○小川勝也君 民主党・新緑風会の小川勝也でございます。
西川大臣、御
就任おめでとうございます。
西川大臣とは論戦を交わしたことがありませんので、今日は楽しみにさせていただいております。メンバーの皆さんにつきましてはまた同じ話かということになろうかと思いますけれども、御容赦いただきたいというふうに思います。
午前中の
議論も大変実り多い
議論だったというふうに思います。
農政が大事な時期にあるという共通認識、これは御確認をいただけたと思っています。また、
米価下落といわゆる米
農家の
所得について、これが今この秋の一番の
課題だと思います。この
課題につきましては、午後、同僚であります徳永議員から厳しく追及があろうかと思います。私はまず、安倍政権あるいは政権交代後の
農政というところの共通認識をつくり上げていきたいなというふうに思っているところであります。
攻めの
農政とか
所得倍増という
言葉に対しては、
現場の
農家の
方々も大変大きな違和感を感じておられるというふうに伺っております。また、この
農林水産委員会は、他
委員会とは少し違いまして、
自民党側と野党側と拍手をし合うというように共通認識を持つことも非常に多いわけでありますが、そんな中で、まずは
TPPの問題、これは今
政府が進めておられること、あるいは
大臣の
所信と
委員各位の思いが若干ずれているんじゃないか、それからまた、いわゆる産業競争力会議なるものから発せられる様々な案件、すなわち
JA改革や、あるいは
全農あるいは
農業委員会に対する問題、ここもちょっと違和感が多いというふうに思っています。
それから、
言葉尻を捉えるわけじゃありませんけれども、
攻めの
農政、これは私も大変大きな違和感を感じています。なぜならば、私の政治信条というか政治的使命というのが、
農村コミュニティーを守る、そういう思いで私が選挙に立候補して仕事をさせていただいて、
農林水産委員会で
質問をさせていただいているからであります。また、三年三か月の政権をお預かりをさせていただいたある時期は、総理官邸で
農山漁村地域活性化担当という補佐官の仕事もさせていただいておりました。また、今これから
議論させていただきますけれども、
農業が少しずつ変わっていかなければならないときに、コミュニティーにどういう人たちがいていただいたらいいのか、
農業生産に従事する人たちだけではコミュニティーを守り切れないということで、我々は六次産業化、こういうことも
推進してまいったわけであります。
御案内のとおり、
農業には多様な経営形態があります。いろんな経営形態があっていい、大きな
生産法人もあっていいし大規模
農家もあっていい、あるいはハウス数棟のコンパクトな経営もあっていいわけであります。多様な
農家を排除しないということで、我々は、ばらまきと言われましたけれども、
農業者戸別
所得補償制度を導入したわけであります。そして今、安倍政権が誕生し、林
大臣から
西川公也大臣、二代目の
農林水産大臣、その間、
農地の中間管理機構の
法案があり、
通常国会では
農林水産委員会始まって以来のいわゆる重要広範議案の審議ということで二法を
議論いたしました。そこの席に安倍総理も座って、答弁をいただきました。その結果、今に至っているわけであります。まず、この秋のいわゆる
所得がどうなるのか、後で
議論させていただきます。
それで、私は、自己紹介をさせていただくと、北海道の選出であります。北海道はいろいろな
農業政策や法律を全国一律で
議論されたときに、少し違うなという点が多くあります。例えば、
農地の中間管理機構、これは、とにかく売らないんですから出してくださいねという流れだと思います。北海道では、残念ながら離農する方は、
農地をすっかり置いて町に行きます。その
農地は、
農業委員会さんのあっせん等でいわゆる
担い手が受けてどんどんどんどん大きくなっていった、この歴史であります。
その
一つを取っても、本州と北海道は大きく違うなと、こう思うわけでありますが、北海道は、今、
西川大臣が言われたように、
日本の
農業全体を考えたら、競争力が弱い、あるいは効率が悪い
農業だというふうに言われていることに私は否定はいたしません。しかし、様々な為替レートや国の違いを乗り越えたときに、北海道
農業は相当効率のいい
農業をしていると私は自負をいたしております。そのために犠牲も払ってまいりました。私が今問題提起しております
農村コミュニティーの問題です。
農地が大きくなるということは、隣近所の
農家がいなくなるということであります。十ヘクタールから二十、二十から三十、四十、五十、六十、七十になると、近所に
農家がいないんです。酪
農地帯、牧草地を百ヘクタール管理しています。隣のうちに声を掛けても、誰も聞こえません。
これが何をもたらすかというと、北海道ではいわゆる学校の統廃合が進みました。かつて、私の生まれた町も、最盛期の人口が一万二千人、小学校は分校を含めて十五校ありました。今は、言うまでもなく一校です。そうしますと、十数キロ、スクールバスで通うことになります。中学校しかりであります。これが北海道全体の
農村の風景です。かつて開拓に入った先輩方は、吹雪のときも六キロ、八キロ学校から歩いて帰ってくる。当たり前でした。しかし今、時代は変わり、
農業後継者はやがて結婚をして、そこで息子を後継者に育て上げたいと思います。しからば、そういう寂しい、隣近所がいないところに嫁に行って、次の世代を育もうという女性がどれだけおられるのか。これは現実です。
ですから、
農業を商業とかビジネスとか経済だけで捉えるのは私は間違いだと思う。ですから、北海道も本州も、そこに
地域があって、それが国土であり、これが
日本国だという事柄から、大事な
食料生産という
農業政策を私はプルダウンする必要があるんではないかと思っているところであります。
攻めの
農政、
所得倍増、あるいは
TPP、大変違和感を持っておられる方が多い中、
西川大臣の率直な、今、安倍政権が進めておられる様々な経済
政策、
農業政策と、
就任された
大臣御自身の考えとのギャップはありませんでしょうか。