○谷垣禎一君 自由
民主党を代表して、
安倍内閣総理大臣の所信に対し、質問いたします。(拍手)
九月二十七日午前十一時五十二分ごろ、
御嶽山で
噴火が発生しました。現時点で、行方不明者等の正確な人数は把握できていない
状況ですが、一人でも多くの方の生存を心よりお祈り申し上げますとともに、
犠牲となられた方に、謹んで御
冥福をお祈り申し上げます。また、危険な
状況の中、今も捜索救助活動を行っている警察、消防、自衛隊、その他の
方々に、心より敬意を表したいと思います。
ことしの夏は、全国各地で記録的な豪雨による
災害が起きました。
七月の長野県南木曽町の土石流
災害、八月の京都府福知山市や兵庫県丹波市の
豪雨災害、そして広島市の土砂
災害等があり、多くの方が
犠牲となられました。謹んで御
冥福をお祈り申し上げるとともに、被害に遭われた
方々に心よりお見舞い申し上げます。
特に、広島市の土砂
災害において、美しい自然に囲まれ、笑顔があふれていた家々が一瞬にして土砂にのまれ、愛する人の命が奪われていったその光景は、筆舌に尽くしがたい惨劇でありました。避難
生活も長期化しており、一日も早い復旧、
生活再建のために
全力を挙げることを
政府に強く求めます。
ことしに限らず、近年、我が国では、台風、集中豪雨、竜巻、地震等の自然
災害が多発しています。そして、今後も、数十年に一度や、今まで経験したことのないというような、以前は見られなかった大規模な
災害が多発する可能性もあります。
こうした
状況を鑑みれば、既存の法律では
対応できない
災害に関する
法整備が急務であることは明白です。
災害対策にはスピードが不可欠でありますが、今般、
総理は、
災害対策基本法の改正案の提出や土砂
災害対策の
制度見直しを明言されました。
安倍内閣として、
国民の命と暮らしを守るためにどのような方策を講じ、
災害防止に備えていくのか、
総理のお
考えを伺います。
東日本大震災から三年半を迎えました。
総理が毎月のように
被災地を訪問し、
復興への取り組みの陣頭に立たれている姿を見るたびに、
安倍内閣がどれだけ
震災復興を重視しているかを示していると感じます。
与党としても、
政府に対してたびたび提言を行う等、
政府と一体となって取り組んできたところであります。
実際、住宅再建や農地、漁港の整備、
災害公営住宅の整備等は、着実に進みつつあると
理解しています。
しかし、
復興はこれからです。とりわけ、避難者数は二十五万人弱まで減少したものの、いまだこれだけ多くの
方々が避難されている
状況を我々は直視しなければなりません。
そこで、
総理に、
復興のスピードアップに向けた
決意を伺います。
さらに、
福島については、まだ復旧が始まったばかりです。
福島にとっての
復興とは、原子力
事故災害の克服であり、それは、とりもなおさず、
日本の
再生への道でもあると
考えます。
先般、佐藤
福島県知事が中間貯蔵施設建設を受け入れ、大熊、双葉両町長が知事の判断を重く受けとめ地権者への
説明を了承するという、
関係者による苦渋の決断がなされました。
政府は、この決断の重大さを踏まえ、住民の
方々の声を真摯に受けとめ、取り組んでいかなければなりません。
福島復興への取り組みについて、
総理の
決意を伺います。
政権交代後一年九カ月が経過しましたが、
安倍内閣は、安定的かつ着実に
政策を実行してきました。特に、
アベノミクスによって、雇用の改善を果たし、
賃金の
上昇をもたらしつつあることは、数々の
経済指標を見ても明らかであります。
株価は一万六千円前後となり、行き過ぎた円高は是正され、景気の好循環が生まれ始め、
経済の
再生に向けて一歩ずつ前進しています。
我が国のマクロ
経済の
状況ですが、四月の
消費税率引き上げに伴う
駆け込み需要の反動等により、四月から六月の
経済成長率が
マイナス七・一%となりました。とはいえ、一月から六月まででならしてみれば
成長率は昨年に比べ
プラス一・三%であり、全体的には緩やかな回復基調が続いていると
考えます。
ただ、この夏の
天候不順や急激な
円安により、エネルギーや食料といった輸入価格が上がり、
企業や
家計の
負担が今後ふえていく可能性もあり、こうした動向にも注視して
経済運営を行っていかなければなりません。
そこで、
総理に、
経済再生と景気回復に向けた
決意を伺います。
さらに、
総理は、
消費税率一〇%への引き上げを行うかどうかの判断を年内に行うとの
考えを示しておられます。また、
総理は、七月—九月の
経済指標等を総合的に勘案して判断すると表明しておられます。
デフレ脱却と
経済成長を柱とする
日本経済の
再生と、持続可能な
社会保障制度の確立等のための
財政健全化は、いずれも喫緊かつ非常に重要な
課題であります。
そこで、これらを踏まえた上で、
消費税率引き上げに関して、改めて
総理のお
考えを伺います。
今
国会の最重要
課題として、
総理は
地方創生を掲げられました。
地方が
成長する活力を取り戻し、人口減少を克服する。そのために、
国民が安心して働き、家庭を築き、
子育てができ、将来に夢や希望を持つことができるような魅力あふれる
地方を創生し、
地方への人の流れをつくる。これこそ、まさに
日本再生の中核だと言っても過言ではないでしょう。
この
地方創生は、三つの基本的視点に立っています。若い世代の就労、
子育て等の希望の
実現、東京一極集中への歯どめ、地域の特性に即した地域
課題の解決です。
これらを具体化するためには、
地方における魅力ある就業機会の創出、出産や
子育てに希望が持てる環境の整備、市町村相互間の広域的な連携協力
体制の構築等が不可欠です。
総理は、まち・ひと・しごと創生本部の初会合で、
各省の
縦割りや
ばらまき型の
対応を断固排除し、異次元の
施策に取り組んでいただきたいとの
方針も明確に示しておられます。
地方のやる気を引き出し、各地の資源や魅力を生かした活性化への取り組みに対して、
政府全体で強力に
支援する
姿勢をしっかりとつくっていくことが必要であります。
改めて、
地方創生に向けた
決意と今後の取り組みについて、
総理に伺います。
総理は、今回の改造
内閣のもう一つの
課題として、
女性が輝く社会の
実現を掲げられました。社会のあらゆる分野で、二〇二〇年までに指導的地位に
女性が占める割合を三〇%以上にするとの
目標です。
今、
日本は、高齢化と労働人口の減少に直面し、いかに労働生産性を上げていくかが大きな
課題であります。そのためにも、
女性の
活躍に真剣に取り組んでいかなければなりません。
総理は、今回の
内閣改造で、
女性活躍担当大臣を新設し、任命されました。また、
安倍政権になって、十六年ぶりの
女性事務次官や、
女性初の
総理秘書官も任命されております。
さらに、
政府の動きに呼応して、
経済界でも
女性の
登用が進んでおります。
能力も意欲もある
女性が社会の高いポジションで働いていただくことは、
女性の
活躍を象徴するとともに、社会や
企業文化にもよい影響を与えるものと
考えます。
総理は、先般、ヒラリー・クリントン米国前国務長官と会談し、
女性の社会進出について熱心に
議論されたと伺っております。ヒラリー・クリントン氏から何を受けとめられ、その経験を
日本にどのように生かすべきとお
考えでしょうか。
総理の忌憚のない御意見を伺いたいと思います。
さて、性別や家族の形態を問わず、仕事をしながら
子育てを行うのは、決して容易なことではありません。
この仕事と
子育ての両立のためには、家族や職場の
理解と
支援、さらには
政府や自治体の手厚い
子育て支援が必要であります。そのためにも、これまで
余り子育てに参加してこなかったと言われる
男性も、
企業も、そして
政治も、意識
改革が必要であります。
さらには、労働時間自体を短くするためのさまざまな取り組みが必要であることは言うまでもありません。その上で、多様かつ柔軟な働き方ができる
経済社会を構築していく必要があります。
仕事と
子育ての両立のための
支援、特に働きながら
子育ても担う
女性をサポートしていく仕組みについて、
総理のお
考えを伺います。
次に、
安倍政権の
国際社会における
日本の地位向上と信頼の確立を目指した地球儀俯瞰
外交について質問いたします。
安倍総理は、多忙をきわめる
国会日程のさなか、驚異的ともいうべきペースで外遊日程をこなし、既に四十九カ国を訪問されました。国内においても、オバマ米国大統領やエルドアン・トルコ首相、アキノ・フィリピン大統領、モディ・インド首相等、精力的な首脳
外交を展開し、
国際社会における我が国の存在を不動のものとするとともに、積極的平和主義を初めとする我が国の主張に強い共感と支持を集めたのであります。
安倍総理の
外交は、その積極性はもとより、
充実した
内容と意義において高く評価されるべきものであります。
総理は、昨年、
日本版NSCである国家安全保障
会議の創設及び国家安全保障戦略策定等国内
体制の整備を行い、本年一月、オマーン、コートジボワール、モザンビーク、エチオピアの中東、アフリカ四カ国訪問を皮切りに、地球儀俯瞰
外交を加速させました。
同じ一月には、スイス・ダボス
会議に出席し、
日本の
総理大臣として初めてオープニングセッションで基調講演を行い、
アベノミクス等について参加者の幅広い
理解を得ました。引き続き、インドを訪問、
経済交流や
女性の
活躍について協力
拡大の道筋をつけたのであります。
二月には、ロシア・ソチ・オリンピック開会式に出席し、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会成功への協力を取りつけたほか、プーチン大統領との
首脳会談に臨みました。
続く三月には、オランダの核セキュリティーサミットに出席、オバマ大統領がサミットの最大の成果とする核物質削減に関する日米共同声明を発表したほか、G7首脳会合に臨み、ロシアによるクリミア併合や中国の東シナ海、南シナ海での海洋進出を念頭に、民主主義と法の支配という価値観を共有する国々のリーダーとの間で、力を背景とした
現状の変更は断じて許さないとの認識を一つにしたのであります。
さらに、四月末からのゴールデンウイーク期間には、ドイツ、英国、ポルトガル、スペイン、フランス、ベルギーを訪問、各国との
首脳会談やパリでのOECD閣僚理事会出席を通じて、地球儀俯瞰
外交の強力なパートナーである欧州各国首脳との間で、我が国の
経済政策や安全保障
政策への
理解と
支援を取りつけました。
五月末に、英国の国際戦略研究所の主催によりシンガポールで開催されたアジア安全保障
会議、いわゆるシャングリラ・ダイアログにおいて
安倍総理が行った、アジアの平和と繁栄よ、とこしえなれとする基調講演は、国際法に基づいて主張し、力や威圧を用いず、平和的に解決すべきであるとの法の支配の重視を訴え、我が国の安全保障法制の再構築に関する取り組みとあわせて、各国に感銘を与え、共感を呼び起こしました。
続く六月には、ベルギーとイタリア、バチカンを訪問し、ベルギーでは、自由と民主主義、基本的人権、法の支配という価値観を共有する先進諸国の首脳が集うG7サミットにおいて、力による
現状変更は許さないとの強いメッセージの表出をリードしました。
七月のニュージーランド、オーストラリア、パプアニューギニアの三カ国訪問では、オーストラリアのアボット首相から、
日本は今日の行動で判断されるべきだ、七十年前の行動で判断されるべきではないと、戦後、平和の道を歩み、国際貢献に
努力し続けてきた我が国に対する最大級の賛辞が表明されたのであります。
七月末から八月にかけては、メキシコ、トリニダードトバゴ、コロンビア、チリ、ブラジルと、
成長著しい中南米、カリブ海の五カ国を訪問、貿易・
投資の一層の
拡大を初め、関係強化に成果を上げました。
そして、この九月、
総理はバングラデシュとスリランカを訪問し、バングラデシュでは、安保理非常任理事国
選挙への立候補取り下げと、
日本への支持が表明されました。また、スリランカで
総理が行った、サンフランシスコ講和
会議でスリランカが我が国の主権を擁護してくれたことへの感謝を表明したスピーチは、聴衆に感銘を与え、両国の関係ときずなを強固にしたのであります。
総理は、先日、ニューヨークの
国連総会から帰国されたばかりであります。今回の
国連総会出席は、
総理にとって、これまでの地球儀俯瞰
外交を集大成する大きな節目であったと思います。
総理がどのような思いで
国連総会に臨まれ、何を訴えられたのか、地球儀俯瞰
外交、そして積極的平和主義について、改めて
総理の思いを伺います。
政府は、七月一日、新たな安全保障法制整備のための
基本方針を
閣議決定いたしました。
我が国周辺をめぐる情勢が大きく変化する中、どのような
事態にあっても
国民の生命と財産を守り抜くため、現行憲法下で何が許されるのか、
議論を広く丁寧に尽くした上での
閣議決定であり、切れ目のない安全保障法制を整備し、抑止力を強めることによって我が国の安全保障をより盤石にし、日米同盟と信頼関係をさらに強固にする、
政府の強い
決意を示したものと評価いたします。
ただ、新たな
閣議決定については、
集団的自衛権の言葉だけが先行し、
国民の間には、戦後平和国家としての道を一貫して歩んできた我が国がその方向を大きく変えるのではないかといった誤解や漠然とした不安があることも否定できません。
今回の
閣議決定の柱は、第一には、離島等で武装集団の上陸があった場合や米軍部隊の武器等防護など、武力攻撃に至らない侵害への対処、第二は、我が国による他国軍隊への
支援活動や、PKOでの任務遂行やいわゆる駆けつけ警護に伴う武器使用、並びに在外邦人救出等における領域国の同意に基づく警察的活動の実施です。
そして第三が、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、
国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合において、これを排除し、我が国の存立を全うし、
国民を守るために他に適当な手段がないときに、必要最小限度の実力を
行使するという
内容であります。
これは、国際法上は、
集団的自衛権が根拠となる場合がありますが、一方、憲法上は、あくまで我が国の存立を全うし、
国民を守るため、すなわち、我が国を
防衛するためのやむを得ない自衛の措置として初めて許容されるものであります。
この第三の点について、非常に厳しい歯どめがかかっており、およそ平和国家としての我が国の性格を変えるようなものではあり得ません。にもかかわらず、こうした点も十分に
国民に
理解されていないのではないでしょうか。
政府は、今後、関連法制の整備を進めることになります。そのためには、より
国民に対する丁寧な
説明が不可欠であります。
新たな
閣議決定と今後の関連法制の整備によって何が変わるのか、自衛隊が湾岸戦争やイラク戦争のような戦闘に参加するようなことはないのか、外国の戦争に
日本が巻き込まれることはないのか、こうした
国民の不安や誤解を払拭できるよう、
総理の言葉による丁寧な
説明を求めたいと思います。
日米同盟が我が国
外交の基軸であることは、改めて申し上げるまでもありません。
総理の地球儀俯瞰
外交は、日米両国が共有する価値観
外交のグローバルな展開であり、限定的な
集団的自衛権の
行使を可能とする
憲法解釈の再整理は、日米同盟と信頼をより強固にする、
総理の新たな日米パートナーシップ構築へのチャレンジであると思います。
今、
日本や米国、欧州の属する、自由と平等を中心とする基本的人権、民主主義、法の支配等を尊重する社会は、幾つかの国の拡張主義や、中東等におけるテロ勢力の脅威
拡大といった極めて困難な問題に直面しています。
自由や民主主義等の価値観を共有する諸国家が手を携え結束して、これらの問題に対処していくため、米国の友人として
日本が果たすべき役割は大きいと思います。
今後の日米関係のあり方について、
総理の御見解を伺います。
我が国を取り巻く
外交において、やはり
国民や諸外国が注視するのは、中国、韓国との関係改善です。
安倍総理の就任以来、
総理が、対話のドアは常にオープンと言い続けてきたにもかかわらず、これまで
首脳会談の
実現に至りませんでした。しかし、ようやくその
実現に向けた機運が出始めております。
そもそも、
総理が八年前に第一次政権を発足されたときに最初に訪問した外国は、中国、韓国でありました。このことを見ても、
総理がいかに隣国との関係を重視しているかは明らかであります。
ことし十月のイタリアでのASEM、十一月の中国でのAPEC、ミャンマーでのASEAN関連首脳会合、豪州でのG20と、多国間の首脳
会議が続きます。こうした機会を通じて、会談の
実現に向けてお互いが
努力していくことが必要でありますし、
与党の議員を通じたチャンネルを生かしていくこともまた重要であります。
改めて、中国、韓国との関係改善に向けた
総理の
決意を伺います。
また、
総理は、ロシアのプーチン大統領とも電話で
協議し、対話を続けていくことを確認していますが、今後の日ロ関係についても、
総理の見解を伺います。
北朝鮮による拉致問題について、ことし五月にストックホルムで開催された日朝
政府間局長級
協議において、
北朝鮮による
拉致被害者を含む全ての
日本人について
調査するという
約束が取り交わされました。このような交渉結果を獲得したことは、拉致問題解決へ向けた大きな一歩であり、高く評価いたします。
しかしながら、今月十八日に
北朝鮮側から伝えられた連絡は、我々をひどく失望させるものでしかありませんでした。現時点では初期段階を超える
説明はできない、これは事実上の先送りであります。
我々は、こうした
北朝鮮の不誠実な
対応に、幾度となく翻弄させられてきました。もう同じ失敗を繰り返してはなりません。我々は、こうした
北朝鮮の
対応に、断固とした
態度をとっていかねばならないのであります。
そこで、拉致問題について、
総理の
決意を伺います。
仲井真
沖縄県知事が、名護市辺野古の公有水面埋め立てについて、法律にのっとって承認をされたことで、
民主党政権で迷走した
普天間基地の移設は、
仲井真知事、
沖縄県民等の多くの皆様の御
理解と御協力により、再び一歩前に進むこととなりました。
普天間基地の危険性を一日も早く除去することを我々は形にしていかなければなりません。
総理は、今回、新たに
沖縄基地
負担軽減担当大臣を設け、目に見える形での
負担軽減に不退転で取り組む
決意を示されました。
仲井真知事からは、
普天間基地の五年以内の
運用停止と早期返還、オスプレイの本土への分散や日米地位協定の条項の追加等、四項目の要望が出されており、官房長官は、
普天間基地の二〇一九年までの
運用停止を目指すことを表明されております。
改めて、
沖縄の基地
負担軽減
実現に向けた
総理の
決意を伺います。
次に、
原発の再
稼働について伺います。
原子力規制委員会は、九月十日、
九州電力川内原子力発電所一、二号機について、安全
対策が新規制基準を満たしているとの審査書を正式に了承いたしました。
原発再
稼働に向けた安全審査の合格第一号であり、
政府としても、
地元自治体の同意を得、一日も早く再
稼働できるよう、あらゆる
努力を尽くしていただきたいと思います。
我が国のエネルギーをめぐる非常に厳しい事情、さらには、年間三・六兆円に上る化石燃料の輸入増による貿易赤字の急速な
拡大と、
国民の富の海外への流出を一日も早く食いとめるべきこと、電力
コストの
上昇による
国民生活や
経済活動への大きな圧迫を考慮すれば、まずは
原子力規制委員会の厳格な安全基準に沿った既存
原発の再
稼働を着実に進めるとの
総理の
考えは、当然であります。
原発再
稼働には反対もあります。不安に思う人もいます。
現実に被災された
方々が心情的に受け入れがたいのも当然です。しかし、
政治は、つらい
現実、厳しい
現実を直視しつつも、今の我が国にとってなすべきことは何か、時には苦渋の中で決断し、
国民に正面から訴えかけていかなければなりません。
原発再
稼働について、
総理の御
所見を伺います。
一方、
総理は、ことし一月の年頭会見で、
原発の新増設については現在のところ全く想定していないと明言し、まずは、既存
原発の再
稼働の判断に集中し、エネルギー源の多様化を図りつつ、
原発依存度を可能な限り低減していくとの
考えを示されました。
このためにも、代替エネルギーの開発に官民挙げて英知を振り絞ることも含め、さまざまな方策によって、エネルギーの安定供給確保に
全力を尽くす必要があります。
同時に、第二世代の原子炉の廃炉解体や使用済み燃料の再利用と安全な処分を長期的な視野を持って進めることも必要です。これらによって、
世界最高水準の技術の開発、獲得、集積をなし遂げ、この分野においても
世界に貢献していくことも期待できるのではないでしょうか。
これらの点について、
総理の御
所見を伺います。
多くの
政策課題について、
政府・
与党内で徹底的に
議論し、その上で最後は一つにまとまる、そして
国民のために働いていく
体制をつくっていくことが求められています。
政府と
与党、
自民党と公明党、
政府・
与党と野党、それぞれが適度な緊張関係を保ちつつ均衡点を見出していくことが、
政治を安定させ、
政策を強力に推進していくものであると確信しております。
そのような関係をしっかりと構築し、
国民から信頼される
政治を進めていくことをお誓い申し上げ、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔
内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕