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大臣政務官(
牧野たかお君) お答えをしたいと思います。
まず、この準備会合において
中国、ロシアからの核兵器保有の報告が明確にされていないというお話でございますが、核軍縮を進める上では、核兵器をどれだけ所有しているかというようなことを明らかにする核戦力の透明性の向上というのは必要不可欠な要素だと考えております。
二〇一〇年のNPT行動計画において、核兵器国は、核軍縮
措置を報告するためのフォーマットである標準報告フォームというのに合意することが求められました。これを受けて、
我が国を含めますNPDIは、これまで五か国の核兵器国に対し標準報告フォーム案を提示して、意味のある情報を報告に盛り込むように求めてまいりました。
その結果、第三回の準備
委員会において、五か国の核兵器国は、統一された構成に基づいて各国の核政策、核兵器の
状況や核軍縮
努力に関する報告を行いました。
今回の報告の内容について、藤末
委員が御指摘したとおり、各国による報告
状況にかなり差異があったことは事実でありますが、統一した構成に基づいて報告書を提出したこと自体は一応の進展として評価すべきものと考えております。
ただ、今申し上げたみたいに、まだ各国の報告
状況には差異があるといいますか、不十分なところがいっぱいあるかということも分かります。この課題が十分に達成されるように、これから
我が国としては引き続き改善を求めていく考えであります。
もう一点の中東の非大量破壊兵器地帯に関する
国際会議の話でございますが、中東を大量破壊兵器のない地域にしようという目的で開かれるはずだった
国際会議は、開こうとすることが決まったことはあの二〇一〇年のNPTの運用検討会議の大きな成果だと思いますが、残念ながら予定されておりました二〇一二年には開催ができず、延期となりました。しかし現在も、仲介者と言われるファシリテーターを始め
関係者、
関係国が非公式会合を行っております。
こうした会議開催に向けた調整を
日本政府としても歓迎いたしておりますし、
日本を含むNPDIとしても、今回の第三回準備
委員会においてこの問題に関する作業文書を提出するなど、議論に貢献してきたわけでございます。
我が国としては、この会議が早く開催されることを期待しておりまして、必要な
支援をファシリテーター始め
関係者や
関係国に
支援をしていきたいと思います。
そして、セカンドトラックについてでございますが、当然のことながら、核軍縮
分野においては、
政府間同士の交渉でありますファーストトラックと、そして
民間人の交渉でありますセカンドトラックという、両方とも重要だというふうに考えております。この観点から、
政府としては平素から軍縮・不拡散
分野の有識者の懇談会や国内のNGOとの対話を積極的に実施しております。先月のNPDIの広島外相会合の前には、
岸田大臣は二度有識者の方々と懇談したほか、外相会合当日には市民社会との意見交換会に
出席して有
意義な意見交換を行ったところでございます。
また、藤末
委員を始め国会議員の方々からも日頃からこの
分野において有益な提言をいただいております。先ほどのお話にあったかと思いますけれ
ども、NPDI広島外相会合の開催の前に、藤末
委員も参加されている民主党の非核議連からも大変貴重な御提言をいただいたところでございます。
政府としては、核兵器のない
世界の実現に向け、引き続き、市民社会、有識者そして議員の方々との協力、連携を強化推進していきたいと考えております。