○荒井広幸君 荒井でございます。
今日は、超原発社会、今の原発社会を超えていく、超えたところにあるあるべき社会ということで、骨太方針、成長戦略に盛り込んでいただきたいという
意味を込めて、今日は三十分いただきましたので、最後の、この二
段階目の電事法の
改正でございますので、少し提案型で申し上げたいというふうに思います。
電力供給をめぐっては、原発事故も含めてパラダイムシフトに直面しています。安く安定的な
電力供給を達成するために、これまでは
料金規制、総括原価方式と
地域独占という手法を用いてきたわけです。しかし、
国民に開かれた
電力システムの下で、
事業者や
需要家の選択や
競争を通じた創意工夫によって実現する方策が
電力システム改革であり、それを具体化するのがこの電事法の
改正ということでありますので、私は
一定の賛意を表する次第でございます。
若干主眼が
供給サイドに置かれ過ぎておりまして、
事業者側に置かれ過ぎておりまして、せっかく先ほどのように
電力システム改革専門
委員会報告書にあるように創意工夫というところが、枠がはまっているような感じがして残念であります。もっと手の届く夢があっていいのではないかと思います。
そこで、私はまず、プロシューマという、前回も出しましたが、この概念でこれらのことを
考えてみたいと思います。
プロシューマは、プロダクトとコンシューマーがくっついた造語でございまして、
大臣からも以前もお話がありました。一人一人が需要と
供給、需給者になる、
電気を作り消費するという形になるわけなんですね。このプロシューマ型
エネルギー経済社会を構築していくべきだと私は
考えておりまして、これがポスト原発事故、福島原発事故ポストですね、にあるべき社会の中核的な概念にプロシューマがなって超原発社会というのができるだろうと、このように
考えているわけです。
そこで、今ほども
大臣と
委員から議論がありましたが、この脱原発等々について
考えてみますと、脱原発かあるいは
再生可能エネルギーか、はたまた再稼働か脱原発か、こういろんな二極化した議論が行われているんですが、一遍ここから距離を私は置きたいと思っております。距離を置くといろいろ解決策が見えてくるからでございます。
まず、脱原発、原発を脱ぎ捨てても、それに取って代わる新しい服が必要だと
考えています。しかし、その服が
再生可能エネルギーであると言えるまでには至っていない現状が当面続くと認識しています。あるエリア、スマートエリアの中で、当面、ベース電源を過渡期としては内陸型のガスコンバインドサイクル発電が担わせたらよいと思っていますし、この過渡期をそうした、化石燃料ではありますが、こうした安定的で低廉な実用化できる技術、最先端のものを使いながら、まだ不安定である風力や太陽光など、これらが、蓄電池の開発も含めて、
再生可能エネルギーが大宗を成すまでにこれを使っておくべきだ、このように思うわけです。
従来からの発電企業、
事業者から
電気を調達するのでは、というやり方、
考え方はもう限界だと思っています。プロシューマの
考えは、発電する企業から買うのではないんです。自分が、地産地消でいえば、自産自消なんですね、自ら作り、自らが節約し、自らの判断で選択し、自らが使っていく、これが二十世紀以来のいわゆる産業革命の
考え方でいう資産家で提供側とそれを使う側、
消費者側というこの二極分解、この問題さえも解決していく、そういう
意味で、搾取や格差のない、昔みたいな言葉でいうと搾取がない、現代でいうと格差のない社会を創造することになっていくんだと思うんです。
こういう価値革命に今回の
電気事業法の
改正は、その価値まで変えていくという思想、哲学でこの
法案を是非発展させたいというふうに思っているわけです。そこに今、逆に言えばチャンスに我々はいるわけです。結果的には、このようにやっていけば早期原発ゼロを達成することになりますし、この社会こそは超原発社会になっていきます。
例えば、メガソーラー。先ほどの解説をいたしますと、メガソーラーの場合は、結局、太陽光発電の企業が
消費者に売るということですから、資本家が
労働者に
電力を提供し富を得るというような構図と似ているわけですね。そして、お金を持っている人たちは、自らソーラーパネルを付けられない人も含めて
消費者からFITで、高いお金で約束されてそれを付けているということですから、全く二十世紀型の政治手法を、ドイツ型を我々は学んでそれを取り入れた。しかし、もうこれと決別する時期だろうというふうにも思います。こういうところに
電気事業法の
一つの改革の意義を見たいと思っているんですが。
次に、
エネルギー基本計画でも、原子力発電への依存度については可能な限り低減させるとの方針は、
方向は示されています。だからといって、原発再稼働もやむなしという論法には私はくみできません。可能な限り低減させるという、その本気度を私は非常に疑うんです。なぜかというと、あらゆる手段を講じるという強い決意がもう一歩感じられないからです。しかし、この
法律によってそういうことの
可能性が出てきた。ここに私は期待をいたします。自らが
電力をつくり、自らが消費し節約する、その余剰分は
地域、スマートエリア内で分かち合い、助け合って無駄なく利活用するプロシューマ型
エネルギー経済社会をつくっていきたいと、このように思っております。
では、具体的に申し上げていきたいと思います。
今、大規模集中型が九六%ですね、キロワットアワーベースで。残りがいわゆる分散型と言われる四%です。四%のうち一%が太陽光と風力で、三パーがコジェネに当たるものです。ということは、九六%、よく見てみますと、ピーク対策で老朽火力発電を持っていました。これがフル活動して今支えているわけですから、不安があるのは当然ですが、一九七九年以降は石油火力ができていませんから、三十五年間経過した老朽化しているものというものがたくさんあるわけです。最近の発電
電力量の九割近くを占める火力発電の中で約二割がこの老朽火力ということです。ここを切り替えるんです。ダウンサイジングできるところですから、これをディマンドサイドに変えるというかプロシューマ型に変えるというか、置き換えをしていく、これが非常に現実的だろうというふうに思います。
そこで、
質問に移らせていただきます。
電力小売全面自由化となると、火力発電事業への
参入は増えると予想されます。今後の最新発電機能は、はるかに排出量、CO2排出量を抑制できますが、温室効果ガス排出量は新規分は増えるわけですね、どこかを潰さない限り。それで、今まで大手
電力会社の新設を認める場合は自前の老朽火力を稼働させないということで調整をしていたという例があるんです。
最近、報道によれば、環境省が
新規参入事業者、これはガスコンバインドサイクル発電をしたいという九州の
事業者だそうですが、
新規参入事業者に対して、環境影響評価、いわゆるアセスメントに対する配慮書の
意見として、環境省が老朽火力発電所を持つ別の大手の
電力会社と協議をしてうまくいったら新設を認める、こういうことになっているわけです。
こうなりますと、環境負荷を低減させつつ
エネルギー源を高効率な
電気に置き換える仕組みに転換していくというのはすごく難しくなると思います。既存会社にとって
新規参入会社はライバルとなります。その
新規参入会社はとにかく
参入したいという、お互いに相反
関係にあります。この調整をうまく付けるルール、枠組みを
整備しないと、今、現状起こっているような問題でどうにもならなくなるということが起きると思いますが、
経済産業省の担当者の
考えを聞かせてください。