○小川勝也君
是非しっかりと進めていただきたいと存じます。
かつて、年貢を逃れるために人々に見付からないところに開墾したなどという
農地も府県には結構あるようでございます。未来志向で守るべき
農地、そしてこれからは、
農業においても言うまでもなく人材不足であります。ですから、人が開墾した畑であっても、いわゆる人力で耕作をということは、市民農園とかリタイアの方の趣味ということは別格でありますけれども、業として
農業をされるということで考えると、これは無理でありますので、機械が入らない
農地はもう我慢する、これぐらいの大きな発想の転換をしていただいて、その代わり守るべきところには、しっかりと
国民の理解を得て税金を投入すべきところは投入する。やはり、経済界からも
納税者からも後ろ指を指されにくいような農政を先取りしていただくことを望みたいと存じます。
そんな中で、草地であります。草地は、やはり山の上まで草地にしたい、そんなことによって、鹿が大量発生するなどいろんな問題も起きていますけれども、これも大事な
農地であります。
草地はなぜ草地なのかというと、先ほどの土地
利用でいうと、水田になりにくい、畑地にも不向きだというので草地になっているわけでありますので、ここは言うまでもなく、酪農か畜産しかできないわけであります。特に北海道の酪農は、いわゆる戦後、先ほど確認をいただきましたけれども、
日本の
国民の体力の
維持増進のためにも乳製品の自給が大事だということでつくられた
農地でもありますし、私はこの酪農、徳永さんもよく酪
農地帯に行っています、大事ですよね。酪農はどうしても守らなきゃいけない。これをやはりこの
法案の
審議の中でも申し上げなければならないわけであります。いわゆるところの牛肉価格がどうなるか、絶大なる関心を示しています。
その後の
TPP交渉の中においての乳製品のいわゆる触れられ方も大変どきどきして見守っていますけれども、私はここで、先ほど申し上げました
日本の
農業の規模について、
衆議院の
質疑の中で同僚の篠原議員が提示した、
日本の畜
産業の平均飼養規模
拡大の推移という資料を例示をさせていただきたいと思います。これ、申し上げたいのはどういうことかといいますと、
日本の
農業は非効率的だ、非効率的だと言われておりますけれども、そんなに非効率的じゃないということであります。
肥育牛、アメリカが平均三百二十二頭、
日本は百十四頭、韓国が十五頭、イギリス二十二頭、フランス三十五頭、こういう数字なんです。先ほど、ヨーロッパを目指すべきだ、アメリカと豪州と
日本は違うんだということを申し上げました。私たちの国の
農業は全然非効率的でもないし小さくもないんです。これは北海道だけの数字じゃありませんよ。乳用牛は、フランス、ドイツはきっちり四十頭、イギリス七十頭、
日本六十八頭、アメリカは百四十二頭です。
これは、フランスとかドイツとかはどうしてこういう低い数字で抑えられているのか。それは、冒頭申し上げましたとおり、
地域を支えるためには、そこに酪農家が、あるいは養豚農家が、あるいは肥育牛農家が必要だからなんです。ですから、適宜適切に平均頭数やモデル頭数を決めて、安心して営農を続けられるような
仕組みをつくりつつ、そしてWTOに加盟をしながらがくがくの議論をしている、これがヨーロッパなんです。
アメリカや豪州は完全なる輸出国ですので、とにかく門戸を開けろ、門戸を開けろというふうにやっている。我々の国が目指すのは、クレバーに、フランスやイギリスのように、自国の
農業も守りつつ貿易
交渉でも闘うということであります。ですから、私たちが目指した
農業者戸別所得補償制度は、最終的にはこの畜産にまで波及する
予定でありました。このことによって、例えばスイスなどでは傾斜地加算、これがあります。これもう
大臣御案内のとおり、ヨーロッパは国境を接していますので、国境に
我が国の農民がいることがいわゆる国境監視隊を兼ねているわけでありますので、これは大事なことなんです。
我々の国は残念ながら海以外に国境がないので、その概念が発達しなかったからかもしれませんけれども、例えば景観の
維持、これ、我々の仲間であった
山田正彦さんがスイスを見てきて帰ってきて言ったのは、おい、小川さん、びっくりしたでと。たった六頭で四百五十万円の補助金が出る。これは景観
維持と傾斜地と合わさって、独自の乳を搾って独自のチーズで付加価値を高くして売っている、これはブランドでありますけれども。
これは極端な例でありますけれども、私たちが目指す草地
利用あるいは
農地利用はそういう概念もなければいけない。特に、これから府県のいわゆる耕地
農業は、今日は時間がありませんので、後刻また
集落営農とか生産
法人とかあるいは企業の参入とかの議論もさせていただきますけれども、すなわち草地を守るのは、こういった三十頭から四十頭でも、肥育牛でも乳用牛でも業として成り立つように、そして集落を守れるようにしないと、そこに、先ほど私が申し上げたように、学校がなくなり、買物する場所がなくなり、ATMにアクセスできなくなり、万が一のときに病院に行けなくなる。そうなる前にしっかりと最小限のコミュニティーとそのセンター
地域の基幹病院というのをグランドデザインの中でやっていかなきゃならないということを申し上げたいわけであります。
ですから、しっかりとこの草地を守るという意味で、私が今例示したようなモデル的な飼養頭数とか草地
面積、こういうところにはこういういわゆる
施策がありますよと。自由主義社会でありますので、いや、俺は二百頭飼うんだ、こういう人たちは自由に飼っていいんです。五百頭も千頭も自由に飼うことができる。しかし、
施策の
中心に、あるいは光が当たる
施策にそういったコミュニティーを守る
施策が講じられるように御検討いただきたいと存じますが、いかがでしょうか。