○
渡邉参考人 御紹介いただきました
渡邉でございます。
私の方からは、
協会、
輸送を担当する
業界を代表して、そちらに絞って
意見を申し上げたいと思います。
最初に
資料をお配りしましたけれ
ども、これは、九月の十八日に
環境省において。
中間貯蔵施設への
除去土壌等の
輸送に係る
基本計画の
概要版でございます。
最初、これに基づいて
意見、要望を述べさせていただいて、後半、
委員長からも
忌憚のない御
意見ということもございましたので、近々の
福島県の
中間貯蔵施設に係る諸問題を各議員の皆様に
お話をして、御
理解と御
協力をお願い申し上げたいと思ってございますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
最初に、この
概要版にも書いてあるとおり、安全かつ確実に
輸送を
実施すること、
短期間かつ円滑に
輸送を
実施すること、
三つ目に、
国民及び
関係機関の
理解と
協力の下、
輸送を
実施することと三つうたってございますけれ
ども、これは当たり前のことでございまして、まさにこれに尽きると考えてございます。
その
実現に向けた個別の
課題が取り上げられておりますが、まず
一つ目の
重要課題として、
輸送実施主体、そして
輸送の
役割分担の中に
市町村と国の
役割が
整理されておりますが、他方、
市町村が担当する
除染実施区域のうち、
積み込み場からの
輸送については国が
輸送するとしています。国が関与することを明確にしていただきたいと思ってございます。
基本原則実現には、しっかりと国が関与した
輸送スキームをつくることが大前提と考えてございます。その上で、私
どもトラック運送事業者が連携して
協力体制を築くことが好ましい姿と受けとめております。
基本方針にもありますが、
事故への万全の備えと
対応として、
交通事故防止に向けた
安全運転の
研修や
運転マナー向上、
放射線知識の習得など、
輸送に関する
研修、教育について、国としても責任を持って
実施すべきと考えており、その上に立って、
事業者のみならず、
業界団体と積極的に取り組みをしてまいりたいと思ってございます。
また、実
輸送を担当する
立場で申し上げますと、
高速道路の積極的な利用に係り、
輸送従事車両の
高速道路の
無料化をぜひぜひお願いしたいと思ってございます。
現在、
常磐自動車道の
富岡以北は、
総理大臣がおっしゃいましたけれ
ども、
富岡—浪江間、その北の方は十二月に開通するわけですが、この区間は来年のゴールデンウイーク前に開通する
予定と聞いております。
中間貯蔵施設の
建設予定地はこの
富岡インターと
浪江インターの
中間にございます。
環境省が発表した、十トン
ダンプで二千台
フル稼働で三年かかるという数量を運び込むのには、
一般車両と併用してのあれは無理だと思ってございます。ついては、今工事中でございますので、この
浪江と
富岡インターの
中間に、仮設あるいは臨時の
トラック専用の
インターをつくることが重要かとも考えてございます。
次に、最も困難な状況なんですけれ
ども、
輸送車両の
確保でございます。
先ほどダンプ二千台という
環境省の
お話を申し上げましたけれ
ども、現在、
福島県
トラック協会には八百五十六社の
加盟社がございますけれ
ども、それが保有している
車両台数というのは二万台でございます。
復興需要等から、かなり
稼働率も高くなっておりまして、
人手不足も深刻でございますので、この車の
確保にも
相当の努力が求められると考えております。
当然、私
ども福島県の
事業者だけでカバーできないということから、私たちの上部に
全日本トラック協会というのがございますので、そこを窓口にして、ほかの、
近隣県はもとより、
応援を頼まなければ、とてもとても
対応できる問題ではないと考えてございます。
その場合、
瓦れき輸送のケースでも取り扱われた、
貨物自動車運送事業の
事業用自動車の
運転者の
勤務時間及び乗務時間に関する
基準、これは十三年、
国交省が
告示第千三百六十五号で
勤務時間
等基準告示ということがありますけれ
ども、
運転者は百四十四時間以内に一度、
所属営業所に戻すという
必要性があります。各県から
応援を得た場合には、とてもとても、行ったり来たりするだけで時間がかかりますので、
被災地における業務を中断させることのないようにするには、この辺も一考をしていかなきゃならないと思っていますし、休息やら
宿泊施設等の設備も重要かと考えております。
私
ども、大震災、この
原発事故でも延べ三千八百七十六台の
車両を提供して救援に当たったわけですけれ
ども、今後も
地元の
復興促進には尽力をしていきたいと考えてございます。
ここからは、今申し上げたことに補足をしながら、近々の
福島県の状況等々を
お話ししたいと思ってございます。
まず、御案内のとおり、おととい、
福島県の知事選挙が行われまして、言葉は悪いですけれ
ども、与野党相乗りの内堀さんが大差で当選をされて、来月の十二日から新知事に就任されるということになりました。彼は八年間の副知事の実績もありますので、
相当県内の情勢には詳しいんですけれ
ども、私も、縁がございまして、当選した当日九時半ころ本人とお会いしまして、この
委員会に
出席するということを申し上げましたら、私はこの
中間貯蔵施設に運び込むことについては重大なことだ、重要案件だと
認識していると。そこで彼が強く言うのには、私は現場主義でまいります、こういう
お話をしておりました。
先ほ
どもお話ししたとおり、有識者
会議で理想的な案件、こういう条件は出てきましたけれ
ども、やはり、今まで経験したことのないことをやるので、現場主義でやりますよということを強くおっしゃっていましたので、各議員の皆様もその辺を頭に置いていただきたいと思います。
なおかつ、今問題の
大熊町というのは、私の
地元の会津若松市というところに役場
機能も持ってきてございまして、そこにおいでになっていますので、渡辺さんという町長さんなんですが、その方とも
お話し申し上げましたところ、この
中間貯蔵施設、御案内のとおり、
福島県も
大熊、双葉両町もやっと一月半ぐらい前に
受け入れを表明したところでございますけれ
ども、いまだ、元
大臣の、
最後は金目でしょうという発言もございまして、
地元の反発は非常に強いものがございます。
今月の二十三日に
環境省の副
大臣が
福島県においでになりまして、いろいろ
お話ししまして、あちこちで説明会を開きましたけれ
ども、既に、これからは説明会はしない、各
個人の地主の方と買い上げ、借り上げの説明と
現地での買収交渉に入るという
お話でございますけれ
ども、なかなか、先ほど申し上げたとおり、いろいろな状況の中で、スムーズに用地の
確保というのが難しいというふうに思われます。
短期間かつ円滑に
輸送を
実施することということになっておりますけれ
ども、東京オリンピックまで、果たして
福島県、先ほ
どもお話は数万カ所と言いましたけれ
ども、五万カ所に貯蔵されておりますこの汚染
物質をどう運び出すかということに問題がございます。
今の段階で
環境省が言っているのは、各
市町村が持っている、各
個人の家庭にも保管しているものを大型車で運び出す場所までは
確保して、そこまでは
市町村が出してくださいよ、そこからは国が責任を持って
中間貯蔵施設まで運びます、こう言っているんですが、各
市町村においては、冗談じゃない、そんな民家のいっぱいあるところの広い土地を
確保して、今各家庭やらあちこちに置いてあるものを集めるなんということは不可能ですよというような御
意見が各
市町村の現状でございます。
それから、先ほど、
中間の
インターという話をしましたけれ
ども、私もここに来る
予定がありませんでしたけれ
ども、
輸送の長として、実は
高速道路の建設現場に視察に行ってまいりました。
一番びっくりしたのは、先々日新聞にも発表になりましたけれ
ども、第一原発の二号建屋の井戸水から四十六万
ベクレル、過去最高の数字を出した
地下水がくみ上げられたということで問題になってございましたけれ
ども、
高速道路の現場で、人がいない場所に、イノブタ、イノシシが異常に繁殖してございます。これが建設機械にぶつかって死亡する、これをはかると、何と、このイノシシが持っている放射能の数字が五十万
ベクレルというイノシシの死骸なんですね。この死骸を片づける人が現実にはいないというんですね。どうしたらいいんでしょうと。
高速道路は開通になる、車も通るよ、でも、この野生のイノシシとかそういうものの
事故対策もしなきゃいけないでしょうねということも言っておりました。
なおかつ、今、六千人強の
方々がこの建設現場で働いているんですが、間もなく給食センターというのができます。そこの作業をしている方に温かい御飯を提供するために、六千人分の給食を毎日提供するというんですね。
私
どもも
輸送に当たっては、全国から
応援をいただいたときには、先ほ
ども申し上げたとおり、宿泊設備なり休憩設備を設けていただかないと、なかなか
短期間での
輸送というのは難しいんじゃないかと思ってございます。
なおかつ、
人手不足。原発で働いている方が二十ミリシーベルトになると現場から一旦離れなきゃならないということになってございます。我々、
輸送したときにどのぐらいの放射線を浴びるのかわかりませんけれ
ども、お金の話をしますと、今、建設現場、この
高速道路で道路工事をしている人たちの人件費が一日四万円だそうです。三万円が日当で一万が危険手当。
原発事故のあった原発の方に近づいていくと、遠いところで五万円、原発の敷地内に行くと八万円ですよ。
福島県は、一・四一というぐあいに有効求人倍率は高いですけれ
ども、それでも、今言った金額のようでそちらの方に人手がどんどん行っちゃって、果たしてトラックの車の
確保、人の
確保というのがスムーズにいくんだろうかと非常に疑問視しております。
最後に、トラックですけれ
ども、ここにも書いてあるとおり、十トン
ダンプという言葉がひとり歩きしておりますけれ
ども、十トン
ダンプというのは、御存じのように、鉄製であれだけ狭い車の面積のボディーでございますので、今、主に扱っているトンバッグという、フレコンバッグに入っているものは六個か七個しか積めません。これが
ダンプの現状ですね。
それから、平ボディーといって、平らなボディーの大きなトラックがございます。これは、十袋から十二袋ぐらいまでは積めると思います。
それから、最終的には、それは無蓋車といって屋根がかかっていない車ですから、それを積んでシートをかけて走ったとしても、恐らく積んでいるものの放射線は若干飛散するんだと思います。だから、
地元の住民としては、これは問題だねということになってございます。
私
どもには、そのほかに、皆さんも、よく
高速道路なんかでこういうアルミの箱車の車が走っていますけれ
ども、あれは通称箱車、ウイング車といって、両脇がこうもり傘のようにばっと開くような形になっています。あおりも切れます。これはフォークリフトの作業になりますが、フレコンバッグを積んで遮蔽すれば飛散も防げるだろう、こういう状況もございます。
ということは、車の種類も
ダンプ先行じゃなくいろいろ
検討をしていただきたい、そんなふうにも思っているところでございます。
いずれにしても、いろいろな話、有識者
会議で先行はしておりますけれ
ども、我々実
輸送者に
意見を聞くというような場面はいまだございません。先ほどの現場主義ではございますけれ
ども、ぜひぜひ、いろいろな
会議の中で我々現場に携わる者の
意見を集約していただいて、それを現実の法律なりに生かしていただいて、スムーズな
輸送ができることをお願いして、御
協力することをお約束して、私の話にさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)