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政府参考人(
後藤収君) お答え申し上げます。
まさに先生おっしゃったとおり、様々な影響が出ているという
状況でございまして、特に
原子力発電所が止まって、そういう
意味では我が国は新たな
エネルギー制約の問題に直面しているというふうに思ってございます。
まず幾つかの例を申し上げれば、化石燃料の
依存度が上がって、現在、今、大体九割近くは化石燃料で
電力が賄われているわけでありますけど、中東で一たび事が起こったりすれば、それは大きな国内への影響があると。ある
意味でその影響をできるだけ下げるために化石燃料の
依存度を下げてきたわけでありますけれど、そういう
意味では今までの努力が全て消えてしまったというような
状況になっていると思っております。
それから、原発が止まりまして、化石燃料を大量に購入をするということで燃料費が増加してございます。これは、従来から説明させていただいておりますけど、化石燃料の燃料費が約三・六兆円増えているということで、これは国民一人当たり三万円の経費負担が増えている、それが国外へ流出しているというふうな
状況になっているということで、これは非常にゆゆしい問題だと思っております。
その結果、電気料金も当然上がってくるという
状況になっておりまして、電気料金が上がる
要因は必ずしもこれだけではない、つまり
資源価格が高騰しているというような問題も含めているわけでありますから、全て
原子力が止まったためだけだとは申し上げないんですけれども、震災以降、既に家庭用で二割、それから
産業用で約三割上がっていると、こういう現実をどう考えるのかというのは非常に重要な論点だというふうに思っております。
それから、今
お話がありました温室効果ガスでございますけれども、原発が動いていた時期、二〇一〇年度でありますけれど、それと比較しまして、二〇一二年度は約一・一億トンのCO2が増えておりまして、これは元々
基準年、一九九〇年が十二・六億トンという
状況から見ますと、
日本のCO2は大体約一割ぐらい増えているということで、今後、COP21で将来の目標を国際的に合意していこうという中で、
日本、どういうポジションでやっていくか、非常に難しい
状況になっているというふうに考えております。
それから、さらに今年の夏の
電力需給でございますけれども、昨年までは大飯の原発が動いていたりして、
原子力発電所が幾つかまだ残っていたわけでありますけど、今年の夏は、残念ながら
原子力発電所の
稼働が見込めない中で夏の需給を考えていくという
状況になってございます。
それから、特に九州
電力の松浦
火力発電所が一基長期停止という
状況になっているという中で、中西
日本の需給というのが予備率が二・七%ということで、私どもが
基準としている三%を下回るという
状況に今なってございます。それを、東西の周波数変換所というところで五十ヘルツを六十ヘルツに変換するということをして、東京
電力から電気を供給するということで、かつかつ三%まで達成できるという
状況にはしたいと思っております。でも、それでも、一たび事が起これば非常に重要な状態になるということで、需給自身についても非常に予断を許さない
状況になっているというふうに考えております。
それから、
原子力発電所の
立地自治体等についても、
原子力発電所に経済が相当程度依存をしていたというふうに思っておりますので、そのような
地域がある
意味では
産業について非常に疲弊をしているという
状況は私どもも看過できない
状況だと思っておりまして、できる限りの支援などもしていきたいというふうに考えております。