○石上俊雄君 民主党・新緑風会の石上俊雄でございます。
会派を代表し、ただいま議案となりました
平成二十六
年度NHK予算案に対し、反対の立場から討論を行います。
反対の
理由を述べる前に、本日このように異常な形で
総務委員会が設置され議案の
審議に至っていることに対し、誠に遺憾であることを申し述べたいと思いますし、このような形で
審議に至っていることに対し、状況をしっかり受け止めていただいて、
NHK籾井会長に猛省を求めたいというふうに思います。
それでは、反対の
理由を二点申し上げます。
まず、反対の第一の
理由は、現体制では
公共放送としての使命が果たせないのではないかという大きな疑問があるからであります。
公共放送には、
国民の知る権利に奉仕し、健全な民主主義の発展のために尽くす使命が課せられております。さらには、権力をチェックする機関でなければなりません。
NHKの歴代
会長も、特定の利益や視聴率に左右されることなく自主自律を貫き、
信頼される確かな
情報や、あるいは多様で質の高い
番組を社会全体に分け隔てなく
提供していくことだと
国会で重ね重ね
説明してこられましたし、権力の側も、今日に至るまで自制心を持って距離を保ってこられたのではないでしょうか。
しかし、今、この
公共放送の根幹、民主主義の基盤が揺るがされる異変が起きております。言うまでもなく、本
委員会の中でも何度となく取り上げられましたが、総理が任命した
経営委員の方々の言動、その
経営委員を含む
経営委員会が任命した新
会長、
籾井会長の
発言をめぐってであります。
籾井会長の就任記者会見での話は細かくは触れませんが、編集権を持つ
会長にふさわしくないと批判を受ける
発言をし、その後、一旦は個人的
発言として謝罪したものの、
経営委員会で、
発言の中でどこが悪かったのかと
発言するなど、反省の色は全く見られておりません。
このような、ビジョンも
答弁書なくして答えられない、リーダーとしての適正な振る舞いも示されない、このようなリーダーの下での体制では、到底
公共放送としての使命を果たせるとは、甚だ疑問であると思います。
反対の第二の
理由は、さきに述べた、
会長や一部の
経営委員の方々の
発言により
受信料の支払拒否が増加するのではないかと思われ、
平成二十六
年度の歳入見込みが立たない中で、本
予算案の執行が難しいと考えるからであります。
新
会長の就任記者会見のあった一月の二十五日から三月の二十六日の六十二日間で、先ほど、三万六千四百件もの
意見が寄せられた、そのうちの三割までが
受信料に関わる内容だとお聞きしました。いわゆる歳入の九七%が
受信料で構成されておるわけでありますから、このままでは、今回の
受信料支払拒否は、三十五万五千件もの支払拒否が起きた
平成十六
年度の事態をも上回るおそれがあるわけであります。
このような状況の中で、どう見たら本
予算の執行が適正に行われると言えるのでしょうか。現場で
受信料を徴収する職員の
皆様は頑張っておられるのです。しかし、これほど問題を起こしている
籾井会長が、先ほども
答弁もありましたが、三千万円もの報酬を受ける立場にありながら、
委員会の
答弁でもございましたように、報酬の返上すら考えていないと
答弁されているわけであります。
このような状況の中で、
平成二十六
年度の
NHK予算、これは確かに前
会長の下で作成されたわけでありますから、このような対応を行っている現
会長の下では執行に大きな疑問があると言わざるを得ません。
以上の二点の
理由から、本
予算に対しては到底
承認できるものではないものと申し上げたいと思います。
最後に、
平成二十六
年度予算を適正に執行していくためにも、即刻自らを辞され、事態の収拾に、行うべきと考えることを申し上げまして、反対討論とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。