○武見敬三君
与党質問ではありますが、やはり緊張感のあるしっかりとした
議論をさせていただければというふうに思います。
まず最初に、順番を変えて、最初に産科医療補償制度についての運営の仕方、これをまず
大臣にお聞きしたいと思います。
この制度は、そもそも、
福島県の大野病院というところで産科の医師が実は逮捕されるという事件が起きて、結果としてこの産科医は全く無罪ということで、その逮捕されたこと自体が誤りだったということが明確になりました。そしてこの間、私どもの間で、やはりこうした産科医と、そして妊婦あるいは患者との間の信頼
関係というものをきちんと
確保していくための仕組みをつくらなければいけないと、こういう観点から、中立的な
立場で管理運営するこうした産科医療補償制度というものをやはり創設し、そして、脳性麻痺児が実際にお生まれになったときの補償をそこを通じて行い、それによってこうした訴訟というところにまで発展しないようにこれを抑制する仕組みをつくろうということでこの産科医療補償制度というものが発足したというのがその経緯で、実は私自身もこの制度発足に深く関わりました。
そして、それを五年後見直しということで今日見直すときに、出産育児一時金から三万円、これを実際に保険料として払っていただくという形で当初整えたものが、やはりまだ実際のそうした補償する額というものが定まっていなかったということが実際にはなかなかあるものですから、結果としてそれによってかなりの余剰金ができるんじゃないかというようなこともあって、改めて、じゃ、どのような形で補償の対象を考えるか、この補償の対象を広げようということで、
議論がこの五年後見直しの中で始まりました。
これに、病院評価機構という中立的な
立場のところに運営
委員会というのがあって、その運営
委員会というところでは実際に三十一週、千四百グラムというような結論をお出しになった。しかし、更にこれに加えて、関連する産婦人科学会を含めた、現場を理解し、かつ学問的な基盤のあるところの四つの学会、医会が代表者名でこうしたことを裏付ける申入れもされたと。こういうようなことがあって、実際に結果どうなったかというと、それは、今度は
厚生労働省の
社会保障審議会医療保険部会というところが厚生省の中では実際に
審議し、事実上その決定を行うという役割を担う形になって、結果としては、この三十二週、そして千四百グラムという形で落ち着いたという経緯があります。
ただ、こうした経緯を見たときに、果たしてこれで、しっかりとした形で病院評価機構というところでの中立性というものをしっかりとこれからも守りながら、そしてまた実際にその制度というものが更により効果的にこうした所期の目的をより確実に達成できるように考えなければならないということを考えた上で、いろいろな今
議論が持ち上がってきている。
しかも、その中で、医政局というところは、本来であればこうした現場の先生方やあるいは学会の
意見なども丁寧に最初からきちんと聞きながら上手に本当は調整をしていただければこの調整というものが恐らくスムーズにいったんだろうと思いますけれども、残念ながら、このいろいろいきさつを見ていますと、何となくぎくしゃくした感じで当事者間の間の
意見が最後までなかなかまとまらなかったというような経緯があった。
その結果として、じゃ、この在り方をもう一回見直そうというような
意見が出てきているようですけれども、それを改めて国の下で検討会を置いて行おうというようなことが言われている。だけど、これは、実は本来のこうした極めて中立的な
立場で管理運営しなければならないというその大前提の問題を実は損なう
可能性がある。したがって、国としても一定の距離をきちんと置いた形でこうしたやはり見直しをするならば見直しをするということでなければいけない。かつまた、医政局と保険局との間でもなかなか調整がうまくいっておらず、保険局の下における
社会保障審議会医療保険部会というようなところで保険局が主管している。しかし、実態は医政局で調整すると。こういうようなことも省内で実際にきちんと改めて見直さないと、実際にこの在り方についての
議論につながらない。
こういったような実に多岐にわたる複雑な問題を解決しなければならないということになってきているわけでありますけれども、私自身は、その保険局、医政局との調整の在り方、そしてそれを踏まえて、どのように中立的な組織としての病院評価機構の在り方をきちんと守った形でより効果的な運営の仕方というものを検討できるか考えなきゃいけないんだろうと。それは、常にその検討するときにも国が直接的に関わるような形でやるということは、実はその中立性を極めて侵す
可能性が高まるだけに、極めて慎重でなければならないと考えますけれども、
大臣のお考えはいかがでしょうか。