○斎藤嘉隆君 民主党・新緑風会の斎藤嘉隆です。
ただいま
議題となりました
不当景品類及び
不当表示防止法等の一部を改正する等の
法律案につきまして、会派を代表して
質問をいたします。
本
法律案は、昨年
発生した外食メニュー表示の虚偽表示問題や、近年深刻化している高齢者等の消費者被害問題を背景に提出されました。
我が党は、こうした問題に対し速やかに実効性ある
措置を講じ、全ての消費者に安全、安心の消費活動、消費生活を保障する社会を構築することが必要であると
考えています。
事業活動の公正、適正な発展は、健全な経済発展に必要不可欠です。
しかし、さきの国会における森まさこ消費者担当大臣は、特定秘密保護法の
答弁担当大臣と化し、外食メニュー表示の虚偽表示問題発覚後も、消費者問題特別
委員会の早急な開催を度々要求したにもかかわらず、
委員会審議に協力、努力しようとする姿勢は見られず、消費者
行政軽視の姿勢に終始しました。やむなく森大臣に対する問責決議案を提出し、その資質を問うたところでありますが、改めて猛省を促したいと思います。
本
法律案は、消費者にとって身近な消費生活に深く関わる
法律である景品表示法と消費者安全法という、それぞれ
目的の違う二法を一本にまとめて改正をするものです。森大臣には、消費者、食品安全の担当大臣としての真摯な御
対応と、何よりも消費者目線、
国民目線に立つ姿勢を強く望むものであります。
その上で、森まさこ大臣と林芳正農水大臣に
質問いたします。
まず、外食メニュー表示の虚偽表示問題に端を発し、早急に対処すべきとして
検討された景品表示法の改正について、三点に絞ってお伺いをいたします。
一つ目は、都道府県知事の権限
強化についてです。
現行法では、都道府県知事の権限として、景品表示法の違反
事業者にその取りやめ等の指示をすることができ、指示に従わない場合などに内閣総理大臣に対して適切な
措置をとるよう
措置請求ができることとなっています。今回の改正により、都道府県の長が、違反
事業者に対して直接
措置命令等ができることとなります。
外食メニュー虚偽表示問題発覚後の昨年十二月に、
全国知事会は、
措置命令及び合理的根拠の提出要求の権限付与を要請をしております。私たちも、昨年十一月、森大臣に対して、民主党食品虚偽表示問題
対策本部として、都道府県知事に
措置命令の権限を付与することと権限の
強化を求めており、この要請を御
検討いただいたものと評価をいたします。
現行の権限である指示の執行
状況と件数を見ますと、限られた
地方自治体に集中しており、
地方消費者
行政への
取組同様に偏りが生じています。森大臣はこの偏りの原因は何だとお
考えでしょうか。お伺いをいたします。
また、疑いのある
事業者に対して遅延なく首長がその権限等を執行するためには、
地方自治体の体制そのものの
強化が必要と
考えます。消費者庁として、
法改正による権限等の
強化に伴い、今後、どのような
地方における消費者
行政の体制が望ましいと
考えているのか、これまでの
取組の経緯も含め、森大臣、お答えをいただきたいと思います。
二つ目は、課徴金
制度の導入についてです。
さきにも述べましたが、私たちが昨年十一月に行った森消費者担当大臣に対する要請の中で、
事業者によるいわゆるやり得をなくすことで、再発を防止するため、課徴金
制度の導入を提言をいたしました。本改正案に、施行後一年以内にと期限を付けた
検討事項で、課徴金
制度の
検討を加え、必要な
措置を講ずると
規定されており、これも私たちの要請を御
検討いただいたものと
理解いたします。今後、消費者
委員会での審議、答申を経て、消費者庁内で
検討するものであり、注視をしてまいりたいと思います。
景品表示法への課徴金
制度の導入については、衆議院において附帯決議が付されています。
事業者の
経済活動を萎縮させないよう配慮するとともに、消費者被害の回復という
観点から、消費者庁が
検討する課徴金
制度の在り方について森消費者担当大臣の御
見解をお伺いをいたします。
三つ目として、林農林水産大臣に
行政監視体制の
強化についてお伺いをいたします。
本
法改正案に先行して、
地方部局を持たない消費者庁に代わって、農林水産省の表示・規格特別調査官、通称食品表示Gメン等が一時的に消費者庁職員と併任をするシステムが導入されました。研修等を
実施した後に景品表示法に基づく外食店等への監視業務を行うとし、二月二十六日付けで、合計二百九十人の職員に対して研修期間を含め半年程度とする併任発令がなされています。
本
法改正案の施行期日は、公布の日から六月を超えない範囲内とされており、併任任期と本
法案改正の施行の間に隙間が
発生する可能性があります。農林水産省のホームページにおいて、食品Gメンについて、「食品偽装を許さない!「食品表示Gメン」の仕事」、「表示の不正を見抜く精鋭部隊」と紹介をされております。隙間なく、レストラン、百貨店等に対しても、食材の偽装を許さない精鋭部隊による監視体制が
維持されるべきと
考えますが、農林水産大臣のお
考えをお伺いをいたします。
さらに、本法が改正された後は、併任の二百九十人の少数部隊だけではなく、現在約二千百人いる食品表示Gメン等を中心に、どの程度の
規模で消費者の安心、安全を守る精鋭部隊として監視業務を担っていただけるのか、消費者、生産者側の立場に立った御
答弁を林大臣にお願いをいたします。
続いて、消費者安全法の一部を改正する
法律案について森消費者担当大臣にお伺いをいたします。
本改正案は、近年深刻化している高齢者等の消費者被害問題を背景に提出をされました。高齢者からの消費生活相談は、高齢者人口の増加率を大きく上回るペースで急増しており、悪質商法の手口も巧妙化しているという事態となっています。さらに、二次被害に遭う高齢者も増加しており、相談一件当たりの契約金額やその支払額も高額化するなど、深刻な問題となっています。
消費者被害に関連する数値指数の
整備に関する調査によると、消費者被害に関する商品、サービス等への支出総額は約六兆円で、
GDPの一%を超え、
国民の利益、財産を損ない、健全な
経済活動に支障を起こす事態となっており、早急に対処する必要があると
考えます。
そこで、三点に絞ってお伺いをいたします。
まず、消費者教育の推進についてです。
本改正案の国及び
地方公共団体の責務に消費者教育の推進が
規定されており、衆議院において附帯決議が付されています。
この
法改正に、「消費者教育を推進し」と
規定した
目的とその期待される
効果を森大臣にお伺いをいたします。
通常、教育の推進と
規定されますと、学校教育にその
対策が丸投げされ、学校がその
対応に追われるといったことが多くあります。そのような
対策ではなく、消費者教育推進法に基づき努力義務で
地方自治体が設置する消費者教育推進
地域協議会と、本
法改正案で任意で設置することができる消費者
安全確保地域協議会との
連携などを
強化をし、特に高齢者を含む社会人の消費者被害の未然防止につなげていくことが大切であると
考えますが、森大臣の御
見解をお伺いをいたします。
地方消費者
行政活性化交付金は、消費者教育の推進にも
活用できます。しかし、消費者教育に
活用する基金取崩し額は、毎年総額の三割台にとどまっております。消費者庁として、本
法改正に併せて、更に
地方自治体に対して
活性化基金の
活用を働きかけていく必要があると
考えますが、いかがでしょうか。森担当大臣にお伺いをいたします。
次に、
地域の見守り
ネットワークの構築について伺います。
消費者
安全確保のため、
地域の見守り
ネットワークを構築することとし、消費者安全の
確保のための組織を
効果的かつ円滑に行うために、関係機関により構成される消費者
安全確保地域協議会を設置をし、
地域で見守り活動を行う消費生活協力員や消費生活協力団体ほか、病院、教育機関、その他関係機関、関係者を必要に応じて構成員とすることとしております。しかし、このことが、それぞれの特性を生かし、機動的な
運営につながるのか懸念をしております。
また、森大臣、この構成員の中に、かつての森まさこ弁護士のような消費者問題に熱心に取り組んでいる弁護士の方にも参画をいただき、適切なアドバイスが受けられるようにすべきと
考えますが、いかがでしょうか。
この
地域協議会の構成員には罰則付きの守秘義務が課せられますが、情報を共有することが未然防止や被害回復には欠かせません。守秘義務、
管理と情報提供、共有をどのように両立させ構築されるのか、お答えをいただきたいと思います。
最後に、消費生活相談員についてお伺いをいたします。
本改正案において、消費生活相談員の職を法的に位置付け、消費者が安心して相談できるよう、また
事業者とのあっせんの円滑化が図られることが期待されます。また、あわせて、専門職として
行政が認知をし、処遇改善、雇い止め等の抑止になることも期待されます。
また、今回、消費生活センターが設置されていない市町村に対して、消費生活相談員を置くよう努めることとなっています。このことにより、どこに住んでいても質の高い相談を受けることのできる体制
整備が期待されますが、実際、窓口の相談員が配置されているのは全体の約六割であり、
地方自治体によってばらつきがあることも事実です。消費者庁として、総務省や
地方自治体に対してどのように働きかけ、
法改正の
趣旨を達成するおつもりか、お伺いをいたします。
消費生活相談員については、資格試験
制度を導入するとし、登録試験機関が
実施するとしています。現在、相談員資格は三団体が
実施をする三資格があり、自治体で相談員として働く約四分の三がそのいずれかの資格を有しています。
新たな資格試験の導入により、専門性の高い技術者としてその資質の向上等を図ることが期待されますが、本
法改正の施行期日までにどのような
検討がどのようなスケジュールで進むのか、森大臣の御
答弁をお願いをいたします。
この四月、消費税が上がり、消費者に更なる御
負担をお願いをしているからには、
政府にはこれまで以上に消費者の安全、安心を守る使命と責務があるものと
考えます。本改正案は消費者にとって大変身近なものです。
その
観点から、本
法改正のみならず、消費者に身近な問題として、さきの国会で成立した食品表示法に
検討課題として残された中食、外食へのアレルギー表示等を早急に
検討すること、また、景品表示法の改正を機に、
事業者の表示
管理体制の
強化と併せて、公益通報者保護
制度についてもしっかり機能するよう
検討を加えるべきだと
考えています。
五月は消費者月間です。昭和六十三年の制定以来、第二十七回目を迎えます。スローガンとして「つながろう消費者 安全・安心なくらしのために」を掲げています。是非、そのスローガンの下に、消費者
行政進展のため、更なる
政府の
取組の
強化をお願いをして、私の
質問を終わりたいと思います。
どうもありがとうございました。(
拍手)
〔
国務大臣森まさこ君
登壇、
拍手〕