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片山虎之助君 時間がなくなってきましたので、法人税、実効税率の引下げの私案をちょっと見ていただきますけれども、法人税は、御
承知のように国税と
地方税があるんですよね。
地方税が約一〇%ですよ。
お手元の資料を見ていただければ、資料一を見てください。(
資料提示)現在、国、
地方の法人税は三五・六%ですよ。その中に、
地方の法人住民税が四・九%、法人事業税が五・二%あるんですよ。ところが、
地方の法人税というのは、もうそろそろパンクしかかっているんですよ。というのは、地域の
経済力が違うんで、税収がどっと違うんですよ。
だから、これをどうやって調整するかというので、例えば、法人事業税には
地方法人特別税、そういうものをつくって、簡単に言うと、国税にしてそれを譲与税で戻しているんですよね、人口、面積で。その方が本来のあれより多くなっている、所得割より。
それから、法人住民税はこれから制度をつくるんだけど、これもややこしいね。
地方法人税という名前でこれも一定のものを、三割ぐらいを国税にして、それを交付税の原資に突っ込んでいるんですよ。
私は、税制でこういうことをやるのは、まあ知恵を出しているといえば出しているんですよ。出しているけど、いかにも本来の税制からいくとおかしいと思う。しかし、しようがないんですね、
地方の実態を見ると。
だから、この際、法人住民税の主要は法人税割ですから、それを廃止して
地方消費税に振り替える。
法人事業税は四分の一が外形標準課税になっているんです。今は所得が中心で、これが四分の三で。次のページを見てください。法人事業税は、現在、これは左の方にありますように、所得割が三で、付加価値割と資本割を足したものが一なんです。それで所得割が二兆九千億、付加価値割が六千億、資本割が四千億なんですね、三兆九千億あるんですが。だから、この所得割を付加価値割にしてしまう。
なぜするかというと、
地方税はこれは応益性なんですよ、着目しているのは。
地方自治体のサービスを受けるから、赤字であれ黒字であれ、出した付加価値の一定割合をもらおうということなんです。こうなると安定するんですよ。シャウプも付加価値を勧めたんです、あの昭和二十五年の。だから、この際、これはしかし赤字のところに負担するというのは抵抗ありますよ。ただ、これをやると、本当に
地方団体の希望でもありますし、それを、隣に書いたように、全額付加価値割と資本割。資本割は希望ですから、
企業の。
それで、付加価値額は、単年度の損益にそこにありますように収益配分額で、報酬給与額、純支払利子、純支払賃借料です。生産要素で上がったものですよね、付加価値は、御
承知のように。基本はまあ給与なんかが一番大きいわけですが。だから赤字法人にも、申し訳ないんだけれども、行政サービスの提供に対する応分の負担をしてもらうと。
それで、次のページを見てください。
だから、そのためには段階的な移行しかないと思います。現行が一番左にあります。それを、第一段階で三年後に大
企業についてはこれを二分の一にしていくと、六年後には全額外形標準にすると。
中小企業は、遅れて段階ごとに、三年後に四分の一、六年後に二分の一、十年後に丸々と。
これだけで、現在、大
企業というのが二万四千社ありますけれども、黒字が一万三千社、赤字が一万一千社なんですね。五四%が黒字で四六%が赤字です。
中小企業は二百四十三万社ありますけれども、黒字が七十万社、赤字が百七十三万社。黒字が二九%、約三割、赤字が七一%、約七割ですけれども、やっぱりこれを段階的に理解していただくことが
日本の税制にとっても私は必要じゃないかと、法人税は必ず一〇パー落ちるわけですから。それと同時に、
地方のこの格差というのか、それが縮小されて安定的な財源になると。
それで、問題は、法人事業税の外形標準化はいいんですが、問題は、その法人住民税の
地方消費税への振替なんです。四枚目を見てください。
二段目から見ていただければいいんですが、法人住民税の法人税割を廃止すると約二兆二千億出てくるんです。これの代わりに
地方消費税を増やす。一%が二兆六千億から七千億ですから、
地方消費税を増やすと。そうしないと
地方の財源に穴が空きますから
地方消費税を増やすと。これをどこから持ってくるんだというと、消費税のうちから
地方消費税の分を増やすんです。今、大体七、三ぐらいで国と
地方を分けていますけれども、それを
地方を増やす。消費税の
地方税化というのは我が党が言っているあれなんですけれども、全体はなかなかこれは大変ですけれども、まずそういうところから取っかかりをやっていくと。そうしますと、国の一%分の財源が不足しますので、この代替財源をどこから出すかということなんですね。
そこで、今の財源確保、約二兆円については、よく言われているように法人課税ベースを拡大する。今、租税特別措置でいろいろ優遇をやっておりますけれども、例えば租税特別措置で約九千億。欠損金の繰越しが九年間できますから、この繰越控除で二兆三千億。それから、子会社なんかの配当を受け取った場合の益金がまけてもらえますので、これが約一兆円。この辺をどうやって考えていくか。
それから、真ん中は我が党が言っているんですけれども、例えば相続
金融資産が年二十兆ぐらいあるんじゃなかろうか。死後精算で、申し訳ないんですが、仮に年率一〇%とすれば二兆円の税収が出ると。
それから、高所得者への課税強化、これはいつも利子、配当、キャピタルゲインへの
金融所得課税について議論になりますが、これが今二〇%にしておりますので約二兆円。これを倍に引き上げればこれだけの金が出る。
だから、その二兆円をこの辺の組合せでどうやっていくか。しかも、段階的にやっていくということを考えれば、法人実効税率が一〇%落ちて
地方財源は安定的な
方向に進むと、こういうふうに考えておりますので、ひとつ
総理、いかがですか、御意見あれば。