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藤巻健史君
日本維新の会、
藤巻です。よろしくお願いいたします。
質問の前に、私事ですけれども、一言申し上げたいと思っております。
弟、幸夫が土曜日、夜十時三十四分永眠いたしました。生前の皆様の御厚情に感謝いたしたいと思います。五十四歳、短い人生でした。
では、
質問に入りたいと思います。
私は、アメリカのビジネススクールに二年間留学して修士号を取って、その後三年半、
日本の銀行のロンドン支店で三年半働いて、その後十五年間、米系銀行に勤めておりました。最後の五年間は東京支店長兼在日代表という経歴を持っております。
経歴から見ますと
英語はぺらぺらのように思えるんですけれども、家内に言わせますと、あなたの経歴を見てあなたの
英語を聞くと、人が人を信じられなくなるので、
日本人の前で
英語をしゃべってはいけないと言われております。しかし、私はその下手な
英語を駆使して国際金融の世界を一応生き抜いてきたつもりでございます。その
意味で、
英語教育に関しては一家言ございます。
私の勤めていた銀行では毎週一回
英語会議が、全世界つなげて会議があったんですけれども、私の東京のときのボスがその会議のチェアをしておりました。全世界の行員がその電話会議を毎週一回聞けるんですけれども、最初のときに、私がしゃべっていたらば、電話の向こう側で
英語が聞こえると。人が一生懸命しゃべっているのに何だと思いましたらば、その声が非常に良く耳慣れた声でございまして、要は前の
日本にいた私のボスでございました。要するにフジマキズイングリッシュを本物のイングリッシュに通訳していたということでございます。ただ、二回ほどそういうことがあったんですけれども、三回目以降、その通訳もなくなりまして、議事録を見る限り、私の言ったことは全部きちんと議事録に残って返ってきた次第です。
私自身、業績が良かったものですから、全世界のセールスマンが私の言うことを聞きたがっていたということ、そしてそのお客さん自身も、
藤巻は何を
日本の
経済について言っているかということを聞きたかったということで、聞いている方が一生懸命
英語を聞いていた。おかげで私は
英語をうまくならなかったんですけれども、ここで申し上げたいことは、
英語そのものよりは内容が重要であって、内容があれば、多少下手な
英語であっても、発音が下手でも文法が下手でも聞いてくれるということでございます。
そんな私なんですけれども、またNHKの「
英語でしゃべらナイト」に二回ほど出たことがございます。一回目は、番組の始まる前にディレクターが、パックンが最初に
英語で二言三言聞きますと、それで
英語がこいつはできるなと思ったらばそのまま
英語でなりますと言ったんですけれども、パックンが、最初に番組が始まりまして、二言三言言ったらば、その後はずっと
日本語だったということでございます。
それで、その後すぐ、それにもかかわらず二回目の出演依頼があったんですけれども、それは、家内が若い女性に聞いていたんですね。こういう回答はいけないんだろうと私は思うんですけれども、そのアシスタントの女性いわく、
藤巻さんがテレビに出ていただいて
英語をしゃべると、視聴者が非常に安心すると、一応国際
社会で生き抜いてきた
人間があんなに下手な
英語かということで、目標が低いということで安心するんだというふうに申しておりました。
もう一つだけ例を言ってから
質問に入りたいと思うんですけれども、もう一つ、私が支店長の在日代表だった頃に、部下のアメリカ人の女性が、これは総務兼
教育担当だったんですけれども、会話をした後に、彼女が私に席に来てほしいというふうに言ったんです。私が彼女の席に行ったところ、後ろに九人ほどの新入
社員が、一流、超一流の
大学を出た
日本人の学生がいたんですけれども、その彼らに向かって私の部下のアメリカ人の女性は、今ボスの、まあスピーカーホンにして聞いていたらしいんですね、あのボスの
英語を聞いただろうと、発音も文法もめちゃくちゃだけど堂々としゃべっていると。要するに、一番言いたいことは堂々としゃべることであって、あなた方は
英語をしゃべるときにおどおどしていると、ボスを倣って下手くそでもきちんと堂々と話せということを言ったわけです。
こういうような
経験からしますと、まず一つは、先ほど申しましたように、内容が重要だということとともに、やっぱりしゃべることよりも、まずはリスニングだと思うんですよね。というのは何かというと、リスニングができないと、まず会話ができない、それからビジネススクールでは全く授業が分からないということで、まず
英語で何かやるときにはリスニングをしなくてはいけない。
私自身、まずアメリカに留学したときは、当時は
日本で
英語を聞くというチャンスはほとんど映画行くぐらい、なかったものですから、アメリカへ行ったら、まずずうっと朝から晩までニュースを探し出して
英語のニュースを聞くと。それでリスニングだけは人並みになったかなというふうに思っています。
というような
経験を
考えますと、私、今
文科省のやっている
英語教育、
日本人の
英語教師の
英語を聞かせているわけですけれども、授業をやっているわけですけれども、それじゃちょっと本当に
英語の効果があるのかどうかと大変疑問に思うんですね。
今は、当時私が留学したときに比べて、NHKの
英語番組というのはかなりすばらしいものができていると思うんです。それで、NHKというのは
日本中全部で聞くことができますので、思うに、NHKに
英語番組の番組を使って、若しくはさらに、その
教育予算がたしか今年度は、昨年度の一億九千万円から今年度は十六億七千百万円と十四億円
予算が増えているわけですから、このような
予算を
日本人のしゃべる
英語に充てるよりは、NHKに少しでもお金を出して、これも文部省が関与してもいいと思うんですけれども、より一層、ただでさえすばらしい
英語番組をもっと作って、それを小
中学生にまず聞かせると、朝からずうっと聞かせると。
英語の授業は聞かせるというのは、私はそれが実質的に
英語教育、
日本人の
英語能力を高めることになるんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。