○藤巻健史君
日本維新の会・結いの党、藤巻です。
最初に、神学論争からやらせていただきたいと思うんですけれども、四月十四日の参議院の決算
委員会で、私は森少子化担当
大臣にお聞きしたんですね。どのくらいの少子化の
予算を立てているのかとお聞きしましたら、GDPの一%ということで、ということは大体四百八十兆円の一%で約五兆円弱だと思うんですけれども、それを少子化対策に使っていると。今年度の税収が五十兆ですから、約一〇%を少子化対策に使っているわけです。
なぜ少子化なのかとお聞きしましたら、原因は未婚化と晩婚化だというわけですね。かつ、森
大臣は、その未婚化と晩婚化並びに子供をつくらないのは、将来の生活への不安感、子育て中の孤立感や負担、それから核家族への、というようなこともおっしゃっていたわけですけれども、すなわち経済的不安がかなり大きいウエートを占めていると。だから、約五兆円近い少子化対策費を出しているわけなんですね。
これを私、聞きまして、これ本当かいなと思ったわけなんですけれども、なぜかというと、今の合計特殊出生率一・四一なんですが、昔、戦争直後、
丸山委員長の時代だと思うんですけれども、その頃は四・五四。かなり今豊かになっていると思うんですけれども、減っているわけです。それから、地域的に見ても、
日本の一・四一に比べてアフガニスタン五・四とか、ソマリア六・七七とか、ウガンダ六・〇六ということで、豊かになっているがゆえに逆に少子化が進んでいるのかなということで、経済的にちょっと問題があるから少子化が進んでいるという森
大臣の御回答は本当かいなと思ったわけなんですが。
実は、今月の五月四日にゲーリー・ベッカー教授が亡くなったんです。これ、シカゴ学派の大御所で、かなり少子化問題とか
教育問題、家族問題について
発言されていた教授なんですけれども、この先生のことについて五月九日の産経新聞、ポトマック通信というコラムに先生の
発言のコメントが出ていたんですね、「大経済学者の理論」というタイトルなんですけれども。これによりますと、「ベッカー氏は
人間は豊かになると、優れた
教育などで子供の質を高めようとすると論じた。冒頭の疑問」、この冒頭の疑問というのは「人々が豊かになればなるほど子供が減るのはなぜか。」、そういう
質問だったわけですけれども、それについて答えていわく、「親が豊かになって金銭的な余裕ができると、子供の能力の向上に
お金や時間をかけることを優先し、子供の数は増やさないと
説明したのだ。」。
これ、おっしゃること、私のさっきの疑問と同じなんですが、豊かになると子供をつくらない、まさに地理的にも歴史的にもそうである、そのとおりだなと私は思ったんですけれども、もう
一つ先生がおっしゃっていることは、豊かになると子供の
教育に
お金を掛ける、それも個々人の
教育に
お金を掛けるからたくさん子供をつくらないよとおっしゃっているわけなんです。これは、私の経験とか感覚からいっても非常に合っていて、森
大臣の御回答よりも非常によく合っている主張だなというふうに思ったんですけれども。
それを考えますと、今政府というのは、森
大臣を、担当
大臣をつくっているくらいに少子化対策に邁進しているわけです。それから、中長期国家目標も、五十年後に人口一億人程度を維持するという中期目的をやっているわけですね。そうすると、その中期目的と
教育を一生懸命やるということは全く矛盾しちゃうわけですね。
教育をすればするほど少子化になっちゃうわけです、ベッカー先生の
議論によると。これ、どういうふうに整理したらよろしいのかということをまずお聞きしたいんですね。
極論すると、ベッカー先生のおっしゃることは正しい、
教育をすればするほど子供が少人数になるということだったら、どんなに金掛けたって少子化、子供の、
日本人の人数って増えないわけですよ。逆の極論を言えば、
日本を貧乏にすれば子供増えるわけだし、文科省をなくして
教育しなければ人口増えちゃうわけなんですけれども、それに対して文科省はどうお答えになるかをまずお聞きしたいなと思います。