○江口克彦君 次世代の党の江口克彦でございます。
石破大臣、長い間、本当に今日は御苦労さまでございます。皆さんもお疲れだと思いますけれども、いずれにしても、私は最後ですから聞いていただきたいと思うんですけれども。
私は、この
地方創生という、創生という字は非常にいい字を選ばれたなというふうに思うんですね。それは、創の字というのは、左の倉の字は音を表している、音ですね。右の二本の線は刀、刃物を表しているんですね。要するに、刃物で切り裂くという意味が創なんですね。だから、言ってみれば、今までと違ったものをやっぱり出していくという、それが創生ということ。生というのは草木が生まれるという。別に漢字の説明をしているわけじゃないんですけど。
私は政治家になる前に、御承知のように、
大臣、私、女満別から石垣島まで、年間大体百回から百七十回ずつずっと毎年講演して回ったんですけれども、だけど、
地方は大変なんですよ、その頃から。それはもう先生のところの鳥取でも島根でもそうですし、それから特に沖縄、北海道もそうですけど、そういうところで皆さんが、もう既に十年前から
地方の
人たちが泣いているということですよね。
そういうことからすると、これは何としても
地方創生というものを実現していかなければいけない、今回こそ実現していかなければいけないと。私はこうやって
質疑している時間も惜しいんじゃないかと。この時間も、もう
大臣、
地方に行かれて
地方に話をされた方が、我々が拘束するのは、逆に私からすると、その
地方の私に向かって泣いた
人たちの顔が浮かんできますから、実にもったいないなという気がしてならないということなんですね。
この
地方創生ということは、言ってみればイノベーション
地方ということですよ。ということになるわけで、ところが、イノベーションということについて余り皆さん方よく理解していない。シュンペーターが初めて経済学で使ったということになっているわけですけれども。
だけれども、その創生あるいはまたイノベーションというのはどういうことかというと、要するにプロペラ機を幾ら改良しても、これはエンジンを改良しても翼の形を変えても、それからプロペラをいかに改良しても、全体の形をどう変えたって音速より速くならないんですよ。それで、音速よりも速くならないのでジェット機という
考え方が生まれてくるわけですね、ジェット機という
考え方。ですから、プロペラ機からジェット機に変えるというのは異次元なんですよ。
ソニーの失敗というのがありますけど、大体ソニーというのは、ウォークマン、これは御承知のように世界を席巻したわけですよね。ところが、ウォークマンの改良に終始したわけですよ。そこに、スティーブ・ジョブズが異次元のアイフォンというものを、アイパッドというものを出してきたわけですよね。だから、本来ならばソニーが
考えなければならなかった、日本が
考えなければならなかった。要するに、通常の改良、改善ばっかりで、
発想を変えてプロペラ機からジェット機だとか、あるいはまたウォークマンからアイフォンとかアイパッドとか、そういう切替えというものが、これがイノベーションだということです。
地方創生ということも実はそういう異次元で
考えていかなければ、従来の、
地方をどうこうするとか、現状をいじって、ここをこう改善したらいいとか、あるいはまたこれをこういうふうにしたらいいとか、それはそれで大事だというふうに私は思うんでありますけれども、こういうふうなことをやっている限り、少しも進歩発展というか
地方の
活性化はできないというふうに思うんですね。
地方再生、
地方創生のためにはやっぱり
中央集権というものをこれを改めないと、これ全部ストロー効果で東京に集めて。なぜ東京に人が集まるかと、もう言ってみれば、空港を造れば造るほど、それで新幹線を走らせれば走らせるほど東京に集まってしまうということは、これは
中央集権ですよ。もうほとんど大企業の、上場企業の恐らく六割から七割はもう東京なんですね。
地方にありますと、小松にありますと、あるいはまた吉田ファスナーはどこそこにありますと一昨日も答えておられましたけど、あれはごく一部なんですね。だから、そういうふうなことからすると、やっぱり
中央集権というものを改めないと私は駄目だと思うんですね。
それともう一つは、
質問は最後にさせていただきますので。シンガポールですけど、シンガポールは五百五十万人ですよ、人口。私が行った二十年、三十年ほど前は三百五十万人でした。あそこは劇的ですよね。一九六五年でしたかね、たしか一九六五年だったと思いますけど、マレーシアからあれは追い出されるように切り離されるわけですよ。言ってみれば、三百万の人口でリー・クアンユーはもう途方に暮れるわけですね。有名なエピソードがあって、テレビでリー・クアンユーが涙を流してシンガポーリアンに訴えるんですよね。何とかこの国を自分
たちで盛り上げていこう。リー・クアンユーのその熱意と、それに応えた国民というものが、それが今日のシンガポールというものをつくり上げているわけですね。
今、一人当たりのGDPは世界第三位ですよ。日本は二十三位になっているんですよ。おかしいじゃないですかね。だから、やり方によっては、シンガポールというのはやり方によってはどんどんどんどん発展していっているということで、あそこは最初、公園国家から出発してコンベンション国家になって今はカジノ国家にという、国家自体が言ってみれば東京ディズニーランドのように次から次へと出し物を変えながらね。これから、シンガポール、リー・シェンロンはカジノが一区切り付いたら何かやろうかって
考えているんじゃないかというふうに思うんですけど。
私が申し上げたいのは、ここでいろいろ
石破大臣の
政策の問題点を指摘し合うということは、これはこれでまた意義があると思います。
大臣もそれを期待されてお答えになっておられると思いますけれども、やっぱり我々国
会議員も、こういう
考え方がありますよと、こういう案で
地方を
活性化したらどうですかというようなことをやっぱり言う場があってもいいんじゃないか。
質問は、私、提出していますけど、もうほとんど皆さん方が
質問されてしまいましたので、それで
お話ししているんですけどね。
例えば、沖縄なんかですけど、さっき鉄軌道という
お話をされましたけど、鉄軌道なんというのは今時代遅れですよ。沖縄で鉄軌道をやるというんだったら、それだったら那覇から辺戸岬までリニアモーターカーをもう一気に敷くということをやったらいい。それはどうしてかといったら、移動時間が十五分間で済んじゃうわけですよね。それだけじゃなくて、リニアモーターカーが観光資源にもなるというようなことで、そうすると
活性化につながるということ。鉄軌道ということですけど、それは、御承知だと思いますけど、LRTというのがありますよね。そういうようなもので、那覇市とか名護市とか、そういうところはそういうLRTでやったらいいんで。だけど、やっぱり背骨、それによって沖縄の北部が、今期待の北部が開発されるということも出てくるだろうというふうに思います、北部にリゾートとか。
それから、九州なんかは今、ななつ星ですよ。あれ、私、三年後に予約をしたんですけど、駄目なんですね。
大臣も駄目ですよ、そういう立場ではね。純粋なくじ引でやっているらしいんですね。ですから、
大臣も多分くじには当たらないというふうに思うんですけど。
九州なんかは、そこで
大臣にお願いしたいのは、BNCT、BNCTというのは御存じだと思います。要するに、ホウ素中性子がん治療装置というのがあるんですね。これは、重粒子線のがん治療装置が三百億掛かる、これを三十億で、しかも、世界の競争から群を抜いてこれは実現化されるということになっているわけですよ。再来年ほぼ実用化されるという。これを九州に、ななつ星で走らせる、一周させると同時に、そういうメディカルツアーというものを
考えたら九州もできる。
それからもう一つ、四国でいえば、八十八か所がもったいないんですよね。あれは、フランスからスペインまで聖サンチャゴ・ルートというのは九百キロあるんですね。八十八か所は千四百キロですよ。千四百キロですけど、じゃ、その八十八か所が整備されているかというと、全く整備されていない。国道の横っちょをお遍路さんが歩いていくというような状態ですよね。そういうようなことですから、それを整備するということで。サンチャゴには年間百万人行っているわけですね。八十八か所には十万人ぐらいしか行っていないわけですよ。私は八十八か所というのは世界に誇る仏教ルートだというふうに思うんですけど。
そういうようなこととか、中国はどうするかといったら、中国、どうして広島に国連の平和
研究センターというのは持ち込まないのか、持ち込むようにしたらいいんじゃないか。
関西なんかは、これは全部一例で挙げていますけど、関西なんかは、伊勢から出発して宇治、それから京都、そして大
山崎、それから大阪、兵庫と、これは歩くだけで歴史街道、歴史街道というか、歩くだけで歴史を体感できるということになるわけですね。東北なんかは農産物の世界一の品種改良センターをつくったらいい。それから、北海道なんかは、二時間サマータイムやるだけで、証券取引所が世界一最初に、一日の最初に、一番最初に開くということになるわけですよ。
こういうようなことで、いろいろと今申し上げましたけれども、問題は、こういうことができるかどうかということになってくると、実は
官僚の壁が物すごく大きいんですよ。岩盤規制を打破するというのはそのことだと思うんです。岩盤というのは私は
官僚のことだと思っているんですよ。
実は、先ほどもある自民党の幹部の人の話を聞いていたんですけど、北海道で、道州制特区ですよね、あそこは。だから、免税を、そういうエリアをつくろうというふうに北海道の方が提案するというようなことで、それを受けて自民党の我々も動いた、けれども、財務省を始め、かたくなにというか絶対に受けないと、これでもう往生するんだと。だけど、私は、自民党の大物の先生が、これは
官僚と対抗できないというか、そう言われたからって、財務省の方から言われたからって引き下がるということもなかったと思うんですけれども。どうしてもやっぱり私は
官僚の壁を
石破大臣に破っていただかなければならないのではないだろうかというふうに思うんですけれども。そこで
質問に入りますね。ようやく
質問です、皆さんの御期待に沿いまして。
それで、
大臣はその
官僚の壁を、これ
地方創生で様々な今いろいろと先生方が
質問されましたけど、全部
官僚に潰されると思うんですよ、完全に。私がいろいろ今物すごくいい提案をしましたよね、自分で言っていてもしようがないんですけど、物すごくいい提案をしたわけですよ。石井先生、お分かりになると思いますね。だけど、この
官僚の壁をどうやって、破る自信があるのかどうか、
大臣、ちょっとしっかりと自信のあるところをお示しいただけませんか。