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国務大臣(
古屋圭司君)
予算委員会答弁で遅れまして、申し訳ございません。
国土強靱化担当、
防災担当大臣の
古屋圭司でございます。
第百八十六回国会における御審議に当たりまして、
災害対策に関する私の所信の一端を申し上げます。
我が国は、その自然的
条件から、各種の
災害が発生しやすい特性を有しております。こうした我が国の特性を踏まえ、
防災は国家の基本的かつ極めて重要な任務であるとの認識に立ち、
災害に強くしなやかで強靱な国づくりを進めてまいる所存です。
発災から三周年となる
東日本大震災を始め、昨年から今年にかけても、
台風や
豪雨、竜巻、
豪雪等による
災害が発生しております。今冬期の
豪雪については、三月十日時点で九十名の方が亡くなられ、各地で大きな
被害が発生しております。また、
孤立集落や車両の立ち往生な
ども多数発生をいたしました。
これらの
災害により亡くなられた
方々とその御遺族に対し、深く哀悼の意を表しますとともに、全ての
被災者の
方々に心からお見舞いを申し上げます。
特に、先般の
豪雪では、
政府として、
降雪前の十四日から関係省庁
災害警戒会議を開催するなど、関係省庁と
連携して
対応してまいりましたが、十八日には、
集落の孤立が三日を超え、長期化する事態となり、更なる
降雪の予報もあったことから、関係省庁による会議を
災害対策基本法に基づく
豪雪非常
災害対策本部へと格上げして、
政府一丸の
対応を更に加速させました。
今回の
災害では、
農業被害が大きかったことから、
被災自治体等からの
要望を踏まえて、
農林水産省により
被災農業者への新たな
支援対策が講じられたほか、総務省により
特別交付税の繰上げ交付がなされるなどの
対応をしてまいりましたが、今後とも
被災自治体からの御
要望を丁寧にお伺いし、
被災者の
方々が一日も早く安心した生活に戻れるよう、
被災自治体と
連携を密にし、関係省庁一体となって
対応に万全を期してまいります。
今回は、ふだん雪が少ない
地域に
大雪が降り、従来と異なる
雪害をもたらしました。今後、
大雪についての
注意報、
警報、
特別警報を含む一連の
防災気象情報の発表やその提供の
在り方、除排雪の支障となる放置車両排除のための方策及び
政府などによる
国民への情報
提供等について、関係省庁とともに検証し、今回の
災害を今後の教訓として生かしてまいります。
なお、引き続き
降雪や雪崩等への警戒が必要なことから、緊張感を持って警戒監視に当たってまいります。
続きまして、
防災対策の主な
課題と取組方針について御
説明いたします。
まず、今後
想定される南海トラフ地震や首都直下地震
対策についてであります。
南海トラフ地震については、南海トラフ巨大地震
対策検討ワーキンググループにおいて昨年五月に取りまとめた最終
報告を踏まえ、昨年の臨時国会において議員立法により成立した南海トラフ地震に係る地震
防災対策の推進に関する特別措置法に基づき、推進
地域や特別強化
地域の指定、基本計画の作成等を行い、関係省庁や
地方公共団体と
連携して、津波避難
対策を始めとするハード、ソフト両面の総合的な
対策を強力に推進をしてまいります。
また、首都直下地震についても、首都直下地震
対策検討ワーキンググループにおいて昨年十二月に取りまとめた
被害想定及び最終
報告を踏まえ、昨年の臨時国会で議員立法により成立した首都直下地震
対策特別措置法に基づき、緊急
対策区域の指定、基本計画や行政中枢機能の維持に係る緊急
対策実施計画の作成等を行い、関係省庁や
地方公共団体と
連携して、首都中枢機能の維持や建築物の耐震化、火災
対策を始め巨大過密都市である首都の地震
対策に万全を期してまいります。
次に、火山
災害対策についてであります。
我が国は、多数の活火山を有する世界有数の火山国であり、最近でも桜島が活発な噴火活動を続けるなど、引き続き警戒が必要です。昨年五月に有識者による
検討会が取りまとめた大規模火山
災害対策への提言を踏まえ、今後とも関係省庁や
地方公共団体と
連携しつつ、火山の監視観測・
調査研究
体制の一層の充実、各火山
地域における具体的で実践的な避難計画の策定や、これまで知見が限られていた大規模降灰の影響と
対策に関する
調査研究の推進など、火山
防災対策に取り組んでまいります。
次に、竜巻
対策については、昨年九月に発生した
竜巻被害等を踏まえ、竜巻等突風
対策局長級会議を設置し、予報情報の
改善、
災害情報等の伝達の
在り方、
防災教育の充実等の施策を同年十二月に取りまとめたところであり、今後は関係省庁と
連携して竜巻
対策に取り組んでまいります。
続いて、水害
対策については、大規模水害
対策に関する専門
調査会
報告等に基づき、一昨年九月に首都圏大規模水害
対策大綱を中央
防災会議において決定をいたしました。今後とも、同大綱を踏まえ、大規模水害の発生に備えた広域的な応急活動
体制の強化や
調査研究の推進など大綱を踏まえた
対策の推進に取り組んでまいります。
これらの様々な
災害対策の推進に当たっては、公助のみならず自助、共助の取組いずれもが重要であると
考えております。こうした認識の下に、
地区防災計画制度の推進を始め、
災害教訓の継承、
国民の
防災意識の啓発や
防災ボランティア活動の環境
整備、企業における
事業継続の取組計画の普及等の取組を進めてまいりますとともに、総合
防災訓練大綱に基づき、国や
地方公共団体において、
防災の日や津波
防災の日を
中心に
防災訓練を総合的かつ計画的に実施してまいります。
国際
防災協力については、
東日本大震災の際に諸外国から多大な
支援を
受けた我が国として、震災から得られた知見を国際社会に発信していくことも重要です。
平成二十七年、二〇一五年三月、仙台で開催をされる第三回国連
防災世界会議が成功するよう、国際連合、仙台市その他
関係機関との緊密な協力の下、全府省庁一体となって外務省ほか
関係機関とともに準備を進めてまいります。
国土強靱化につきましては、昨年十二月、臨時国会におきまして強くしなやかな
国民生活の実現を図るための
防災・減災等に資する国土強靱化基本法が成立をし、施行されました。昨年のうちに国土強靱化推進本部の第一回会合を開催し、国土強靱化政策大綱を決定をいたしましたが、本年は、基本法及び政策大綱に基づき、本格的に国土強靱化を進めてまいります。
具体的には、今年の五月をめどとして、基本法に基づく国土強靱化基本計画を策定するとともに、地方
自治体が策定する
地域計画の策定
支援を進めてまいります。
また、国土強靱化施策をハード
事業だけではなくてソフト面も含めた総合的な
対策として重点化、優先順位付けを行い、民間資金の積極的な
活用等に留意しつつ進めてまいります。
以上申し上げましたとおり、
東日本大震災や一連の
災害からの迅速かつ円滑な
復旧復興と、これらの
災害を教訓とした
災害対策の一層の充実を実現し、
災害に強い強靱な国づくりを進めるため、大きな使命感と
責任感を持って全力を尽くしてまいる所存です。
竹谷
委員長を始めとする理事、
委員各位の格別の御指導、御鞭撻を賜りますようお願いを申し上げます。
以上であります。