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平野達男君 私の
質問にはちょっと、ほとんど答えられていないんですけれども、私がお聞きしたのは、
日本の地質とユーラシアのような、特に北欧の地質とどう、何が違うかということなんです。
日本には、まず沈み込み帯というのがありますね、要するに四つのプレートがぶつかっていますから。だから地震もある。
先ほどありましたけれども、火山があります。火山があるから、
日本には、東北地方には火山フロントというのがきれいにできています。それから、
真山委員の中に先ほど九州のちょっと図面が出てきましたけれども、九州にも阿蘇山からずっと鬼界島の方にかけて火山フロントがきれいにできています。きれいにというのは言葉はおかしいんですが、いずれ相当地震があるということですね。
それから、あとはもう
一つはフォッサマグナ。
日本はあちこちごつごつぶつかっていますよね。フォッサマグナはもう御案内のとおり、伊豆半島がぶつかってあそこに亀裂ができて、あそこにフォッサマグナができていますから。北海道では、千島から要するにどかんと日高半島に陸塊がぶつかって日高の山脈ができているわけです。
それから、中央構造線ってありますね。
委員長はもう原子力専門ですから、余り地質についてはお詳しくないのかもしれませんけれども、中央構造線というのは何かといったら、
日本列島が要するに横ずれを起こしているわけですよ。
日本列島というのは、大体、四紀といって、二百万年前ぐらいのところから造山運動が始まっています。だから、御案内のとおり、中央アルプスはまだ年間何ミリという割合で上がっていますね、隆起していますね。
もっとひどいのは、もっとひどいというか、新潟県なんというのは活褶曲帯というのがあるんですよ。今日は本当は
田中委員長にお聞きしたかったんですけど、今の基準だったら、柏崎
原発なんか、あんなの、私、造れないんじゃないかぐらい、あの辺りは地震の巣ですよね。物すごいあの地域は南と北から圧力を受けているんです。だから、圧力受けているから山脈がこんなぐじゃぐじゃになっている。それは航空写真見れば分かります。
それぐらい、何を言いたいかというと、
日本というのは若いし、まだ動いているんです。それから、亀裂が物すごいある。亀裂が物すごいあるから、どこを掘ったって水がいっぱい出てきます。ちなみに、地層三百メートルというのは何で決めたかというと、釈迦に説法ですけれども、三百メートル掘って仮に
地下水あったとしても、
地下水あったとしてもですよ、少ないだろうと。それからもう
一つは、酸素が含まれていないだろうというのが理由なんです。だから、今一生懸命になって岐阜県とか北海道でいろんな穴掘ってやっていますけれども、酸素が含まれているか、pHがあれかということで今やっているわけです。
で、平成十二年にいわゆる特定
放射性廃棄物の
最終処分に関する法律ができました。できて、そのときに、再処理を前提とした
地層処分って法律で決めちゃったんです。だけど、あのときの後に三・一一が起きたんです。三・一一起きて私らが何を考えたか。
日本の地質というのは思った以上に大変だなということですよ。だから私は、この
地層処分ということ自体もう原点に立って考えなくちゃならないんじゃないかという今思い持っています。東海、東南海の四連動なんかは、物すごい確率で、かなり高い確率で地震が起こると言われている。津波もどうなるか分かりません。
だから、何が言いたいかというと、
日本はそれだけ複雑になっていて、今言った火山フロント、フォッサマグナ、中央構造線、活断層、まあ活断層はひょっとしたらオンカロに多少あるかもしれません。今、氷河が解けてちょっと盛り上がっていますから、多少ずれることは懸念されているというのは聞いたことがあります。それから、あとは活褶曲帯。こんなのないですよ、向こうは。全部
日本にあるんですよ。
そういう中で、
技術が確立されているなんというのはとても私は言えないと思う。
技術が確立されていないから、今掘って、他の国にはない状況の中でいろんなことを検討せないかぬ。これは恐らく、これからオンカロでも、ビュール、フランスですか、是非地質の構造の比較をやってください。経産省の出すやつとか
原子力委員会さんの出すやつも、いろんな外国で
地層処分やっています、やっていますと言いますけれども、どれ
一つ取って
日本の地質と諸外国の地質を比べたやつはないんです。この認識を持つか持たないかは、三・一一の東
日本大
震災の教訓をどうやって生かすかに懸かっているというふうに思います。
演説ばっかりして申し訳ございません。何を言いたいかといいますと、私は、申し訳ありませんけど、
原子力委員会も経産省も、平成十二年に
地層処分という法律作っちゃっていますから、やらにゃいかぬというベクトルが働いていると思います。それはそうです、一万七千トンも要するに使用済
燃料があって、二万五千個のガラス固化体が、二万五千ものガラス固化体ができるということになっているから。そうなんですけど、そういったベクトルから外れて、
地層処分がどうするかというのは、多分原子力
関係者要らないですよ。放射線の専門家も要らないです。純粋に地質的な観点から自立的な
委員会をつくってそこに検討させるということが一番いいと思います。それを
委員長から是非提案していただきたいと思いますけれども、ただ、
委員長のポジション上、なかなかそれできないでしょうね。そんなこと言った途端に、もう代えてくださいみたいな話になるかもしれないから。
ただ、私は、本当に
地層処分というのは、
原発の問題じゃないです、純粋に地質学的、それから工学的、それから材料学的、そういう問題だと思います。だから、そういったものから全部離れて、本当にニュートラルな立場に立って検討する
委員会を是非提唱していただきたいと思いますし、学術会議も実はそれ提唱しているんですね。
ちょっとその辺、簡単でいいですから。済みません、長々としゃべりまして。