないランナーにさせられている。その間、どんどんどんどん、
北海道だけでいうと、みんなで走っていてランナーが二百人ずついなくなっていくというのが
北海道の
酪農です。ゴールがないということは、持続可能な安定した
経営というゴールにいつまでたっても政策、制度が到達させてくれないということであります。
私たちは、
農業者戸別所得補償制度を議論するときに、ある極端な事例を参考にいたしました。これは
山田元
農林水産大臣がスイスで勉強された事例であります。スイスのいわゆる国境近くの急傾斜地で牛を五、六頭
放牧している
農家が受け取る所得補償が五、六百万円になるということであります。これは、御案内のとおり、国境地帯に、そこに
酪農家がいるということは、国防の一端、それから傾斜地加算、あるいは多面的機能の環境支払、それに景観支払ということをプラスしてそうなるということだそうであります。そして、その
農家は、自分の傾斜地で牛がノンストレスで生活したそのおいしい牛乳を自分の家でチーズに加工して観光客の
皆さんに販売すると、こういう
経営形態だというふうに聞きました。
これは理想ではありますけれ
ども、私たちは、あしたも来年も同じ
経営ができる
酪農というのを私は提案できないだろうかというふうに思って何度となく発言をしてまいりました。
頭数の
要件、あるいは草地の規模、今のやり取りでいきますと、いわゆる規模
拡大をするところ、あるいは法人、新しい取組をするところがより効率的な
酪農経営をできるようになる、そうすると相対的に、
努力をしなかったとは言わないけれ
ども同じ
経営を続けていた家族
経営の
酪農家が相対的に非合理的な
経営をしているということになって、その方々が脱落をしていく。
ですから、
酪農というのは最低五千万、一億掛かる産業でありますので、欠けたところに新しい参入はほぼ望めないわけであります。ですから、戦後入植を含めてせっかくつくり上げてきた
酪農地帯と良質ないわゆる
生乳を
生産できるシステムは私は様々な食料安全保障や景観維持を含めて宝物だと思いますので、国としてできるだけ持続可能な
酪農経営にシフトする、このことを今つくり上げていく時期だというふうに御提案をさせていただきたいと思います。
私たちは
農業者戸別所得補償制度をベースに理想的な持続可能な
酪農経営というスタイルを模索いたしましたけれ
ども、
大臣におかれましては、今、徳永
委員から
説明のあった例の
クラスターを変化させていただいて、家族
経営の方々が持続可能な
経営をやりやすくするというメッセージを出していただく、これを膨らませていっていただければ有り難いというふうに思ってございます。
ある先輩が、
農業経営というのは石垣だというふうに言ってくれました。これは、大きな石だけじゃ安定しないんだと、大きな石、小さな石、小さな石、これが組み合わさってしっかりとした石垣になると。今
北海道で、小さいからいいだろうと思って一戸一戸、二百戸を失う
酪農家が、やがてその石垣全体を崩壊させる今まさに危機的な
状況にあろうかというふうに思っています。
それから、補給金
単価です。これは高ければ高いほどいいです。しかし、これは安倍総理に言わせると、我々はずっと長いデフレ基調の中にありました。経済や景気、あるいは金利や為替が、物価が安定していた
状況に、その三年度の変化を取ってして微調整するのがいわゆる補給金
単価の制度でありました。
今、いわゆるところのアベノミクスで、
円安誘導で為替が八十円から百二十円になり、電力料金がこれだけ上がり、そして原油
価格がたまたま抑えられているのは産油国の思惑という偶然であります。それから、餌の
価格も国際的に乱高下する
状況の中で、補給金
単価だけで
酪農家の
皆さんのいわゆる見通しが付くわけではありません。EPAがあって、子牛高があって、そして
先ほど申し上げましたような諸条件の変化があって、まさに
酪農経営者にとっては全く先が見通せない
状況であります。
ですから、様々な施策を充当していただいているのはよく分かりますけれ
ども、家族
経営の
皆さんが、そういう大きな社会的な、世界的な
状況の変化にもまれつつも、とにかく来年度も営農ができるんだというシステムを
西川大臣の手でつくり上げていただきたい。そのことを御提案をさせていただいて、御
答弁をいただいて、
質問を終わりたいと思います。