○村岡
委員 今までの、
地方を再生しようという中で、古くは
田中角栄先生の
日本列島改造論ということで、秘書もされていた
鳩山委員長はよく、詳しく、
全国も歩かれていたと
思いますけれども、
竹下先生の
ふるさと創生とか、いろいろなものがありました。
別に、
一つ一つのアイデアはよかったと思うんです。しかしながら、そこがうまくいかなかったという原因は、もちろん、土地の高騰だったりバブルが起きたり、いろいろなことがあったと
思います。その
検証をしっかりしていただく。
そして、
日本がうまくいっているときというのは、例えば、戦後の
東京オリンピック、一九六四年。このときから、新幹線、港湾、いろいろな部分のインフラ整備とともに、
工場が張りついて、人が集まってきてと、
日本が本当に大きく変わった
時代でした。
あとは、もう
一つあるのが、これはあってはならないことでしたけれども、阪神・淡路大震災、そして今、東
日本大震災、まだ三年ちょっとですけれども、こういう災害とかそういうのでは、近年ではきちんとした
対策がとれる。しかしながら、
日本全体の
国土を描くということが、なかなか現実、難しくなってきているということがあります。
何でできないかというと、ここには、
東京にいた方が、もちろん、当たり前のことですけれども、情報も入る、利益もある、そして雇用や大学もある、いろいろなことで便利だ、そして企業活動もいい、住むにもいいという現実がある。
そのときに、これを
人口を減らしているところにある程度分散させていこうということになると、大きなビジョンを描かなきゃいけない。一年単位、二年単位では、しっかりとした
対策を立てていかなければ、十年先に衰退していたら、十年先の
計画があってもだめなことはわかっております。ところが、この一、二年の
対策だけを描いては、十年先も見えてこないということがあります。
そして、特に、私なんか秋田で、先ほど
大臣、秋田のことも言っていただきましたけれども、少子化、
高齢化、そして雇用も悪いですし、
全国でナンバーワンクラスという、非常にこれは不名誉なことですけれども、しかしながら、一方、国際教養大学というすばらしい大学もあったり、また、小学生の学力が
全国でナンバーワンということがあります。
その中で、秋田だけで考えても、県庁所在地と
地域の中で格差があるんです。やはりそれは、多分、四十七都道府県、どこもそうだと
思います。
石破大臣の
鳥取にも私は行ったことがあるので、そこも見ましたけれども、秋田と近いような感じのところに行かせていただきました。
そこで常に感じたところは、例えばインフラ整備でも、それからいろいろな部分で県境というのがおくれて、先ほど言ったことと矛盾しますけれども、例えば高速道路がつながっていなかった、ミッシングリンクがあるとか。
でも、ここを考えると、もちろん山間部であったり、人が少ないというのも考えるんですけれども、何で県境がおくれたかという原因の中に大きくあるのが、やはり
一つ、政治があるんです。それは、知事でも
国会議員でも
市町村長でも、やはり、
人口が少ないところ、半分が違う県だとなかなかそこに力を入れてこなかったことが現実なんです。
その現実を破るとすれば、今の県単位の予算では、なかなかこの県境は時間がかかるんです。そういう
意味では、例えば我々秋田のところでいって、私は由利本荘市というところで、由利本荘市、にかほ市、酒田市とかを合わせると三十万人ぐらいの
人口圏がある。文化も、いろいろな農作物も同じなんです。
そういう
意味では、県という単位は大事ですけれども、県境とかのモデル
地域だったり、また、内陸部でいくと湯沢とか新庄とかあるんですけれども、新幹線は新庄まで来ていて湯沢に来ていないとかということはありますけれども、それはインフラ整備だけやればいいというわけじゃなくて、やはり県境をきちんと、その
地域の
住民が一緒になって、インフラの整備も必要でしょうけれども、農産物も一緒にやっていく、それから観光もやる。
雇用の部分で、例えば、企業が来るとすれば、
一つの五万人や六万人の都市だと、この都市にどのぐらい
若者がいるんだろうということを考えます。そして、この中で商圏がどのぐらいあるんだろうと考えます。それが、三十万人単位とか四十万人単位で、観光から雇用から、それから若年層の人数から考えると、いろいろなことが広がってくるんです。
そういう
意味では、この
地方創生というのは、実は、一年から五年の範囲でいくと、県境をどうやって再生して、そして、例えば東北であれば、秋田であれば、青森、山形、岩手とどれだけ交流できて、物流も
人口も観光も、そういうことをきちんとやらなきゃいけない。
市町村単位のアイデアも大切ですけれども、大きく考えるということも考えていかないと、
一つ一つの
市町村で考えるところには、どうしても頭はその町村のことだけ考えちゃいます。そこを少し考えていただけないかと
思いますけれども、
大臣はどう思われるでしょうか。