○和田政宗君 みんなの党の和田政宗です。
会派を代表して
質問いたします。
まず、過去の
土砂災害でお亡くなりになった全ての
方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、各種の
災害で
被害に遭われた
皆様に心からお見舞いを申し上げます。
さて、本
法案の
質問に入る前に、一点だけ
質問をさせていただきます。それは、小笠原諸島沖での中国漁船によるサンゴの密漁の問題です。
日本の排他的経済水域におけるサンゴの密漁はゆゆしき
事態で、二百隻を超える船が密漁をしているというのはまさに侵略行為と言ってもおかしくない
状況です。この密漁に対する取締りについてお聞きいたします。
まず、密漁船が日本の排他的経済水域でサンゴの密漁をする理由として、密漁で逮捕された際に釈放条件として支払う担保金が安い、これは排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する
法律に基づくものですが、その担保金の額が安いという点が挙げられると思います。私は、この担保金の額の引上げを速やかに行うべきと
考えますが、政府は担保金引上げについてどう
考えるでしょうか、農水大臣にお聞きします。
そして、密漁に対しては海上保安庁の巡視船などが監視に当たっていますが、監視
体制を
強化し、密漁をどんどん摘発すべきであると
考えます。この海域における巡視船の更なる投入など、監視
体制の
強化について
国交大臣にお聞きします。
一方、この海域に巡視船を充てると尖閣諸島における中国公船の領海侵犯などに
対応する巡視船が手薄になる懸念があります。更なる巡視船の建造、投入により、我が国の領海や排他的経済水域を守るべきだと
考えます。海上保安庁の
予算増額について
国交大臣にお聞きします。
それでは、
土砂災害警戒区域等における
土砂災害防止対策の
推進に関する
法律の一部を
改正する
法律案について
質問いたします。
私は、参議院議員になる前の、前職のNHK時代から
防災を専門としており、現在も
防災の研究者としても活動をしております。
災害において一人の命も失わせてはならない、これは私の強い思いであり
政治家の活動としての原点です。しかしながら、
災害が起こるたびに命が失われてしまう。そのたびに
考えるのが、なぜもっと事前にしっかりとした
情報を
提供できなかったのかということです。これは、昨年の伊豆大島の
土砂災害の後にも国会質疑で取り上げ、各省庁へ要望もしていますが、今年の
広島における
土砂災害でまた同じことが起きてしまったと私は悔やんでいます。
本
法案では、
土砂災害警戒情報を新たに
法律に明記するとともに、
都道府県知事に対し、
土砂災害警戒情報について
一般に
周知することを
義務付けるとなっていますが、では具体的にどのように行っていくのでしょうか。
これまでの行政機関の
周知方法を見ていると、報道機関に
情報を流すよう
提供しました、
防災無線で知らせましたなどマクロ的で、
災害の危険が迫っている一人一人に丁寧に
情報を届けるという
体制になっていません。一人一人に届けるためには、
土砂災害警戒区域において各家庭に
防災無線の戸別受信機を設置するなど、確実に
情報が伝わるようにすべきだと
考えます。
土砂災害警戒区域における
防災無線の戸別受信機の設置への
支援を含め、一人一人に
情報を届ける
体制をどのように構築していくのか、総務大臣にお聞きします。
そして、
災害から人の命を守るためには事前の
避難が極めて重要です。
土砂災害警戒情報は、実際にそれなりの
雨量が
観測されてから
発表されます。これでは、既に
土砂災害警戒情報が
発表されたときには、雨が非常に強く、
住民は
避難ができない
状況である場合が多いと
考えられます。実際に、今年の
広島の
土砂災害や過去の
土砂災害でもそのような
状況が起きています。
さらに、
広島の
土砂災害においては、地形の特性や気圧配置、雨雲の入り方から、
局地的豪雨となる
危険性について、事前に
予測できた、若しくは端緒を捉えられたのではないかと
考えられます。それは、各地の過去の
豪雨災害や
土砂災害において、背後に山があり雨雲が断続的に流れ込んで
災害が発生するという同じような
状況を経験しているからです。
土砂災害警戒情報が
発表されてからの
避難では間に合わない可能性があります。端緒を捉え、事前に
大雨や
土砂災害についての
警戒情報を出せるよう気象庁の
体制を
強化すべきと
考えますが、太田
国交大臣に見解を聞きます。
また、
土砂災害警戒情報が
発表される可能性について、事前に関係各機関に
情報提供を行うことや、事前に
情報提供ができる
体制をしっかりと構築すべきと
考えます。
国交大臣にお聞きします。
次に、
避難体制の
強化について聞きます。
本
法案では、
土砂災害警戒区域の
指定がある
市町村の長は、
避難施設や
避難場所、
避難経路に関する
事項を
住民に
周知させるため、当該
事項を記載した印刷物の配布その他必要な
措置を講じなければならないとなっています。しかしながら、
東日本大震災や各種
災害においても
ハザードマップに対する
住民の認知度は低いものがありましたし、現在も認知度は高くなっていません。
ハザードマップや
避難経路を示した地図を作り配布することはとても重要なことですが、どのように
住民の実効性のある理解につなげていくのでしょうか。具体的にどのような手法で理解の
促進を図るのか、
国交大臣、お示しください。
さらに、
避難訓練について聞きます。
避難訓練は、繰り返し行うこと、そして様々なパターンで行うことがいざというときの
避難につながっていくと
考えますが、一方で、
避難訓練の参加率は一向に向上しません。都市部などでは特に顕著です。
避難訓練の参加率を上げなければ、いざというときの
避難につながっていかないと
考えますが、
避難訓練の参加率を上げていくために具体的にどのようなことを行っていくのか、
防災担当大臣にお聞きします。
さらに、
避難指示、
避難勧告の
在り方について聞きます。
いざ
大雨が降ってからの
避難指示や
避難勧告では、
大雨の中、とても
住民が
避難できる
状況にないことが
考えられます。また、その中で
避難することはかえって危険です。
避難指示や
避難勧告を、
大雨や
土砂災害が予想される場合に、実際に
大雨などが
観測される以前に出すことについて、私は積極的に行うべきだと
考えますが、
防災担当大臣はどのように
考えるか、お聞きします。
また、
避難指示や
避難勧告については、その違いについて、いまだに
国民の
方々からよく分からないという声を聞き、理解が進んでいないのも事実です。
避難指示はより緊急性が高い、危険が迫っているときに
発表されるものと私は理解していますが、実際に
避難指示が出ても
避難する人は少ないというのが現実です。各地で
大雨に関連する
被害が続く中で、改めて、
避難指示とはどういうものか、
避難勧告とはどういうものかを
国民に
周知すべきと
考えます。
国民の理解が進まなければ命も守れません。
防災担当大臣の見解を聞きます。
さらに、逃げなければ人命に危険が及ぶおそれがある場合について
考えると、現在でも、
災害対策基
本法六十三条などに基づき強制性を持った退去、すなわち
避難をさせることができますが、この条項はなかなか使われることがありません。また、
周知の際の
説明も難しくなります。
そこで、しっかりと
避難をしてもらい命を守るために、緊急性が極めて高いものについては、
避難指示を上回り強制性を持つ
避難命令のようなものを新たに
発令できるようにすべきだと
考えますが、
防災担当大臣はどのように
考えますか。
最後に、こうした
災害を未然に防ごうとする各種の
法律は更にしっかりと制定をしていくべきだと
考えますが、未曽有の大
災害については、現行憲法では対処できない部分が多々あると
考えています。
緊急時に多くの人命を救い、
被害の拡大を防ぐためにも、平常時における私権、私の権利を一時的に一定程度制限せざるを得ない
事態が起きることは十分にあり得ます。しかし、現行憲法には緊急
事態に
対応する条項が全くなく、こうしたことを行えません。
私は、憲法に緊急時のルールを定め、緊急時の対処は
内閣の
責任であることを明確にし、一時的に
法律同様の政令を出せる権限を
内閣に付与することなどが必要であると
考えます。現行憲法を速やかに
改正し、憲法に緊急
事態対処条項を新設することを提起し、私の
質問を終わります。(
拍手)
〔
国務大臣太田昭宏君
登壇、
拍手〕