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津田弥太郎君 ありがとうございました。
今回、生活安定機能の充実のために
基本手当の改善、すなわち所定
給付日数と給付率の
見直しを求めた労働側に対しまして、
厚生労働省のまあ
事務方と言った方がいいんだと思うんだけど、
厚生労働省の
事務方のガードは鉄壁と言ってもいいくらいでございました。残念ながら、
厚生労働省の後ろというか上というか、当然に財務省の意向が強く反映していたわけでありまして、当然これは国庫負担の問題に入っていくわけでありまして、この国庫負担の問題というのは、後ほども
お尋ねするんですが、今回の
法改正は
基本手当の改善を行う一つの私は好機であったというふうに考えています。
現在の
基本手当の大枠というのは、
平成十二年の
法改正で取り入れられました。私の
出身組織の
JAMの先輩議員であります衆議院の労働
委員会の野党筆頭理事でありました故鍵田節哉議員が関わって
対応したわけでございます。あのときは、過去数年の
雇用保険財政が一兆円を超す単年度赤字の連続ということで、
積立金も底をつきそうになっていた。
平成十三年度の
予算が組めるかどうかというくらい厳しい財政
状況であったということを承知をいたしております。そういう中で、今後とも
雇用保険制度を維持するために、
労使ともに言わばやむなしという形で一定の決着を見たものだというふうに思います。
そういう経過があったということを私は決して忘れてはならないというふうに思うわけでありまして、もちろん
平成十二年度
改正で導入したこの求職者給付についての
離職理由による差異、これ、
離職前からあらかじめ再
就職の準備ができるような人に対する給付と倒産、解雇等により
離職した人、あるいは真に必要のある人に対しての給付とは明確な違いがある、こういう考え方というのは私は否定するものではございません。しかし、当時から
労働者一人一人の退職理由というのは人それぞれ、ケース・バイ・ケース。これ、白か黒かというのを分けるのは難しいんですよ。本当に難しい。
こういうこともあって、当時の衆議院の労働
委員会では、次のような附帯決議が採択をされました。これ、申し上げます。
倒産、解雇等による
離職者として手厚い所定
給付日数の
対象となる者の具体的範囲を決めるに当たっては、
離職の実態を十分踏まえつつ、中央
職業安定
審議会において明確な判断
基準を示し、その周知徹底を図るとともに、運用に当たっては客観的事実と
離職者本人の申立て、この両方に基づき、明確かつ合理的な判断を行うことという附帯決議でございます。
この客観的事実と
離職者本人の申立て、この二点が書かれているわけでございますが、これ以降、本当に真に
離職理由の見極めが難しい事例、これ、数多く発生しているわけで、退職者の中には相当につらい思いをされた、まあ建前と本音みたいなものの違いみたいなものがやっぱりどうしてもあるわけでございまして、私は、これまで
リーマン・
ショック以降の有期の雇い止めのように、
制度として特例を設けた、これは、今回の
雇用保険部会でも、賃金の不払、遅配、過重労働等によるやむを得ない
離職であるにもかかわらず、従来の特定受給資格者の
基準に該当せず自己
都合離職となっていた事例について、
基準の
見直しを行って特定受給資格者に位置付けることにした、これは評価をしたいというふうに思っております。
その上で、現在の
基本手当の
水準、それから給付の率、これに関して、
給付日数のセル一つ一つを含めて全く
見直しの必要がないのかといえば、決して私はそうではないというふうに思います。今回の場合は日切れ法案ということで、
審議会も時間的な制約があったことは理解をしております。どうしてもこの
雇用保険法の
改正というのは日切れでちょこまかちょこまかとやらざるを得ないというのは分かるんですが、しかし、やっぱり何年かに一回は
雇用保険のそもそもの在り方、そもそも論、基本論、これはやっぱりしっかり
議論すべきではないか、
労政審も含めて、私はそういうふうに思うんですが、このそもそも論に対して
田村大臣のお考えをお聞きします。