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二之湯武史君 要は、今までの答弁というものをよく考えますと、確かに
教育委員会の制度改革は行いますと。しかし、今までの制度でもうまくやっている
自治体というのは存在をしているわけで、例えば
総合教育会議のようなものを週に二回、三回、
首長と
教育長が行っている、若しくは
教育委員も入れてやっているというような
自治体も実際あるわけでして、やっぱり、何というんですかね、そこのみそというのは、いかに制度
改正を運用の改善につなげていくかというところだと思うんです。
運用の改善をしていくのには、これはある種のパラドックスがあるんですが、長年のノウハウの蓄積が必要だと思うんですね。特に京都市なんかを見ていますと、やっぱりもう数十年にわたってそういう
教育プロパー
行政職員の
育成であるとか様々な市長部局との
人事交流であるとか、若しくは、先ほど申し上げたように、
教育長というのは、
教育行政にとどまらず、町の
地域の人々やステークホルダー、様々なステークホルダーとのコミュニケーション、そういったものも一朝一夕にできるものではないと思うんですね。
だから、制度
改正をして一気に良くなるというのではなくて、やはり長年
組織として
組織風土とか
組織文化というものが高まっていく、それはやはり何にも増して様々なノウハウ、運用を蓄積していくということだと思うんです。ですので、制度
改正によって全てが良くなるというようなものではなくて、やはりそれぞれの
組織が自らの運用をそれぞれ改善をしていくと、こういったことが私は今回の制度
改正において一番大事なことだというふうに思っております。
ですので、運用を改善していくと、こういうことを
是非文科省としても各
自治体、
教育委員会に
指導をしていただきたいというふうに思っておりますし、それぞれのうまくいっている
教育委員会の事例というものを、先ほどもおっしゃいましたが、そういうものを、やはりうまくいっているところというのは、
教育長のリーダーシップなり、先ほど申し上げたように
組織としての運用の蓄積なり、そういったものがあるわけですから、そういう好事例を全国に、やっぱり横のつながりとして様々な場を活用して様々な
教育長に伝えていく、共有をしていくと、こういった
取組においても
是非、
文科省、リーダーシップを持って今まで以上にやっていただきたいというふうに思います。
ここからちょっとあれなんですけれども、要は
教育再生、これは
安倍内閣の二本柱の
一つであります。
その
教育再生の中身、今回のこの
教育委員会というのは、やはり主に初等中等
教育というところが主眼になっているというふうに思いますが、私は、これは前回、前回というか前の
委員会でも
質問をしましたが、学力という結果だけ見れば初等中等というのは非常に私はうまく機能している面も多いというふうに思います。特に、国際的な学力
調査等々でいえば、日本の小中学生の学力というのは非常に世界で見ても高水準にある、これは我々自身が誇るべき事実だと思います。一方で、高等
教育、特に文系の高等
教育、職業
教育というものが世界的に見ても非常に低い水準にとどまっていると。つまり、私は、初等中等と高等
教育というのが車の両輪のごとく動いて初めて
教育再生というものが完成するというふうに個人的には考えております。
ですので、今回の
教育委員会制度改革というのは、初等中等の部分でうまくいっている中でも、やはりいじめ自殺のような非常に重大な事案、様々な
民意を反映するところが少し弱まっていたと。こういうところを改善していく一方で、やっぱり高等
教育、特に、前も
大臣にも御
質問申し上げましたが、理系はかなり世界の最先端を走っている大学というのが日本にもあります。
安倍内閣はベストハンドレッドに十校の大学を入れるということで今その
教育改革を行っておりますが、理系の部分でいえば、ベストテンにもう四校、五校入っているような分野がたくさんあるわけですね。一方、例えばビジネススクールとかロースクールとか、こういった分野においては非常に日本のその大学院というのは厳しい
状況にあると。
こういった高等
教育の改革というものを
是非この初等中等と併せて車の両輪のごとく動かしていくと、こういったものに関する
大臣の御決意というかお考え、これをもう一度お聞かせいただきたいというふうに思います。