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西村まさみ君 ありがとうございました。
〔理事熊谷
大君退席、
委員長着席〕
どうしても私、専門が医療、
大臣御承知かどうか、私も歯科医師でございますから、医療とか国民の、偏ったところでプログラム法というものを捉えがちだったんですが、電事法なんかもこれやはりプログラム法だと思っています。ですから、様々なところで是非中期目標を立ててそれに向かってやっていく、そしてその中で、その時々の状況は時の政権がしっかり判断するという中で、議論はやはりどういう立場でもしっかりしていかなきゃいけないということで、何か今後あったときにはそのときそのときの
対応を
大臣には是非今の思いと同時にお願いをしたいと思います。
次に、社会保障の抑制路線についてお尋ねします。
先ほど申しました、私は歯科の開業医であります。医療の関係者の一人として今回の診療報酬改定、非常に圧倒的な
財務省主導で行われたような気がしてなりませんし、例えば今回の予算編成に当たっても、
平成二十五年の十一月二十九日に答申された財政審の中でも、
平成二十六年度の予算編成等に関する建議でも社会保障補論をわざわざ起こして、医療費の自然増、本体と薬価のそれぞれの診療報酬改定についての合理化とか、例えば効率化とかいうことを十ページにわたって論評されているんです。例えば、この財政審六十八ページに書いておるのは、「医療経済実態
調査の結果が公表され、医療機関等の経営状況は、全体的には「増収・増益」であり、給与も含め改善傾向にあることが明らかになった。」と書いてあるんです。
私は、実際に携わっている者として、必ずしもそうなのかなと。ただし、この実態
調査というのは間違いないことでしょうし、そういったところも平均して全体的に見ればあるんだということは十分に理解します。
しかし、どうしても心配でならないのが、後でもちょっと触れますが、小泉総理時代の診療報酬の本体のマイナスの一・三六%、薬価等の改定で更にマイナス一・八、合計でマイナス三・一六%と、過去最大のマイナス改定を行った二〇〇六年の診療報酬改定を含む一連の医療費抑制の集大成が、二〇〇六年医療制度改革の影響でいわゆる地域医療の崩壊につながったというふうに私は思っています。
その後、様々な、政権交代やいろんなことがありました。二回の、前回と前々回、そしてその前の福田
内閣のときの診療報酬改定では、僅かでも、大変状況が厳しい中でもプラス改定を行っています。その過去のマイナス分がまだ全体的に取り戻せていないんですが、三回にわたってちょっとずつプラス改定にしていったところで、どん底から比べれば若干の増収とか増益があるんだというようなのが今回の実態
調査の結果なんだと思っているんです。例えば、私たちで言わせてもらうと、介護士とか歯科衛生士とかコメディカルスタッフは非常に不足していて、特に
競争力の激しい都心とまた地方とはいろいろな問題でいろんな
意味で差があります。
今回、四月から消費税の三%引上げとデフレ脱却の
政府目標から、賃金の引上げということ、これは総理も各方面でおっしゃっていました。ですから、私は、この今回の診療報酬改定は、消費税が三%上がる分、これは医療機関にとって損税と言われている仕入れですとか、例えば技工代とか、様々なところで損税となっている部分の補填をきちっとしてもらうということ、これは診療報酬の中でやりますと言っていたわけですから、きちっとその分は基本診療料と言われている初診とか再診でやってほしいと。それからもう一点は、総理が各方面で言っている賃金を上げるということを、我々も、診療室に勤務している、病院に勤務している人たちに対してやるためには、きちっとそこで手当てをしてもらわなきゃいけないということ。もう一方で、二年ごとの改定で、今までどん底からやっと上がってきたんだから、今だからこそマイナスにしないで、続けて地域医療の崩壊につながらないようにしていくことが必要だという、その三点でお願いをしたんです。
ところが、なかなか現状そうはいかない、大変厳しい中で今回の診療報酬改定がありました。
私は、自分が開業をしている東京中野区、そして
大臣の地元であり私の地元にもなりました飯塚市の歯科医療機関にちょっと尋ねてみました。独自の
調査ですから、これが全てというわけではありませんが、ちょっと
大臣の頭の中に是非入れておいていただきたいのは、この四月から定期昇給を除く賃金アップを行うことができたかできないかということをお尋ねしました。私のクリニックがある中野区では、四二%は何とかやりくりでアップしたが、非常に厳しいと。五八%はできていないと。これは、先ほど申しました都心部では、求人、人手が足りないので、賃金をアップして
確保するということもあるということが後ろにあると思います。それから、飯塚では賃金アップできたのは何と一八%で、八二%の診療所ではやはりできていないと。これが今の開業医である診療所の実態なんだと思います。
何とかこの辺のところを御理解いただきまして、
大臣におかれましては、自然増を含めた増加というもの、これは一義的には診療報酬の
コストというものはいろいろなもので言われています。例えば、診療報酬が上がれば、医療機関の収入は増加しても必ずしも患者である国民のメリットにはならないとか、むしろ医療費が増加することによって現役世代の税の負担とか将来世代への負担のツケ回しを増加させるんじゃないかと、いろいろなことをやっぱり心配されていらっしゃるわけです。これは、私たち医療に携わる者だけではなくて、多くの国民が、病気になったとき、それから介護が必要になったとき、どこに視点を持ってしっかりやっていかなきゃいけないかということが大きな問題だと思っています。
それで、先ほど言いましたように、今回の診療報酬改定というものが、小泉政権のときの社会保障の抑制路線がもう一度再燃するのではないかと。あのときは、
平成十八年七月の閣議決定の骨太の方針二〇〇六で、五年間で一・一兆円ずつ、年間二千二百億円ずつカットするということを行いました。その結果が、先ほど来申し上げているような医療の崩壊ということ、特にこれは全国的に、都心とか地方とか関係なく、産科とか小児科、救急医療では医療機関も足りない、医師も足りない、そして全国の小さな診療室は閉院せざるを得ないということで、一番身近なところで医療にかかることができないということを招いたのだと思っています。
是非、当時から
総務大臣や
外務大臣として支えていらっしゃいました
麻生大臣としては、今回の診療報酬改定等、含めていただいてももちろん結構なんですが、社会保障
政策というものをどのように評価されて、今後はどのようにしていかなければいけないという御見解がもしありましたら教えていただきたいと思います。