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参考人(
廣瀬直己君) お答え申し上げます。
先生御
指摘のように、現状、
東京電力の
経営課題はたくさんございますし、その
一つ一つが大変難しい
課題だというふうに認識しておりまして、それを我々もしっかり直視した上で、今大変厳しい
経営課題ではありますけれ
ども、それに向かって
一つ一つ進めていこうということでございます。
具体的に幾つか御
指摘ございましたので触れさせていただきますと、まず、この夏の柏崎刈羽
原子力発電所の再稼働という御
指摘ございましたけれ
ども、これは改めて申すまでもなく、新しい
総合特別事業計画におきましては、その収支を計算する上でいつ、何月からという仮置きをさせていただいておりますが、もとより再稼働につきましては、私
ども今、柏崎刈羽の六号機、七号機を規制庁、規制
委員会に新しい新規制基準の適合性の
審査をお願いしているところでございますので、まずはしっかり
審査に
対応して、私
どもとしてしっかりいろいろな御
質問なりお申出に対してお答えしていくということだというふうに思っております。もちろん、その上で、同時に、立地地域の皆様には私
どもがこれまで柏崎刈羽に施してきたかなりの安全
対策についてもしっかり御
説明をして御
理解をいただくようにしていかなければいけないというふうに思っておりますので、まずはそうした努力をしっかりしていくということだというふうに思っております。
それから
二つ目、
賠償が確かにこれからも増えていくのではないかという御
指摘、これは基本的には、その
損害が、
原子力事故起因によって
損害が継続する以上、私
どもがしっかりそれを
賠償していくという考えでございますので、逐次、新しい
損害の
状況であるとか、あるいは紛争
審査会において新しい追補が出る等々に応じて
損害額の見直しはしていかなければいけないと思っておりますが、これも併せて、新・
総合特別事業計画にしっかり明記されているところでございますが、最後のお一人までしっかり
賠償を貫徹するという基本的な考え方に基づいて、額はそれはもちろん増える
方向にあるとは思いますけれ
ども、これは
原子力損害賠償支援機構の方から
賠償資金については融通いただいておりますので、これについてはもちろん後で返さなければいけないわけですが、時間的な猶予もございますので、まずはとにかくしっかり
賠償を最後のお一人まで貫徹するということだというふうに思っております。
それから、
金融機関からの協力、これも全く御
指摘のとおり大変重要な部分でございます。
事故以来、私
ども、借換えが来たときに、またそれを続けて与信を継続していただくなり新しい新規の与信をいただくなりということで、それでお願いをさせていただいてきておりますけれ
ども、今後もしっかり
金融機関の皆さんにも御協力をいただいてそれについてはやっていかなければいけませんが、一方で、
金融機関さんとしても当然私
どもの
財務状況に照らして与信をいただくわけですから、しっかりとして、それにお応えできるような
財務基盤をしっかりやっていかなければいけないというのはもう申すまでもないと思っておりますので、そうしたことをしっかり整えながら
金融機関さんに御協力を引き続きお願いするということだというふうに思っております。
それから、
廃炉並びに
汚染水対策に関する費用でございます。これも、先生御
指摘のように、今現在で見積もっている額で全部収まるかということは、今現在での見積りでございますので、この先三十年、四十年の間に当然そうした金額も変わってくるということは十分考えられるわけですが、現在、会計上ですが、私
ども引当金を一兆円近く積んでおりまして、実際そのうちの三分の一ぐらいが使われております。また、もちろんこれでは恐らく足りないということになりますので、新たに今後十年間で一兆円ぐらいのお金をしっかり確保して、まずはとにかくそれで、お金がないので必要な
対策が取れないというようなことは決してあってはいけないというふうに思っておりますので、まずはこうした手元の資金をしっかり確保をして必要な
対策について十分な資金が活用できるような形に整えていくということだというふうに思っております。
それから最後に、先生御
指摘のように、そうしたことをやりながら、一方で競争、自由化の中で競争していかなければいけないというのは全く御
指摘のとおりでございますので、大変厳しい
状況の中で私
どもは競争していくということでございますが、一方で、電気
事業においては、引き続きお客様から
東京電力から電気を買いたいというふうに選んでいただかなければいけないということでございますので、様々なお客様サービスなり、それから、これからスマートメーター等々で新しいサービスも提供していくことが可能になりますので、そうしたことを通じてお客様から引き続き選ばれて、そうしたことによって
東京電力の体力が少しでも改善をし、その体力を使って
福島の
責任を様々、先ほどから申しました様々な
責任を果たしていくという構造だというふうに考えておりますので、それを、別々のことでなくて
一つのことなんだという、こちらで頑張ってやることがまたこちらにも頑張れるのだということを社員一同しっかり心に刻んで今当たっているところでございます。
ちょっと長くなりましたが、そうした中で、この三月に終わりました平成二十五年度の決算では三年ぶりに黒字を、経常黒字を達成することができましたので、これ、だからといってずっと安心できるということではございませんので、引き続きしっかりと
対策を取って、基本的には新しい
総合特別事業計画に諸々の
対策については今もう盛り込まれておりますので、これからはそれをいかにしっかり実行していくかということだと思っておりますので、しっかり気を引き締めて、社員一丸となってやってまいりたいというふうに思っております。