○平野達男君 世界
経済の中心のアメリカがあれだけの
金融緩和をやって、中で
お金を回るだけじゃなくてどんどん海外に出て、世界的にはもうポートフォリオが変わるという大きな影響もやっぱり与えたんだろうと思いますね。
麻生大臣が言われたように、やっぱりコミュニケーションというのを取るべきだというのは、
麻生大臣主導で国際
会議で是非言っていただきたいと思いますし、
日本もいずれ、その出口になったときに同じことを多分やらなくちゃならない局面が出てくると思いますので、そのことも頭に入れながら是非ウオッチしていただきたいと思いますし、私も十分よく分かってないところありますけれ
ども、一生懸命見ていきたいというふうに思います。
それで、今日は経常収支のお話がちょっと出ましたけれ
ども、お手元に経常収支の推移ということで紙の上の方に
日本の経常収支の推移と書いてございまして、先ほど
麻生大臣と
委員の議論の中で、最近は所得収支がプラスになって、それでもってまだ経常収支の黒字は何とか保たれていると。
日本は世界最大の債権国でもあって、グロスで五百兆でしたか、ネットで二百五十億とかということをちょっとお聞きしたことがございますけれ
ども、それぐらいの投資をしていますから、それのリターンが来ているということだろうと思います。
だけど、ここに来てやっぱり貿易収支のちょっと見通しがなかなか立てづらいということもありまして、もうこの経常収支がどうなるかということの見方というのは非常に難しいんですが、少なくともここに来て経常収支というのが、かなり黒字の幅のところからすれすれの段階に来て、先ほどの話ではマイナスになることはしばらくはないんだみたいな見解を出したという話なんですけれ
ども、なかなか難しい話になってきているのかなということです。
そこで、以下は雑談としてお聞きしたいんですけれ
ども、やっぱり気になるのはアメリカですね。つい最近までオイルグラットとかガスグラットとか三、四年前からいろいろなところに出てきていて、何のことかなといったら、アメリカに天然ガス、それからシェールオイル、石油が出始めてきた。要するに、今まで井戸を掘るときには垂直
方向しか取れなかったですけれ
ども、ホリゾンタル・ドリリングということで水平
方向に行くようになったということ。それで、シェールというのは頁岩若しくは泥岩という
意味で、ある
意味ではもうかちっと固まっていますから浸透性が非常に悪いんで、元々そこにガスとか石油があるというのは分かっていたんだけれ
ども取れなかった。ところが、水平に行って、フラッキングという形で石油、ガスがどんどん取れるようになってきた。ただ、どんどん取れるようになってきて、その量が半端じゃないということでして、アメリカが今の
状況でいきますと、これは、以下は実はフォーリン・アフェアーズというもののほとんど受け売りですから、多分、出典ははっきりしていますから、数字みたいなのは正しいと思いますので、聞いておいていただければいいかと思いますけれ
ども、IEAが、来年にはアメリカはサウジアラビアを抜いて世界第一の原油生産国になると見通しているらしいですね。それから、もうアメリカは、今、ここ一、二年前から、元々はガシフィケーションといって、外国から液化ガスを輸入して、そこでガス化して国内に配送するという、そういうシステムを構築していたんですが、全く逆で、今、要するに液化施設を造り始めているということですね。それからあと、二〇二〇年にはアメリカは、ネットのエネルギー輸出国になるという見通しもあるようです。
それで、アメリカの、今まではどちらかというと、先ほど経常収支の話が出ましたけれ
ども、かつてグローバルインバランスということでアメリカだけがどかんと経常赤字を出して、世界的に見ればどこかが経常赤字出していないとどこかが黒字になりませんから、中国も韓国も
日本もそれで黒字を抱えて世界が何となくバランスしてきたということなんですけれ
ども、ここに来て、アメリカの経常収支の半分はエネルギーだということで、
日本も今、原発停止していますからかなりエネルギー代に
お金が出ているんですが、その半分の赤字の部分がひょっとしたら消えるかもしれない。消えるだけじゃなくて、アメリカの場合は鉄鋼とか石油化学工業というのは、元々は
日本に押されて、今は韓国、中国なんかに押されてきているんですけれ
ども、エネルギー価格がどんと下がることによって大変な競争力が出てくるんじゃないかという中で、アメリカの
経済というのはもっとこれ大変なことになってくるのかなと。
だから、もう
経済で世界を支配できる、まあ元々支配してきたんですけれ
ども、それがもっと力を付けるんじゃないかと。だから、プレデターとかドローンとか、あんなものを使わなくても元々アメリカというのは世界にエネルギー戦略でにらみを利かせられるような雰囲気がここに来て出てきたということでありまして、ここはエネルギー
政策を論じるところじゃありませんからこの辺にしておきますけれ
ども。
要は、結局、アメリカがそうなることによって国際収支の、何というんですかね、バランスみたいなものも大きく変わってくる可能性があってきて、これが世界
経済にどういう、エネルギーという問題だけじゃなくて世界の
お金の動きの中にどういう影響が出てくるかということについては、これはやっぱりしっかり見ておく必要があるのではないかという、何かもっともらしい話をちょっとしておりますけれ
ども、
麻生大臣は
財務大臣でもありますが、今、副
総理でもあります。今のことに関連して何かコメントをいただければ、よろしくお願いしたいと思います。