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委員以外の議員(
薬師寺みちよ君) 山口
委員、ありがとうございます。これが最後のアピールタイムとなってまいりますので、よろしくお願いいたします。
今までの議論の中でも、産業歯科医、そして一般健診における歯科健診の義務化、これがどれほど重要なものなのかということは皆様方も御理解いただけたものと私は確信をいたしております。
しかし、今までの議論の中で大きな問題も提起がなされました。
島村委員より御
指摘をいただきました労働政策審議会安全衛生分科会の
委員の話でございます。
大臣からも労使で検討していただきという言葉が出ましたけれども、労使で検討できない
状況がここにございます。現在二十一名で構成されております。公益、
労働者、使用者、様々な分野の専門家から選ばれており、
医師は三名その中に入っておりますが、歯科医は一名もおりません。これでは
発議もできないんです。その重要性さえもそこで議論ができない。まずここからして変えていかなければならないんじゃないかということを私は提案をさせていただきたいと思っております。
その上で、今回、皆様方にも知っていただきたいことがございます。この
労働安全衛生法の成り立ちでございます。
労働安全衛生法というのは、元々、労働
基準法の第五章、いわゆる危険防止のための規定というものが
一つのこういう
法律となったものでございます。その前身はというと、鉱業法なんですね。ですから、
労働安全衛生と言われながらも、安全の方面というものはかなり重点的に
法律ができております。しかし、衛生といったものはまだまだ抜け落ちている。これは私、一人の産業医としても訴え続けていきたいところでございます。
ですから、
羽生田委員から御
指摘いただきました、勤務医そして開業医がこういう産業医という分野も担っている。産業医というのはそんなに簡単な仕事ではないんです。患者さんを診断するのとは全く別のスキルが産業医には求められます。もちろん、労働に関する
法律の問題、そしてその会社がどういう業務を担っているのか、人事制度はどうなっているのか、組織はどうなっているのか、社風は何なのか、ここまで全てを理解した上でないと本当に
労働安全衛生を守ることはできないんです。ですから、それを考えても、いかにもまだこの
労働安全衛生、特に
産業保健に対する理解というものが国民の中に浸透していないですし、まさに企業文化の中にも浸透していないということが御理解いただけるかと思います。
相原
委員からも御
指摘いただきました安全衛生
委員会の問題でございます。
私は様々な企業で産業医として働いておりますが、多くの企業では形骸化している、これが現実です。月に一回開かれればいいだろう、何となくそこでお茶飲み話をすればいいだろう、そんな現実を変えていかなければならないんです。
産業保健の重要性をどうか皆様方、再
認識していただきたいと思います。
そして、歯科、労働安全に関する問題、長期的なデザインで研究していくことが必要でございます。このように、じゃ、労働の中で歯科衛生というものを位置付ける上ですぐに成績が出てくるのか。それは違います。経済的損失、そして業務の効率化というものは、五年、十年、長いスパンでようやく成果が見えてくるものです。ですから、今年健診をやったから来年何かいいことがあるか、それが違うのが歯科の分野の特徴的なところでございます。
そして、高齢者の
労働者がますます企業にこれからは再就職する時代になってまいります。労働人口が少ないんです。高齢者の皆様方にも参加していただかなきゃいけないということは、高齢者の歯科口腔衛生を守るのも企業の大切な仕事となってまいります。その上で、世界から後れを取っているということもどうか御
認識をいただきたいと思います。
様々な企業のホームページを見ていただくと、CSR、まさに社会的責任の中で健康を樹立していく、そういう傾向がようやく
日本の中でも認められるようになってまいりました。しかし、
日本の中でのこの社会的責任という考え方、まだまだ浸透はいたしておりません。いかにもお尻をたたきながら長時間労働をさせる、その上で、ブラック企業なんかでも安全に長時間労働、過重労働をさせるための
法律であってはならないんです。健診であってはならないんです。一人一人が健康でありそして幸せに労働できるような環境を整えていくのがまさに今回の法
改正には求められていることではないんでしょうか。
そのために私は今回提案をさせていただきました、みんなの党として提案をさせていただきましたけれども、これは一歩にすぎません。世界では、チームを組みながら、専門家がチームを組みながら
労働安全衛生に取り組んでおります。
医師もそうです。歯科
医師もそうです。そして、御提案いただいたような
ストレスチェックをする、それは心理士、
国家資格を持った心理士がやっております。そして
保健師もそうです。様々な
職種が病院と同じようにチームを組んで産業の安全そして衛生に関わっていく、これが世界の今の流れでございます。
このような中で、今回、皆様方に援護射撃たくさん、与党野党問わずいただきまして、大きく議論が進んだものと私は今
認識をいたしております。まだまだこれが一歩目でございます。まさにビジョンを描きながらその世界に向かって歩み続けてまいりますので、どうか今後とも御議論いただきますよう、よろしくお願いいたします。