○福田(昭)
委員 大臣のデフレの原因は、あくまでも現象を言っているのであって、原因は何だというのを特定しないと処方箋は書けないんですよ。デフレの原因じゃない、
大臣が言っているのは、デフレの現象、それを言っているのであって、そこが実は間違っている大きな原因なんです。
私は、大きな原因は二つあると思っていますよ、デフレの原因は。一つは、今、安倍
内閣でもやっていますけれども、大企業の皆さんを初め、給料を上げてくれ、上げてくれとやっていますけれども、賃金がずっと下がり続けてきたというのは一つの原因だと思います。もう一つの原因は、官民ともに、固定資産がもう減耗しちゃったんですよ、償却しちゃったんですよ。にもかかわらず再投資がない。この二つが私は大きな原因だと思っています。
ですから、そういったことで、まさにこれは
藤井先生の見事な表なんですよ。こういうものを参考にしてやらなかったらアベノミクスは失敗をしてしまうということなんです。
前にも言いましたけれども、今まで
自民党政権時代から民主党政権時代も含めてだめだったのは、当初予算は財政規律を守ります、それで、ちょっと景気が悪いとなったら補正予算を組む、選挙があるといったら補正予算を組むという繰り返しを二十年間やってきたんですよ。この間に、実は、残念ながら、実体経済は一つもよくならなかった。したがって、まさに名目経済も伸びなかった。
御案内のとおり、財政規律のストックの健全化指標は分母が名目GDPですよ。分子が、
政府は粗債務だと言っていますが、私は純債務が世界標準だと言っていますが、問題は、この分母、名目GDPが二十年間、一つもでかくならなかった、分母がですよ。分子だけ大きくなった。四百七十三兆円のGDPがまだ同じぐらいしかない。(甘利
国務大臣「それを言っているんじゃないですか、ずっと」と呼ぶ)だから、そのためにはこの
藤井先生の考え方に従ってやらないとだめだと言っているんですよ。
ですから、インフレ期とデフレ期というものの対応は違うということを言っているのであって、ですから、いずれにしても、
予算委員会でうちの前原
委員の方からもアベノミクスの誤算というのを五つほど挙げましたけれども、まさにアベノミクスは誤算続きであります。それは具体策が間違っているから誤算続きであって、そこをやはりしっかり反省して、大胆な見直しをしないと、本当に沈没しますよ。
それから、前にも言いましたけれども、少なくとも十五年以上も続いたデフレですから、五年から十年の計画を立ててやらないとだめなんですよ。そうしたら去年、何と言いましたか、甘利
大臣は。財政規律があるから五年計画はつくれませんと言ったじゃないですか。あなた、そう言ったんですよ、去年の
内閣委員会では。そうしたら、消費税を三%上げたら心配になって、五兆四千億の経済対策と、それから一兆円の減税をやったじゃないですか。
今回、アベノミクスで実質経済が伸びているのは、正直言って大型予算ですよ。金融緩和したから伸びているんじゃないですよ。補正予算も含めた大型予算で経済が伸びたんですよ。それと、それこそ消費税導入の駆け込み需要、これで経済は実は成長したんですよ。金融緩和で成長したんじゃないですよ。
しかも、実は、日銀がやることは同じなんですよ。日銀は、金融緩和も財政出動も、市中に出回っている国債を買い上げればいい話であって、日銀がやることは全く同じで、しかし効果は全く違うということをやはりしっかりと踏まえて、金融緩和と財政出動の効果の違いというものをしっかり踏まえた経済対策をとらないとだめだということを
指摘して、
意見はかみ合わないようでありますから、今回はもうやめておきます。
またさらに、きょうの新聞によると、
自民党では、規制改革の反対派を封じ込めるために、またぞろ、成長戦略の第三の矢の柱である規制改革を党の
立場からも推進するというんですよ。これは、今デフレ脱却のために、どんな規制緩和をするのか知りませんけれども、やはり何度も
議論しているんですが、今の状態では規制緩和が成長戦略の一丁目一番地ということはあり得ませんので、そこもしっかり踏まえて、私は、しっかり
日本の経済を立て直すことを提言して、質問を終わりにしたいと思います。
時間が来ましたので、終わります。
以上です。