○平野達男君 公表に向けてはなかなか難しい問題があるということは理解をいたします。
今の
井上副
大臣のお話の中に、
政府事故調、国会
事故調ではきちっとしたかなりの検討がされている、精査がされているというふうにお話がありましたが、本当にそうでしょうか。
事故の検証は、これ
二つの大きな
目的があると思います。
一つは、
事故を再発させないこと。このために、耐震設計をどうするか、あるいは津波が来たときどうするか、火山も含めて、その全体の構造をどうするか、それからセーフティーネットをどうするか、そういったことのための検証だと思います。それからもう
一つは、
事故が起こったときにどういうふうに
対応するかです。
事故が起こったときにどういう
対応をするかというのは、これはいろんな観点がありますけれ
ども、私、
二つあると思います。
一つは
避難です。ところが、
避難につきましては、前回この
委員会でも取り上げましたけれ
ども、
政府としては、これは民主党政権時代からそうなんですが、まだその精細、実態何があったかの
調査、終わっていないんです。先ほど冒頭申しましたけれ
ども、誰が指示を出して、どういう経路でもって、どういう指示でもって動いたか。てんでばらに動いたというところもあります。ある
程度整然で動いたところもあります。そういったものの検証が全くされていないんです。
内閣府でこれから動きます。だから、ここの
部分に対して、
事故が起こったときにどういう
対応をするかということについての検証すらされていないという、まずそれが
一つあります。
それからもう
一つは、
事故が起こったときに
政府がどう
対応するか。これは比較的、特に菅元総理にかなりスポットを当てられて、本当に小さな言動から何から詳細に、それを読めばそのときの
状況が伝わってくるような報告書がされています。
それから、もう
一つあります。一番大事なのは、現場でどういう
判断でどういう行動をしたかということなんです。そのときには、東電本社もあれば
福島第一
原発のサイトもあると思います。そのサイトのその職員もいると思います。職員は大変ですね。事態が刻々、刻一刻変わりますから、いつどういうときにベントをやるか、いつどういう
状況で注水をやるか、刻一刻の
状況の中で、どういう情報が入ってきて、多分、所長は物すごい
判断をしなくちゃならなかったはずです。
もっとあります。所長は、
事故の拡大を防ぐために、あるいは
原発の暴走を防ぐために、それを阻止するというその使命とともに、職員がいますから、職員の命をどうやって確保するかという、そういう板挟みに立たされるわけです。
そういう問題に対してスポットを当てて
政府事故調も国会
事故調も何にも書いていません。ましてや、
吉田所長がそういう様々な証言をしたということについては全く触れられていない。
私は、これからの、もし再
稼働するのであれば、現場の所長も含めて、各電力会社も含めて、
吉田所長がどういう
状況に置かれて、どういう気持ちでどういう
判断をしたか、これは全部で共有しなくちゃならないと思いますよ。そしてまた、これ世界にも発信すべきものかもしれない。もちろん、その前提としては、
吉田所長が、
企業人でもありますから、
企業人としてこれを公表するのははばかられるというふうに
判断されたかもしれません。でも、そのことを含めて、この問題については、この調書についてはやはり公表すべきではないかというふうに思います。
ちなみに、この調書というのは、今申しましたように、これは中身について公表する以前に、しないするとにかかわらず、大きな問題を突き付けていると思うんです。
それは、今言いましたように、繰り返しますけれ
ども、
事故が起こった場合にどういうふうな
対応をするか。それは、
原発というのは実験ができません。模型実験もできません。だから、あの
事故の中で本当に何が起こったかというのは詳細に詳細に詳細に、本当にとにかくあらゆる観点から検討して、ビッグデータじゃないですけれ
ども、それをきっちり示すということは、これは私はあの
原発事故を経験したこの国の責任じゃないかなというふうに思いますし、多分、
吉田所長は、私がいろんなネットでかいま見る限りは、本当に率直にしゃべっておられますし、軍隊で例えるというのは本当にあれですけれ
ども、指揮官として私は最高の指揮官ではなかったかと思います。自分の反省も含めて率直に言っております。だから、そういった問題をずっと見ながら、この現場指揮官になったときに何が情報が必要だったのかということが浮かび上がってくるはずであります。
田中委員長、この報告書は読まれているでしょうか。突然質問、あれですけれ
ども、報告書というか、調書を読まれているでしょうか。