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宇都隆史君
防衛大臣、なかなか言いづらい答弁をありがとうございました。
ただし、今役所としては言えるのはそこまでなんでしょう。ただ、私の本音としては、ふざけるなというふうに言いたい。
関係者の
皆さん方だけの不利益じゃないんですね。結局、これは国家の不利益なんですよ。もういろんなところに問題を起こす。
実際に、隊員の士気の低下なんか
考えたら、
自分たちはいつでも命を懸けて国のためにやろう、事においては危険を顧みずというつもりでやっていたのに、何か事が起こったときには、不注意、
現場のいろんな統制あるいは監督責任の不備ということになって
現場が首を切らされる。
考えてもみてください。「あたご」という護衛艦を知らない
日本人ほとんどいなくなりましたよ。しかしながら、この「あたご」というのは、物すごい何か栄誉をもらって有名になったのではなくて、非常に不名誉なことによって有名になったわけですよね。でも、結果、裁判で
オープンにしてみたら、決して「あたご」側だけが悪いというわけにはならなかったというような結果が出たわけなんです。
なかなか役所からは言いにくいとは思いますけれども、当時のことを振り返ってみると、この「あたご」の衝突事故だけではなくて、いろんなもろもろの不祥事が当時海上自衛隊でありましたよね。今のように
国民の九十何%が自衛隊に対して非常に
評価をするような空気でもありませんでした。
防衛省に対しても非常に厳しい世論が形成されている中において、私、
防衛省が非常に抑圧的にといいますか、
自分たちで
自分たちを厳しく見詰めることによって、結局こういう非常に重い厳しい、
防衛省側にとって余り有利にならないような判決結果をおのずと導き出したんではないかという面が十分に反省していただきたいと思います。
それともう
一つは、
防衛省として、国を守る自衛官を指揮監督している役所なわけですから、
是非真剣に
考えていただきたいのは、正規の国家における軍事組織と自衛隊はかくも違うんだという今の法整備の至らなさというのをよく
考えていただきたいんですね。国家の命令をもって軍事行動をしていた軍艦であったとしても、護衛艦であったとしても、一度事故を起こせば、そのときにウオッチに就いていた、当直に就いていた見張り義務があった二人が
被疑者として書類送検されて裁判にかけられる、こんなことは普通の国の軍隊じゃあり得ませんよ。ちゃんとそこは軍事法廷の中で、時の命令が正しかったのか、命令に基づいた履行がちゃんとあったのか、それを個人に対する刑事裁判にかけられて個人がその罪を償うなんということはあり得ないですよ。そんなことをしていたら、命を懸けて国のために
現場を守ろうとする隊員なんか一人もいなくなってしまう。
しかしながら、今はもうそういう法制にならざるを得ないというか、なっているわけですよね。そこはやっぱり真剣に捉えて
考えていかないと、個人の不利益を及ぼす云々ではなくて、国家の不利益にこれがつながらないように
一つの大きな教訓として次につなげていただきたい、このことをお願いいたします。
時間限られていますので最後の
質問に移りますが、ちょっと話題変わりますけれども、現在、各自衛隊において
航空操縦者へのレーシック、レーシック技術ですね、レーザーメスで視力を回復させる技術、これを解禁になっているというふうに聞いていますが、実際には、もうパイロットになった人で少し目が悪くなった人がやってもいいですよと言われているだけで、今から操縦者になりたい、自衛隊に入って飛行機に乗りたいという子たちがレーシック手術をして視力を回復させて身体検査を受けようとしても、それは不適になってしまうというのが現状としてあります。
防衛省として、今後、このレーシックの解禁、緩和、どのようにしていくおつもりなのか、御答弁をお願いします。