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石田昌宏君
是非お願いしたいと思います。
最近、急性期病棟も在院日数短くなりましたから、病気がもう治らないような
状況になったら、昔だったら最後まで病院にいたんですけれども、今はもううちの病院の対象じゃありませんからよそへどうぞという形で、結果的には在宅も難しくて療養病棟で亡くなるだとか、そういった
状況も随分増えてきました。もっと
医療を強化することと、マンパワーだって
医療療養病床こそ七対一じゃないかと思うぐらいな
状況になっていますので、
是非じっくりとした検討をしていただきたいと思います。
では、続きまして、看護職員の確保についてお話ししたいと思うんですけれども、先日も私も被災地の方に行ってまいりました。もう何度も行っているんですけれども、行くたびに少しずつフェーズが変わってきて、確かに復興が進んでいるという、こういった思いもあります。その一方で、復興が進んでいるどころか逆に厳しくなっているという
状況もたくさんあって、この手当てをしっかりしないと本当の
意味の復興というのは訪れないと思うんですね。特に
医療、
介護に関しては、決して前向きだけじゃない
状況があって厳しさも増していますので、その声を幾つか御紹介したいと思います。これ、聞いてきたままの話です。
あるところでは、大手のスーパーが町に進出してきました。そして、確かに買物の便も上がったし、従業員の現地雇用もたくさんあって、期待はとても大きいです。しかし、
介護施設や
医療施設にとっては、これはむしろ脅威になっています。というのは、看護助手さんとか
介護職員の方が働いていただく給料よりも、スーパーで働いた方が時給が二百円ぐらい高いんですね。それでどうするかというと、3Kの仕事で働くということよりも、当然スーパーを選ぶわけです。そして、
介護職員が今どんどんどんどん流出していってしまう、そんな話を聞きました。
それから、震災で家が流されて、たくさんのローンを抱えながら仕事をしている看護師がいるんですけれども、男性の看護師なんですけれども、建築業界の知人から、うちの業界に来てうちの会社で働いてくれたら、あと十万給料増えるよと、しかも大型の
免許をただで取れるよという格好で誘いがあるんですね。そして、その看護師は退職を決意しました。実は、その病院の男性看護師、今年三人目、そんな
状況だったりします。
NPOが被災地で一生懸命頑張っています。国からの助成ももらって、いい仕事をしているんですね。そして、被災地で雇用も進めてくれていてとても有り難いんだけど、その雇用のときの給料がその被災地の病院で働くよりも高いんですね。しかも夜勤がない。そういう
状況なので、実はそこで働いている病院の人たちがまたNPOに行って、病院としては人材流出になってしまいました。
合同就職
説明会に病院のブース出しました、県全体のですね。そうすると、ほかの病院は人が集まってくるんですけれども、その病院、被災地にあるということで人が全然集まってこないんです。仕方ないなと思って、看護
部長さんたちが病院に戻ってそのことをスタッフに
報告した瞬間に、モチベーション下がって下がって、もううちの病院には人が来ないんじゃないかと、すごく沈滞ムードになってしまったとか、もうこんな話がいっぱいあります。
看護職員が震災前から十人以上減ってしまいましたと。それからもうほとんどというか全く増えていません。今、平均年齢が年に一歳ずつ上がっているわけですね。定年後の人も全員働いています、夜勤もやってもらっています、そうやって何とか病院を維持しているとか、こんな話が随分出てきます。
もちろん、前向きな話もたくさんあるんですけれども、一方でこの厳しさというのがあって、こういった問題に対してはやっぱり丁寧に緊急に
支援をしていく必要があります。
そこで、今、三つ最低必要なことがあると思っているんですけれども、
一つは、やはり何とかして被災地以外からその
地域に看護や
介護の職員が行ける、それは今は待っていても駄目で、行くための仕組みというのをつくらなければならないと思います。これをやるべきです。
そして、
二つ目が賃金の問題、やっぱり実情というのがあって、その実情を踏まえて上げていくということをしっかりしていないと、ただ上げましたじゃなくて、現実に合わせて上げることが必要だと思います。
そして、今の話とちょっと若干関係ないんですけれども、復興住宅が随分でき始めていて、今、仮設住宅から復興住宅に人が移動し始めているんですけれども、その中で、一度切れたコミュニティーが、仮設住宅に入るときに、何とか仮設で三年半、
一つずつのコミュニティーをつくって、支えの仕組みができてきたときに、また今度ばらばらと復興住宅に入っていくわけです。そのサポートがどうしても足りないんですね。
保健師さんたちも随分頑張っているんですけれども、行政ということもあって定年で辞められたりとかして、かなり当時経験を持った方も減っていて、新しい若い方が
中心になっています。だから、どうしてもその人材の
不足感というのが、足りなくて、保健師の増員、こういったこともやっぱり今必要だと思います。
このようなことを
是非お願いしたいと思いますが、厚生省、いかがでしょうか。