○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いいたします。
今日は
テロ資金処罰法についての
議論となります。
冒頭、まず、
国際テロといえば、多くの方が思い浮かべられるのがセプテンバーイレブンですかね。私も少しだけニューヨークに滞在したことがありまして、働いていた場所から、窓から見えるのがニューヨークのグラウンド・ゼロでした。窓を、そちらを見ながら仕事をしていたことを思い出します。
あの
テロ発生当時も、同じ職場に働いていた人が救助に行こうとしてそこで亡くなったというような話も聞き、顕彰されている碑も見たこともありました。私の友人も、アメリカ同時多発
テロ当時、当時でまだ富士銀行だったと思うんですが、働いておりまして、まさにワールド・トレード・センターにいて九死に一生を得たという大親友が一人おりました。
本当にこういうことが起きるんだと世界の人が震撼したような事案ではあったと思います。ただ、率直なところ、これまでは私も、
日本社会というのとはまたやっぱり違うところにある事件かなという思いが少しだけは、一部はやっぱりあったのもまた事実ではあります。
ただ、最近少し衝撃的だったのが、少しというか、衝撃的だったのが、大学生がイスラム国の
関係でシリアに行こうとしたというところでありました。当初は
日本の中でもそういう
テロ組織の方に
派遣するようなネットワークがあるというように想定はしたんですが、話を聞くと、動機としては、むしろ就活に困ったり、そういう
部分で絶望感にさいなまれていったというところ、私、その話も聞いて逆にまた衝撃を受けたんですが、ある
意味、怒りだとか不安だとか、一般的に見られるような感情から飛び越して
テロ行為に入ろうとする、そういうような
部分も出てきているんじゃないかと。
これについては、近畿大学の教授なども歴任された、今現在、中東研究センターの副センター長もされている保坂修司先生がおっしゃっておりますが、自分の怒りや不安、欲求不満や閉塞感を解消する場所として自分のアイデンティティーと全く
関係ない場所が選ばれることも少なくないと、そうした若者たちに戦う場所や死ぬ場所、生きがいや死にがいを示す大義を現在のシリアやイラクが
提供していると、今回の
日本の大学生の例がまさにそうである、このようなことをおっしゃっておりました。
私も、
テロの問題を
考えるに当たっては、現実の現象とはまた別に、深層社会でどういうことが起きているのか、やはりそういうことも
考えなければいけない、
日本の深層
部分にも
テロの
関係と何か関わってくるような違った動きがひょっとしたらできてきているんじゃないかという危機感だけはやはり常に持って
考えていかなければいけないと思っております。そういう一種の社会問題もこれからまた別途
議論はしていかなければいけない、この点は、まず、
テロの問題を
考える上で非常に重要だということを冒頭申し述べさせていただきたいと思っております。
そこも一部念頭に置きながら、今日は
法案の方の審議でございます。
法案審議について、細かな
部分も含め、また、既にもう質問になっているところもあると思いますが、確認の
意味も込め、改めて確認をさせていただきたいと思います。
まず、今回の
法改正、企図されているところ、ざっくり申し上げれば、
客体を広げ、また
主体も広げていくというその点であります。そのうちの
客体につきまして、
現行法、
客体は
資金のみでございます。この
資金とは何であるのか、その
解釈について御
説明をいただければと思います。
当局からよろしくお願いします。