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神本美恵子君
民主党・新緑風会の
神本美恵子でございます。
一昨日、三・一一から三年目を迎えました。質問に先立ちまして、東
日本大震災及び福島原発事故の傷痕に改めて思いを致したいと存じます。巨大地震、津波、原発事故を含む震災や原発事故では多くの方々がお亡くなりになり、また行方不明となられました。先日の追悼式に皆様も御参加になったと思いますけれども、私も、その場で御遺族の方々の言葉を聞きながら、改めて、決して消えることのない悲しみを日々感じていらっしゃるということを感じさせていただきました。今なお、およそ二十六万人の方々が仮設住宅や借り上げ住宅で避難生活を送られている。また、現在も捜索活動が行われており、多くの方々が尽力くださっていますけれども、御遺族の方や被災された方、捜索活動に携わっておいでの方々、御
関係全ての方々の悲しみを思い、復興への努力に敬意を表するとともに、これからも心を添わせてまいりたいと思っております。
さて、この東
日本大震災における経験は、たとえそれが困難であっても、想定外であったということは許されないということを改めて大きな犠牲とともに私たちは知ったところでございます。この悲劇を繰り返さないためにも、この点に立脚して災害対策を深めていくことは、冒頭で述べましたような
状況にある方々の痛切な願いに応えることでもあると思っております。
そこで、地殻変動に伴う地震及び火山の災害対策についてお聞きをしたいと思います。ここは防災担当の
大臣もいらっしゃると思ったんですけれども、
内閣委員会でその担当
大臣をお呼びすることができないということを昨日知りまして、防災については災害特でやることになっていると聞きまして、ちょっと残念でありますけれども、今日は担当の副
大臣においでいただいております。この火山については、参議院の
予算委員会でも原発の再稼働審査と関連して質問がなされているところでありますけれども、私は防災の観点から質問をいたしたいと思います。
まず、先日、本
委員会でも
委員派遣として兵庫県の方に視察に参りましたけれども、そのときに、E—ディフェンスということを視察させていただきました。兵庫県にある阪神・淡路大震災記念人と防災未来センター、あるいは兵庫耐震工学
研究センターにも伺いました。その際、防災科研で実大三次元震動破壊実験施設、いわゆるE—ディフェンスというのを見せていただきました。ここは実験棟などの大型の建造物を試験体として、そこに大きな地震の揺れを前後、左右、上下の三次元に加えることで、揺れによる損傷や崩壊の
過程を詳細に検討する世界最大級の実験施設であるというふうにお聞きをいたしました。そのときいただいた
資料には、構造物の耐震性向上に関わる
研究開発と実践を促進する究極の検証手段というふうに記載されておりました。非常に高度で精密な
研究ができる施設だということを私たちも目の当たりにしたわけですけれども、そこで得られたデータや実験の
研究成果、そのようなものはどのように実際の構造物の建築や耐震
技術に反映されているのかなということをそのときに私は疑問に思ったわけです。
当日の配付
資料には、例えば鉄筋コンクリート建物の場合は、ワイヤーで部品同士を締め付けることで接合する工法が優れた耐震性を保有するという実験報告や、また古い木造住宅でも、当日の
資料の中には、伝統的な建造物である学校の木造の二階建てか三階建ての校舎であったと思いますけれども、そういうものでも適切な補強を行うことで倒壊を防ぐことができるというようなことも報告がございました。
こうした
研究成果が実際に防災や減災の向上につながらなければ有効に働いているとは思えないんですけれども、実はちょっと意外に思ったのは、そのときいただいた、第九回成果発表会という防災科研の発表会の
資料をいただきました。この中に書かれている、
資料の中に、「もうすぐ十年 E—ディフェンスの新たな試み」ということでセンター長さんが書かれているんですが、最後にというところで、E—ディフェンスの成果の普及ということがよく話題にされるが、これまでの
研究の成果が国の防災、減災力向上にどれほど影響しているか定量的に評価することは難しい。しかし、国民の防災、減災の意識を向上させることが国の防災、減災力の向上につながることは明らかでありと。これは、当然、私もテレビでこのE—ディフェンスのことを見まして、是非これは実際に見たいなと思ったものですから、減災に役に立つんだなということまでは感じさせていただいたんですけれども、このことが国民の防災、減災意識向上に少なからず貢献していると思われるということで終わっているんですね。
ですから、せっかくこれだけの世界に例を見ないような大きな規模の実験施設を持って、そこで
研究成果が次々と現れていると思われるんですけれども、それが意識向上だけでいいのかなというふうに思います。
そこで、お伺いしたいのは、ここで得られた知見が、建築の耐震
技術の向上や建築基準、耐震基準などにどのように反映され、取り入れられていくのか、その具体的な道筋をお伺いをしたいと思います。