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白眞勲君 私は、ただいま可決されました
日本国憲法の
改正手続に関する
法律の一部を
改正する
法律案に対しまして、自由
民主党、
民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・結いの党、みんなの党及び新党改革・無所属の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
日本国憲法の
改正手続に関する
法律の一部を
改正する
法律案に対する附帯決議(案)
一、本
法律の施行に当たり、
憲法審査会においては、
主権者たる
国民がその意思に基づき
憲法において国家権力の
行使の在り方について定め、これにより
国民の基本的人権を保障するという
日本国憲法を始めとする近代
憲法の基本となる
考え方である
立憲主義に基づいて、徹底的に審議を尽くすこと。
二、本
法律の施行に当たり、
憲法審査会においては、
日本国憲法の定める
国民主権、基本的人権の尊重及び恒久平和主義の基本原理に基づいて、徹底的に審議を尽くすこと。
三、本
法律の施行に当たり、
憲法審査会においては、
日本国憲法の定める
憲法の最高法規性並びに
国民主権及び
間接民主制の
趣旨にのっとり、
立法措置によって可能とすることができるかどうかについて、徹底的に審議を尽くすこと。
四、本
法律の施行に当たり、
政府にあっては、
憲法を始めとする
法令の
解釈は、当該
法令の規定の文言、
趣旨等に即しつつ、立案者の意図や立案の背景となる社会情勢等を考慮し、また、
議論の積み重ねのあるものについては全体の
整合性を保つことにも留意して論理的に確定されるべきものであり、
政府による
憲法の
解釈は、このような
考え方に基づき、それぞれ論理的な追求の結果として示されたものであって、諸情勢の変化とそれから生ずる新たな
要請を考慮すべきことは当然であるとしても、なお、前記のような
考え方を離れて
政府が自由に当該
解釈を
変更することができるという性質のものではなく、仮に
政府において、
憲法解釈を便宜的、意図的に
変更するようなことをするとすれば、
政府の
解釈ひいては
憲法規範
そのものに対する
国民の信頼が損なわれかねず、このようなことを前提に検討を行った結果、従前の
解釈を
変更することが至当であるとの結論が得られた場合には、これを
変更することがおよそ許されないというものではないが、いずれにせよ、その当否については、個別的、具体的に検討されるべきものであると
政府自身も
憲法の
解釈の
変更に関する審議で明らかにしているところであり、それを十分に踏まえること。
五、本
法律の施行に当たり、
政府においては、前項に基づき、
解釈に当たっては、
立憲主義及び
国民主権の原理に基づき、
憲法規範
そのものに対する
国民の信頼を保持し、かつ、
日本国憲法を国の最高法規とする法秩序の維持のために、取り組むこと。
六、本
法律の施行に当たっては、
憲法の最高法規性及び
国民代表機関たる
国会の国権の最高機関としての地位に鑑み、
政府にあっては、
憲法の
解釈を
変更しようとするときは、当該
解釈の
変更の案及び第四項における
政府の
憲法解釈の
考え方に係る原則への適合性について、
国会での審議を十分に踏まえること。
七、
選挙権年齢については、民法で定める
成年年齢に先行して本
法律の施行後二年以内を目途に、
年齢満十八年以上の者が
国政選挙等に参加することができることとなるよう、必要な法制上の措置を講ずること。
八、
選挙権年齢に係る法制上の措置の検討に際しては、
憲法前文において
国民主権と
間接民主制の原理をともに人類普遍の原理として位置付けていること等を十全に踏まえて取り組むこと。
九、
政府は、
憲法改正国民投票の
投票権を有する者の
年齢、
選挙権を有する者の
年齢、
成年年齢等が「満十八年以上」に引き下げられる場合、
国民に対する
憲法改正手続や
国民投票制度について、より一層の周知啓発その他必要な措置を講ずるものとすること。
十、
政府は、遅くとも本
法律の施行の四年後には
年齢満十八年以上の者が
憲法改正国民投票の
投票権を有することとなることに鑑み、学校教育における
憲法教育等の充実及び深化を図ること。
十一、
政府は、公務員等及び教育者の地位利用による
国民投票運動の規制について、表現の自由、
意見表明の自由、学問の自由、教育の自由等を不当に侵害することとならないよう、ガイドラインを作成する等、禁止される行為と許容される行為を明確化するための必要な措置を講ずること。
十二、公務員等及び教育者の地位利用による
国民投票運動の禁止規定の
違反に対し罰則を設けることの是非については、今後の検討課題とすること。
十三、地方公務員の
政治的行為について国家公務員と同様の規制とすることについては、各党の担当部局に引き継ぐこととすること。
十四、
政府は、本
法律の施行に当たり、
国民投票運動を行う公務員に萎縮的効果を与えることとならないよう、配慮を行うこと。
十五、本
法律の附則第四項に定める組織により行われる勧誘運動等の公務員による企画等に対する規制の在り方について検討を行う際には、その規制の必要性及び
合理性等について十全な検討を行うこと。
十六、
国民投票運動が禁止される特定公務員の
範囲については、適宜検証を行うこと。
十七、一般的
国民投票制度については、本
法律の附則第五項の規定を踏まえ、
国会の
発議手続、
国民投票の手続、効力等に関し、
憲法審査会において検討し、結論を得るよう努めること。
十八、最低
投票率制度の意義・是非の検討については、
憲法改正国民投票において
国民主権を直接
行使する
主権者の意思を十分かつ正確に反映させる必要があること及び
憲法改正の正当性に疑義が生じないようにすることを念頭に置き、速やかに結論を得るよう努めること。
十九、テレビ・ラジオの有料広告については、公平性を確保するためのメディア関係者の自主的な努力を尊重しつつ、
憲法改正案に対する賛成・反対の
意見が公平に扱われるよう、その方策の検討を速やかに行うこと。
二十、本附帯決議で新たに付された項目を含め、
日本国憲法の
改正手続に関する
法律制定時の附帯決議については、改めてその
趣旨及び内容を十分に踏まえ、各項目を精査し、その実現のために必要な措置を講ずること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ
委員各位の御賛同をお願いいたします。