○
衆議院議員(
遠山清彦君) 谷
委員にお答え申し上げます。
まず、先ほどのAFP通信の報道は私は知らなかったものですから、御
指摘いただいてありがとうございました。是非この参議院におきましてもしっかりと成立をさせていただければと思っているところでございます。
先ほど
委員のお話の中にも御
指摘がありました国際
社会の
動向につきましては、G8のうち
単純所持規制を設けている国はロシアと
日本以外の国々でございまして、そういう
意味でかなり長い間、
日本は他のG8諸国、ロシアを除く諸国から、あるいは国連
関係の
委員会等から、早くこの
単純所持を
処罰化するように求められてきたところでございます。
一例だけ挙げますと、
平成二十二年の六月十一日には、国連の
児童の
権利委員会による報告書が出されまして、これは元々
日本が、
日本政府が
児童の
権利に関する条約議定書に基づいて出した報告書に対する審査報告書でございますけれども、この中で、
日本において
児童ポルノの
所持が依然として合法であることに
懸念が表明をされて、
児童ポルノの
所持を犯罪化すべきであるということが
指摘をされておりました。
私ども
提案者といたしましては、先ほど来
答弁繰り返しておりますとおり、
自己の
性的好奇心を満たす
目的での
児童ポルノの
所持を罪とするということにいたしまして、今申し上げたような国際
社会の要請に少々遅まきながらしっかり応えていくということを考えております。
そして、この今回の
改正案が成立することによりましてどのようなことが期待されるかということでございますが、やはり
児童買春の相手にさせられた若い女性の皆様方のお話や、あるいは、まだ自分で余り考えが及ばない年齢のときに、いろんなケースがございます、私個人的に相当怒りを持って聞いたケースもあるわけでございますが、親戚のおじさんにだまされて、数年間にわたって幼い頃から裸にさせられて写真を撮らされたり動画を撮らされたりということが中学校入る前まで継続的に続いて、そして途中でこれはおかしいのではないかということをその相手に言ったところ、今度、親にばらすぞと、学校にばらすぞと脅されてそのまま黙っていたけれども、自分自身が成人期を迎えて、自分が子供の頃にどんなことをされていたのかということで、自殺未遂に至ったり、あるいはその当時撮られた写真とか動画等が
インターネットを通じていろんなところにばらまかれているのではないかと、そういうところに思いを致しただけで死にたくなってしまうと、そういうような方々が残念ながら
日本でも実際にいらっしゃるということからいたしますと、今までももちろん、
谷垣大臣が先ほどおっしゃっていたように、
平成十一年の制定時から、例えば
児童ポルノを
製造したり
提供したりすることは罪であったわけでございますが、そういうサプライサイドはきちんと
処罰の
対象にしてきたわけですけれども、
所持することを罰してこなかった。つまり、英語で言うとデマンドの方ですね、需要の方を
処罰してこなかったという不備があったわけでございまして、これが今回の
法改正によりまして
所持も原則として
処罰化されると。
そして、その理念につきましても、
法律の
三条の二で、先ほど来議論されておりますとおり、
児童に対する性的搾取、性的虐待は誰人もしてはならないということを理念として
明確化したということでございまして、先ほど来、
山田委員始め様々な方々からまだまだ不備があるという御
指摘があって、そこは今後また、
議員立法でございますから
立法府の議論を踏まえて検証していかなければいけないと思いますが、しかし、今回の
改正によりまして大きな改善が図られると、
児童の
権利を守るための大きな改善が図られると考えております。