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田城郁君 A子さんのお気持ちが想像できないと。まあ、どういうお気持ちか自分なりに想像し、だから謝罪をしているのではないかというふうにも思うんですが、お答えいただけないようですから。はたから見ていると大きな問題だなというふうにも思います。身の処し方をよくお考えになった方がよろしいんではないかと思いますが、それは自分のお決めになることですから、これで
質問を終わりにいたします。
さて、本題に入ります。
太田国交
大臣の所信表明に対しまして
質問をさせていただきます。
今、
日本列島は、太平洋プレート活動の活発化に伴う火山噴火や地震の頻発、首都直下、南海トラフ巨大地震への警戒、そして気候変動に伴う局地的な集中豪雨や豪雪、二週間連続台風の列島縦断など、まさに自然
災害が激甚化する
状況下で待ったなしの防災・
減災対策が迫られておりますが、
大臣は、御
指摘のとおりです、同時に
大臣は、
現場力こそ
日本の底力、
技術立国
日本、人材立国
日本の強みを維持していくため、技能労働者の
処遇改善や人材育成、女性が活躍できる
環境づくりをしていくと御
決意を述べられております。
当たり前のことですが、自然
災害が起こればそこが
災害現場になります。交通事故が起こればそこが事故
現場になります。言い換えれば、建設
現場や旅客・物資輸送、オフィスワークなど、人間が働いている場所、交通の往来する場所、観光や登山をしている場所、勉強する場所、家事をしている場所、あらゆる日常生活が営まれている場所において事故が起こる
可能性が潜在的に存在しております。日常生活は事故と隣り合わせということです。
そして、気候変動やプレート活動の活発化など、大自然の大いなる力の前に人間の力は余りにも微力でありますが、そういう自然に畏敬の念を持ちつつも、いかなる
状況でも事故が起こらないように誠心誠意努力をして未然に防ぐ、一旦不幸にも事故が起きたなら、これまた最善を尽くして事故の収束をさせ、人命を助け、原因究明をして同種事故を二度と起こさないために尽力をしていく行為こそが人間のあるべき姿であると私は考えております。
お亡くなりになりました早稲田
大学の教授で
日本ヒューマンファクター研究所の所長を務められておりました黒田勲博士は、「安全を支える「ひと」と組織」という演題の講演において、ちょっと引用いたします、長くなりますが。
安全はこの世にはありません。常に存在するのは危険です。危険に対して何をするのかが実は安全なのです。危険を認知し自覚しないと安全はあり得ません。ですから、危険の経験の少ない、危険を認める能力がまだ進んでいない若い
人たちが安全を守らないのは当然です。安全のためには、危険をいかに的確に予測するかが大事です。そのために、安全管理者、マネジャーの役割が大切です。安全は、スローガンを立ててポスターを貼ることではありません。安全は、
現場にいる一人一人が力を合わせてつくり出すものであって、一人一人にしみ込んでいくことが大切なのですと、こういうふうにおっしゃっております。
まさに人の行動が安全を左右し、だから、この人材の育成と人間同士の協力関係で安全が保たれているのだというふうに私は解釈をしております。
私の問題意識は、激甚化する自然
災害に加え、余りにも利益を優先し過ぎる余り、行き過ぎた規制緩和、行き過ぎた
効率化の果てに組織の分断がなされ、協力関係が生まれず、
現場経験もままならず、安全への価値観が統一されず、人員削減で
現場は疲弊し、教育コストを惜しむ中、
技術継承がされず、結果として人材が育たず、人為的ミスや過失による事故が起こる
可能性が非常に増しているという
状況が今の私
たちの
日本社会の姿ではないかと考えております。利益最優先の新自由主義的な経営により
現場力が落ちている、そう危惧しているのは私一人ではないはずだと思います。JR西
日本の福知山線事故、JR北海道の連続した事故、JR東
日本の川崎での脱線、横転事故など、あるいは関越道での高速ツアーバスの事故、韓国ではセウォル号転覆事故など、その典型であると言えるのではないでしょうか。
太田大臣は所信表明で、
現場力こそが
日本の底力です、
技術立国
日本、人材立国
日本の強みを維持していくことが、これからの
日本の成長の鍵を握っていると発言をされております。まさに私も同感です。
外国人から見て
日本がそのように思われていることは、私も海外での難民支援や復興支援活動の過程で経験しており、それを
誇りにも思っているところです。一方で、これまで長い時間掛けて培われてきた
技術立国
日本、人材立国
日本が枯渇してしまうのではないか、私
たちは、その兆候が多岐にわたって見受けられることを重要な問題として認識しながら事に当たっていかなければならないという危機感を共有しなければならないと思っております。
そういう中で、
鉄道会社の外注の
方向性の問題について少しお尋ねをいたします。
近年、JRを始めとする各
鉄道会社は、保線や電力などの業務の外注化を推し進めております。行き過ぎた外注化は組織の分断、
技術の分散を生み、ひいては
技術そのものを消滅させる危険な事故を生み出す原因にもなりかねないと考えます。経営の
効率化の名の下で過度なコストカットを
推進することは、教育の軽視や組織の分断による
現場力の低下を招くことが容易に推察されます。
利用者の
安全確保という重大な責務を負う公共交通機関としていかがなものかと思いますが、
太田国交
大臣の御見解をお
伺いいたします。