○江口克彦君
委員派遣の報告をいたします。
水岡委員長、松下
理事、上月
理事、芝
理事、
鴻池委員、神本
委員、
山本委員及び私、江口の八名は、去る二月二十七日と二十八日の二日間、兵庫県を訪れ、
科学技術研究等の実情について
調査を行ってまいりました。
一日目は、最初に神戸市から、ポートアイランドにおいて
平成十年から市が主体となって高度
医療技術の
研究開発拠点を整備し、
医療関連産業の集積を図ることで健やかで活力ある神戸にしていくためのプロジェクト、神戸
医療産業都市構想について概況
説明を聴取した後、その関連
施設を順次視察いたしました。
視察は、まず独立
行政法人理化学研究所計算科学研究機構に伺いました。ここでは、
平成二十四年九月から供用を開始したスーパーコンピューター「京」の
運用が行われており、その性能及び功績について
説明を聴取した後、計算機室を視察いたしました。
続いて、兵庫県、神戸市及び神戸商工
会議所が出資して設立した
公益財団
法人計算科学振興財団に伺いました。この財団では、スーパーコンピューター「京」の産業界による
利用の促進、財団が整備した産業界専用のスーパーコンピューター「FOCUSスパコン」を
活用した技術
高度化支援、企業における技術者の人材育成について
説明を聴取いたしました。
次に、神戸市など三十六の団体が出資して設立した
公益財団
法人先端
医療振興財団に伺いました。同財団は、神戸
医療産業都市構想の
実現に向けて、
医療技術に係る基礎研究の成果を迅速に臨床に橋渡しする研究の
推進、先端
医療の提供、メディカル
イノベーションシステムの
構築などを通じ、神戸市及び関西地区の
経済活性化、神戸市民及び
国民の健康福祉の
向上、
世界の
医療水準の
向上に貢献することを目指しております。ここでは、財団の活動及び
再生医療の研究について
説明を聴取した後、先端
医療の提供を担う先端
医療センター病院を視察いたしました。
派遣委員からは、先端
医療センター病院で最先端の治療を受ける際の患者の費用負担等について質問が出されました。
続いて、独立
行政法人理化学研究所発生・
再生科学総合研究センターに伺いました。ここでは、最近、STAP細胞に関する研究成果が発表されましたが、同センターでは優秀な研究者を国内外から招聘し、研究者の独創性、
創造性を重視する中で研究が行われております。当日は、現在準備が進められている、iPS細胞を実際に使って目の難病患者の網膜を
再生するという、
世界初の臨床研究のプロジェクトリーダーから
説明を聴取し、また、研究室で
再生医療研究の
一端を視察いたしました。
派遣委員からは、同センターの今後の運営の見通し、
再生医療を受ける際の費用負担の
在り方等について質問が出されました。
二日目は、最初に、阪神・淡路大震災の教訓を後世に残し、震災とその復興過程から得られた知識や知恵を
世界に
情報発信するために開設された阪神・淡路大震災記念人と防災未来センターに伺いました。ここでは、兵庫県から防災
施策等について
説明を聴取した後、震災及び震災からの復興過程に関する映像及び展示を視察いたしました。
派遣委員からは、
女性を含む災害弱者に対する県の
施策等について質問が出されました。
次に三木市に移動し、独立
行政法人防災
科学技術研究所兵庫耐震工学研究センターに伺いました。ここでは、最大で千二百トンの建造物を震度七の地震動で揺さぶり、建造物の破壊過程を検証できる
施設E—ディフェンスにおいて、過去に行われた実験の
概要説明を聴取した後、実際に学校
施設におけるつり天井を再現し、震度六強の振動を発生させることによる脱落
被害再現実験を視察いたしました。
派遣委員からは、同センターの今後の運営等について質問が出されました。
最後に、兵庫県が阪神・淡路大震災を教訓として三木市に整備した兵庫県広域防災センターに伺いました。同センターは、災害時には隣接する三木総合防災公園と一体として
警察、消防、自衛隊など災害要員の活動拠点となるとともに、救援物資の集配拠点となります。ここでは、活動
状況について
説明を聴取した後、公園内にある救援物資の集配
機能を有する屋内テニス場及び救助のための資機材等を備蓄
管理している陸上競技場を視察いたしました。
以上で報告を終わりますが、最後に、今回の
委員派遣に際して多大な御
協力をいただきました神戸市、兵庫県、さらに理化学研究所、防災
科学技術研究所を始めとする
関係機関の皆様に深く感謝の意を表する次第であります。
以上でございます。
ありがとうございました。