○
竹谷とし子君 公明党の
竹谷とし子でございます。
大臣所信への
質疑をさせていただきます。
地球温暖化対策と
循環型社会の実現について、具体的なテーマを絞って
質問させていただきたいと
思います。
現在、多くが焼却処理をされている生ごみのバイオガス化、これに着目して
調査を重ねているところでございます。生ごみは燃やすごみの総量の大体三分の一ぐらいを占めると言われています。この生ごみを焼却しないで、
エネルギー源としてバイオガス化して発電する、そういう
事業が行われ始めているのは
環境省も御承知のとおりだと
思います。
例えば新潟県の長岡市、全
市民がこれまでも徹底して
廃棄物の分別収集に取り組んでこられましたが、更なる低
炭素社会の構築と再生可能
エネルギーを進めるために、官民連携で全国最大規模の生ごみバイオガス発電センターを稼働させました。これによって、CO2の排出は年間二千トン
削減できると資料にあります。
また、これと別に、同じ新潟県でございますけれども、村上市にある民間
企業では、温泉旅館から出る生ごみ、これを回収して家畜のふん尿などと混ぜてバイオガスを生産し、固定価格買取り
制度を利用して全量を売電、そして同時にできる熱をハウス栽培に使っています。こちらは小型なんですけれども、年間約八百五十トン、CO2
削減できるとされています。
生ごみを始めとする
廃棄物のバイオガス化、これは温暖化
対策として非常に有用であると
思います。メリットは温暖化
対策だけではありません。燃やすごみの量が減ることで、焼却炉や処分場の更新時期を延長できる可能性もあります。また、生ごみはプラスチックなどに比較すると水分を多く含んで燃えにくい。したがいまして、ごみ焼却時の補助燃料、都市ガスや重油といった燃料が余計に掛かるわけでございますが、この生ごみを燃やさない、生ごみを減量することによって燃焼率が
向上されて燃料費の節約にもなりますし、ここでCO2も
削減される、そして住民と自治体の負担もその分減るということになります。また、化石燃料の輸入の減少が生ごみのガス化施設の
設備投資に置き換わるということになりますので、輸入で国外に流出していたお金が
日本国内の
産業、雇用の創出に回るという大きな経済
効果もあると
思います。
しかし、自治体が取り組む、また民間
企業が取り組むに当たってハードルが非常に高いです。そして、それがゆえに
普及していないという問題があります。今、
廃棄物の処理施設が老朽化して新規に建て直すというところが各地でありますが、このごみの分別行うことの難しさや回収コストの問題で、生ごみのガス化、検討してもお金が余計に幾分掛かってしまうということで見送られる、これまでどおり全量焼却と。温暖化
対策の
効果など十分検討されないままそれが決定してしまうということが今少なくないと
思います。非常にもったいないことであるというふうに私は
思います。
環境省でも費用対
効果の
調査研究行われています。生ごみのガス化、特に乾式メタンの施設については経済的にも大きなプラス
効果があるということが示されています。勉強させていただきました。しかしながら、残念なことに
国民の
皆様の多くはこのことを知らないと。知らないがゆえに、ごみの焼却炉の話になると必ず反対運動というものが起きてきます。現場でもお聞きしたんですけれども、反対をされていた方が、もしそういうやり方があるのであれば、私
たちの行動の仕方は単に反対ということにならなかったと思う、
是非生ごみを分別回収してガス化に利用してもらいたいというふうに行動が変わったと思う、そういうお声もありました。
そういう
意味で、市町村や一般
市民向けに、どんなやり方があるか、そしてどんな
効果があるか、もう既に好事例が出ていますので、それを分かりやすく
環境省のホームページで紹介するなど周知を図っていただきたいと
思います。いかがでしょうか。