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参考人(
勝部喜政君) 御紹介いただきました島根県から参りました
株式会社勝部農産代表取締役をやっております
勝部喜政でございます。どうかよろしく
お願いをさせていただきたいと思います。
本日は、こういった大事な
委員会の中で
発言の時間いただきまして、
本当ありがとうございます。
農家をやっておりましてこういった機会で
発言をさせていただくこと、
本当、
家族又は
社員共々喜んでおりました。
仕事のさなか、
社員には頑張って今日も
仕事をさせて、私も頑張って
発言をさせていただきたいと思います。どうかよろしく
お願いをさせていただきたいと思います。
それでは、お手元の
資料に沿って御説明なりさせていただきたいと思います。
めくっていただきますと、
出雲市ということでございますが、合併によりまして
出雲市になったわけですが、その前の
斐川町という町で元々
おやじの代から
農業をやっているところでございます。
出雲市については多くを語りませんが、今、
出雲大社の遷宮ということで大変にぎわっている、結構有名な町ではないかなというふうに
出雲市、思っております。そういった中の一部の
人口三万に満たない町ですけれ
ども、ここで
農業をやっております。
実際、
斐川町というところでは
耕作地二千二百ヘクタールございます。年々減っておりますけれ
ども、今、昨年
ベースで二千二百ヘクタール、約、あります。その
うちの
農地の
土地改良が終わっているところが九割以上、もうほとんど済んでおります。そういったところで、
集積率が今六六%を確保した町ということで今年作付けやっております。
そこまで
集積が進んだことにつきまして、私
どもの
経営又は町のこれまでの方針、やってきたことを実際申し述べさせていただきたいというふうに思います。
めくっていただきますと、
株式会社勝部農産ということで、二十一年に
会社に
法人化させていただいております。現在、七名の
従業員、
うち二人は臨時ということでございますけれ
ども、私と家内で役員ということでございます。
経営面積、これは借りている、
小作料を払っているということで、
農地集積ということで五十五ヘクタールでやっております。その別で、
作業受託ということで、
田植だけとか
稲刈りをやって
乾燥調製とかいう
作業受託も別で三十ヘクタールやっております。
作物については米、大麦、
大豆ということで、昨年
ベースでいきますと、米の方が二十八ヘクタール、麦が四十ヘクタール、
大豆が四十ヘクタールということで、
経営面積としては三桁を超えたというところでやっております。
機械については、書かせていただいておりますけれ
ども、
経営に合わせたような
機械装置も備えてきております。
めくっていただきますと、これまでの約十年間、
経営の
変化を捉まえた表でございます。
私、
平成十二年から
農業の方といいますか、
おやじがそろそろやれということで、三十四歳から
農業をやっております。翌十三年には
おやじ、分かりませんでしたけれ
ども、がんということで腹を切って手術したということで、それ以来、声だけの現役ということで
作業もなかなか余りできませんでしたけれ
ども、その
うち労働力が欲しいということで雇用を始めたというのもその頃でございます。
見ていただきますと、黄色のグラフが水稲の
面積でございます。ピンクが麦、
大豆の転作、そして青が
作業受託の
面積の
変化でございます。
年ごとに様々な
変化が起きて現在に至るわけでございますけれ
ども、やっぱり
平成に入って加速していったのが、
農業ができない、もうけにならないからどんどんやめていくというのがありました。そして、受皿ということで、やりますよということでどんどん引き受けたというのが実際
うちの
経営の基になっております。やめる人がいるから
うちも
経営が大きくなったというのが実際で、ここまでやろうとは誰も予想していなかったというのが
家族の中での話でございます。
ただ、大きくなればなるほどやっぱり効率というのがこれはもう絶対
条件でございまして、大
区画化というのは、
畦畔を取って、あぜを取って大きく田んぼをしたり、そのことによって
草刈りがなくなったり、又は
管理する枚数を減らすといったこともあります。
草刈りがどうしても、全国視察行きますと、
草刈りどうしとる、どげやってやっとるというのがあります。この点につきましては、誰も一緒ですけれ
ども、草は勝手に生えてきますので、
うちらもできないことではやっぱり
地域の皆さんと渡り合えませんので、
建設業の方といろいろ話し合って、十アール五千円という単価で
田植以降
稲刈りが終わるまでの間、約三回ぐらい
草刈りをするようになると思いますけれ
ども、何回やろうが反当五千円という契約で現在二十町、昨年
ベースで
お願いをさせていただいているところでございます。
そして、
平成二十一年には、先ほど言いましたように、
会社の方、
法人化させていただいて、
従業員の方も
国民年金だけじゃなくて
社会保障も充実させるということで
法人化しております。
そういったことによりまして、米、麦、
大豆、転作、
作業受託も含めて一六四%という利用効率をやっております。これにつきましては、もう一枚めくっていただきますと、我が
斐川町の土地利用型の作付け体系というのは二年三作ということで、一年目の水稲、そしてそれが収穫したときから麦をまきまして翌年の今頃麦の収穫、そして麦を収穫した後へすぐに
大豆をまくということで二年の間に三つの
作物を作るという二年三作方式によりまして、町全体で一一六%の利用効率と。島根県では七八%ということで、
うちもなるべくこれを上げていこうということで高回転を成し遂げております。
そういったことで二年三作で転作をやっておるわけですけれ
ども、もう
一つめくっていただきますと、今度は、現在盛んに
田植ということで今年の実りのある収穫を目指してやっておりますけれ
ども、主に
作業受託は米の
関係が多うございます。というのは、やっぱり、コンバインが壊れたんで高くて買えんけん稲刈ってごさんかとか、トラクターだけ壊れたけん代かいてごさんかと、部分的な
作業もどんどん受けるようにしています。だから、兼業
農家のかゆいところに手が届くというのが
うちの
経営方針で、
作業受託を中心にやってきたというのが
おやじのこれまでの主なやり方でした。
そこで、
作業受託で品種を作期分散することによりまして皆さんの
作業受託を容易に受けるようにしております。
平成の十三年頃にはなかてが中心、コシヒカリを主にやっておりましたが、現在ではわせ品種を中心にやりまして、一般
農家ではわせ品種はほとんどやられません、なかてとおくてを作って
作業されるのが多いので、それに合わせるようにわせを中心に我が社では作って、おくて、なかてを
作業受託ということで取り入れております。
めくっていただきますと、先ほど申し上げました
畦畔撤去による大
区画化又は
作業の効率化ということで載せております。
現在お預かりしている圃場百九十五枚、筆数でいいますとなります。一枚の平均が二十五アールということで、これはほぼ町としては平均的なところではないかなというふうに思っておりますが、
畦畔撤去によりまして百二十一枚となって、一枚の平均の田んぼの区画が四十アールということで非常に効率の高い大きな
面積となっております。ただ、四畝とか五畝とか家の脇とか、そういった田んぼも当然中にはあって受けております。大きくすることだけやっているわけじゃありませんが、とにかく地主さんが出されたものは受けるということでやっております。
農家戸数につきますと今百十七戸分に相当するということでございます。
めくっていただきますと、
畦畔撤去の例ということで、左側がまだ撤去をしていない、これは二十五アール区画ですけれ
ども、右側が我が社の九十アールの田んぼということで、一枚が非常に大きくなっております。
もう
一つめくっていただきますと、これが百二十アールの田んぼでございます。百五十馬力級のトラクターも容易に
作業ができるということでやっております。
もう
一つめくっていただきますと、
畦畔撤去に伴って
草刈りも軽減するんですけれ
ども、やっぱり利用権の
増加によって先ほど言ったような
草刈りが増えた。これについては
建設業者がこうやって
草刈りをしていただいております。
それで、めくっていただきますと、これが
平成十二年に先ほど言いましたように就農したということで、
家族経営、当然やっております。ただ、おふくろも
おやじも当然年を取って体力の限界もあります。私一人ではなかなかできませんので、
労働力をどんどん入れようとするわけですが、うまくそれではいかないということで、次のページの
法人化ということで、雇用環境の整備、そして優秀な人材の確保をするべく
法人化ということでやっております。時間の方も八時半から五時と、今の
田植時分又は収穫時分の農繁期でも日曜日は必ず休みにしております。冬場の時期は十二月から三月までは週休二日ということで、正月と盆も決まった休みを取り入れております。こういったことで、普通の企業と採用に当たって差がないような、働きに来てくれる人も差がないような
条件を出してやっております。
次に、我が社では、班体制ということで、最低二人以上で
作業をさせています。新人又はベテランの者と組ませたり、多いときは四人体制とか、とにかく長くいる者が下の者を教えるという体制は取り込んでおります。朝のミーティングは、
仕事の話は
本当短いんですけれ
ども、そこで笑顔が出るような話を約三十分
程度やって、実際九時頃から
仕事をしております。
ここまでが我が社の話でございますけれ
ども、収穫物は全て農協に出荷しております。販売、販売
促進又は資金の回収、販売の回収ですね、これは農協の
仕事だと思って一切任せております。ですので、直接販売等はやっておりません。在庫を抱えて販売、インターネットということをやる、それがもうかるよと、よく業者が来て言います。そこまでのちょっと余裕がありませんので、その
仕事は農協がやるべきだということでお任せしています。
そして、雇用をすることによりまして、農の雇用を現在使わせていただいて、大いに活用させていただいております。雇用就農をどんどん
促進して、今後も
斐川町で
家族経営しているものが
法人化になるよう進めております。そこで、雇用就農によって
農業を始める又は雇用の場をつくるということを町と一緒にやっているところでございます。
家族経営がここまでになったのは、次をめくっていただきますと、町で昭和三十八年から農林事務局という体制でやってきたことが核となっております。下の七
組織、この七
組織が中心となって様々なことを決めております。毎年、右側にありますこういった「営農座談会
資料」という分厚い五ミリぐらいの本を今持っていますけれ
ども、こういうのを毎年
農家組合員に全て渡して説明に歩いています。
それで、先ほど言いました私が就農してから二、三年したときに、
平成十四年、町で、この先みんなどう考えているんだと、兼業
農家も専業
農家もどう考えているんだということでアンケートを取ったのがあります。ページめくっていただきますと、「
斐川町
農業の明日へ向けて」というアンケートを
平成十四年に取りました。そのアンケート結果が抜粋されておりますけれ
ども、とにかく任せるという言葉が非常にパーセントを占めたという結果が出ております。その後、いろんな話合いの中に、このアンケートを中心に、結果を踏まえて、
担い手への
集積又は
集落営農を進めようと、いやいや、そうじゃなくて、生きがいを楽しむ
農業もやっぱり守っていこうということで、
地域をやっぱり守りながら面的
集積を図っていこうということで、一回アンケートを取ったことによって
集積が進んだということでございます。
めくっていただきますと、
農地調整と頭にあるページでございますけれ
ども、
担い手農家の調整によりまして、道路をまたいだ、又は効率の良い
農地集積が行われて、入替えということでございます。
そして、もう
一つめくっていただきますと、
担い手マップということで、赤の田んぼで埋めてあるのが専業
農家、我らのところでございます。黄色が
集落営農がやっているところで、すみ分けがうまくされ
集積がかなり進んでいるというのが、これ町全体のマップでございます。
もう
一つめくっていただきますと、
斐川地域の
担い手の
状況ということが載っておりますけれ
ども、
平成十六年から、
集積率が四九%だったものが現在六六%までになったというのが載っております。アンケートを基に、様々な
政策、様々な方針、方策を基にいろんなことを変えていきながら
集積を進めてもらったことによって、六六%という高い
集積又は自分らもやりやすい圃場をつくっていただいたということで現在あります。
済みません、時間の方がありますのでまとめさせていただきたいと思いますけれ
ども、次からあるように、地主さんが白紙委任をしていただきます。誰が作ってもいいよ、
畦畔も取ってもいいけど、とにかく私はできませんからやってくださいということで出されます。ただ、それには、ありますように標準
小作料というのが
評価点方式で決まっております。今、
斐川町では最高が八千円ということになっています。誰が見ても八千円又は六千五百円と単価が分かるような
評価点方式を導入して、誰に預けようが、誰が
農業公社を通して作ろうが同じ、共有だということでやって
集積を進めたということでございます。
こういったことで、様々な私も
交付金事業を使わせていただいて、ここまで大きくさせていただきました。今後も、様々な事業を使わせていただいて
規模をいま一層大きくして、もっと雇用就農で
農業者を増やしていきたいというふうに思っております。
至らぬ点あったと思いますけれ
ども、そういった様々なことがあって
経営の方を大きくさせていただきましたけれ
ども、今後も
地域に見合った
作物、体系をつくって頑張りたいと思いますので、どうか今後も御
支援の方よろしく
お願いをさせていただきまして、終わりたいと思います。
ありがとうございました。