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山田太郎君
是非、慎重であっても検討はしていただければというふうに思っております。
ちょっと時間がなくなってきましたので、もう一つの新しい経営所得
対策の
実施というところで、今年の
予算の極めて重要な部分でありますので、触れていきたいと思っております。
これ、要は、簡単に言うと、かつての生産調整、まさに減反を廃止してこれを
飼料用米等に振り向けていきましょうと、こういう
政策だと思います。これ、
農水省さんがいろんなところで発表されているんですが、餌米の需要というのは四百五十万トンぐらい、面積にすると六十五万ヘクタールというふうになるそうでありまして、実はこれに今
予算を付けている前提であります十ヘクタール当たり十・五万円というのを掛け合わせていきますと、最大六千八百億円という
予算が必要になってしまいます。そういう
意味では、どこまで今年やるのかなということがよく分からないんですが、ちょっと
予算と
農水省さんがいろんなところで発言されている枠組みというのが少し差がある。もちろん、すぐに全部が転作されるわけじゃないんで、そうかもしれませんが、将来的には八千億円弱ぐらいのコストが毎年掛かっていくというような実は
考え方であります。そうなってくると、今の減反補助金が二千五百億程度ですから、プラス五千五百億円という財政が負担になるということであります。
一方、これも結果論としては米の値段は下がらないと。要は主食米のお米がこれによって作る人が減るので、結局はお米が大体一俵当たり一万四千円前後というのが下がらないというようなお話もしていますが。ここからはちょっと
政策的な違いなんですが、私は、米の値段は下げても、
競争力があるマーケット
価格にできるだけ近づけていくと。ただ、そうすると農家がもちませんので、その分は直接例えば補填をしていくという形は
考えられないだろうかと、実はこういうふうにも
考えているわけであります。
例えば国際
価格、今中国での買取り
価格と、何をもって国際
価格かというのは難しい側面があるんですが、主食米としては大体国際
価格で九千円から八千円ということでありまして、一万四千円ということを想定されているものから比較しますと、六千円ぐらいをいわゆる助成していくと何とか今の収入が維持できるということであります。
そうなってくると、じゃ、どれぐらいそれは補填すればいいかということなんですけれども、主業農家に対して補填すると。主業農家が今二百四十万トン、大体全体のお米の四〇%ぐらい作っておりますから、ここを中心にいわゆる補填をしていけば二千四百億で済むと。あるいは、もうちょっと膨らませて準主業農家まで高めていきますと、ここが百五十万トンぐらい作っておりますから、一千四百億円と。合計三千九百億円程度で済むと。こうすることによって、我々国民も高いお米を食べなくて済むと。できるだけ安く買うこともできますし、国際
競争力もお米に対しては出てくるだろうということでありまして、必ずしも高
価格維持というのが本当にこれからのお米の作り方、農政のポ
イントなのかどうかということは疑問があるところだと思っております。
これは実はすごく
議論があるところだと思っておりまして、今日の
質疑だけでは結論は出ないのかもしれませんが、ただ、この
予算案で今年度かじを切り出しますと、結局またそういった形でお米を、
飼料用米を作っていくと。
私も、昨日、おとといと実は北海道、それからその前は四国を回っておったんですが、今更、主食米を作っているのに餌米を作るのかという現場のプライドの問題もありまして、本当にそういうことが果たして現場のモチベーションにもつながるのかどうか。いろんなことが重要な問題だと思っております。
是非、またやってみて失敗してしまったら、猫の目農政だなんていうふうになったらまた取り返しが付かない、二度と、今度は農政に対する
信頼を失うと思います。
そういった
意味で、何のプランが今正しいかというのは、私は一年ぐらい掛けてしっかりこういう
委員会なんかも含めて
議論をして、その上で、納得した上で、確度が高いいわゆる農政の再生ということを
議論した方がいいんじゃないかというふうに思っておりますが、ちょっと長くなりましたが、
是非、
大臣の御所見いただけませんでしょうか。