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政府特別補佐人(
一宮なほみ君) 人事院は、八月七日、
国会と
内閣に対しまして、
国家公務員の
給与等に関する報告及び勧告を行い、併せて公務員人事
管理に関する報告を行いました。
この度、その内容について御説明申し上げる
機会をいただき、厚く御礼申し上げます。
以下、その概要を御説明いたします。
まず、本年の
国家公務員の給与の改定について御説明いたします。
月例給につきまして、
行政事務を行う
国家公務員と、企業規模五十人以上の民間事業所で
事務、
技術等の業務を行う従業員の四月時点の給与を精確に
調査して、比較いたしました。その結果、本年の春季賃金改定における民間事業所の賃金引上げの動きを反映いたしまして、公務員給与が民間給与を千九十円、〇・二七%下回ることになりました。この較差を解消するため、世代間の給与配分の観点から若年層に重点を置いて俸給表の水準を本年四月に遡って引き上げることといたしました。
特別給につきましては、公務における年間の平均支給月数と民間事業所における昨年の冬と本年夏の賞与を含む直近一年間の支給割合を比較いたしました。その結果、民間事業所における好調な支給
状況を反映いたしまして、公務が民間を下回ったことから、〇・一五月分の引上げを行い、年間四・一〇月分とすることといたしました。その際には、勤務実績に応じた給与を
推進するため、特別給の引上げ分は、勤務成績を反映する勤勉手当に配分し、本年十二月期分から引き上げることといたしました。
このように、本年は、月例給、特別給共に、七年ぶりに引上げを勧告することとなりました。
次に、給与制度の総合的
見直しについて御説明いたします。
国家公務員給与をめぐる現下の諸
課題に
対応するため、
地域間、世代間の給与配分の適正化を図る観点から、
地域の民間賃金の水準を踏まえて俸給表の水準を平均二%引き下げ、その中で高齢層給与を抑制するなど給与カーブを見直すとともに、
地域手当の
見直しを行うことといたしました。また、人材確保の必要性や円滑な人事運用の要請等を踏まえ、若年層の
職員、広域的な
異動を行う
職員、やむを得ず単身赴任をしている
職員に、それぞれ支給される手当の額を引き上げるなど処遇の改善を図りました。
見直しは、平成二十七年一月から必要な措置を講じながら段階的に
実施し、平成三十年四月に完成させることといたしました。俸給の引下げに際しては、
地方に在勤する
職員の生活への影響を考慮いたしまして、激変緩和のための経過措置を講ずることによって、新制度への段階的かつ円滑な移行を図ることとしております。
続きまして、
雇用と年金の接続及び再任用
職員の給与について御説明いたします。
本年度から公的年金の支給開始年齢の段階的引上げに伴い定年退職後に年金が支給されない期間が初めて生じておりますが、報告では、再任用の
状況に言及するとともに、今後の
雇用と年金の接続の
在り方について本院の考え方を報告しております。
また、公務における再任用の人事運用の実態や民間の再
雇用者に対する手当の
状況を踏まえ、再任用
職員に対しても単身赴任手当を支給することを勧告いたしました。
最後に、公務員人事
管理に関する報告について御説明いたします。
人事院としては、本年の
国家公務員法等の改正後においても担うこととされた人事
行政の公正の確保及び労働
基本権制約の代償機能を適切に果たし、現下の諸
課題に積極的に取り組んでいくことが重要であると考えております。
本報告では、
国家公務員法等の改正
事項に関する本院の
取組の
方向性を示した上で、能力、実績に基づく人事
管理の
推進、
女性の採用、登用の拡大、勤務
環境の
整備等の主な
課題についての
基本認識と
取組状況を報告しております。
以上、本年の報告及び勧告の概要を御説明申し上げました。
委員長始め、
内閣委員会の
委員の皆様におかれましては、人事院勧告制度の意義や役割に御
理解を賜り、この勧告を速やかに
実施していただきますよう
お願い申し上げます。