○石川
博崇君 公明党の石川
博崇でございます。
本日は
在外公館法に関する
質疑ということで、私自身、
外務省で十四年間働かせていただいた経験も踏まえ、現場の
外務省職員の思っていらっしゃる思いを代弁するような思いで
質疑に立たせていただきたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
私自身、十四年間
外務省でお世話になりまして、本当に率直に、様々なすばらしい上司の方々、同僚の方々に恵まれたなというふうには思っております。大変優秀な方々が
日本外交を担うという、大変高い気概と自負心、それから責任感で寸暇を惜しんで業務に邁進して奮闘しておられるところでございます。しかし、残念ながら、こうした
職員を支える様々な足腰としての
予算、
職員数、施設、こういったロジスティックの面が弱いと様々な有識者からも
指摘をされるところでございます。軍隊も、どんなに兵が強くとも、また
戦略がどんなにすばらしくとも、兵たんであるロジスティックが機能しなければ戦いに勝つことはできません。
今、
安倍内閣として、地球儀を俯瞰する
外交あるいは積極的平和主義というふうに精力的に取り組んでおられるところですけれども、こうした兵たん面、ロジスティックをしっかり機能
強化していかなければ全て絵に描いた餅になるのではないかという、私自身、懸念をしているところでございます。
そういう意味で、今日これから
指摘させていただく点、
外務省としても待ったなしの
課題だというふうに私自身
認識しておりますので、
岸田大臣に
是非強いある意味危機感を持っていただきたいという思いで、リーダーシップを発揮して取り進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
まず最初に、
在外公館の施設
整備についてお伺いをしたいと思います。
冒頭、
三木先生からも御
指摘のあったところでございますが、
政府は、
外務省は
平成二十二年と
平成二十四年、これは民主党政権のときでございますが、
在外公館を
主要国並みとする百五十
大使館体制を目指すとの
整備方針を打ち出されております。
お手元に資料を配付させていただいておりますが、現在、
平成二十五年度で
大使館数は百三十六、来年度
予算で三
公館増設が認められましたので百三十九になりましたが、この
状況でいいますと、元々想定しておりました二〇一五年までに百五十
公館を
実現するということは、正直、物理的に
実現困難な
状況なのかというふうに思います。民主党政権下で百五十
大使館体制を目指すというふうに打ち出していただいたことは大変高く評価するところなんですが、残念ながら、このグラフにございますとおり、その三年間、
大使館数が増えなかったということは残念なことだというふうに思っております。
下に各国との比較の数が表で表れておりますけれども、
日本が百三十六
公館に対しまして、アメリカは百六十八、イギリスは百五十一、ちょっと下に行きまして中国は百六十四と、百九十以上諸国がある中で、
大使館数という意味では
日本は
主要国より大きく後れを取っている
状況にございます。
特に、明年は安保理の非常任理事国選挙が控えているわけですけれども、大票田でありますアフリカ五十六か国の中で
日本が
大使館を有している国数は僅か三十三でございます。これに対しまして、中国の
大使館数、アフリカにおきまして四十九ある
状況でございます。こちらが
大使館を置かなければ、当然先方の国も
日本に
大使館を置いてはなかなかいただけません。相互主義というのが原則の中で、アフリカ諸国の中で
日本に
大使館を置いている国というのは三十八でございます。一方、アフリカ諸国の中で中国に
大使館を置いている国というのは四十九か国ございます。
大臣、今回、
アルメニア、
ナミビア、
マーシャルと三
公館増になったことは大変高く評価したいと思いますが、先ほど
三木先生に対する御答弁でもありましたとおり、新しい
整備方針というものをしっかり検討していただきたいというふうに思っております。これは、先ほど検討すると
三木先生にお答えいただいておりますので答弁は結構でございますが、
是非私からも重ねてお願いを申し上げたいというふうに思います。
その上で、
是非委員の皆様にも御理解をいただきたい点がございます。それは次の資料でございます。
大使館数を増やしたとしても、それに先立つものがなければなりません。
大使館を維持する費用、あるいは修繕、
整備、改修するための営繕費というものの
予算の傾向がここに示されているところでございます。
大使館は、国有財産として管理されているものと、それから借り上げの施設として
大使館を置いているものとございますが、後ろ側のグラフ、ピンクのグラフは、借り上げ費は、これは当然賃貸費ですから大体横ばいに推移しておりますけれども、一方で、国有財産たる
在外公館の施設
整備費が大幅にこの十五年近くで削減されてきているところでございます。ピーク時に比して六二%減という
状況でございます。
先ほど
大臣からも御答弁ございましたが、
在外公館というのは、緊急時には
在留邦人の生命を守るべきとりでにもなります。また、現地におきましては
日本の顔としての存在感も発揮していただく必要があります。
実際、これまでも過去の歴史の中で、
在外公館が
在留邦人の生命を守る役割を担ったケースとして、一九八九年には、ルーマニアでチャウシェスク政権が崩壊したときに反
政府デモが国内中に吹き荒れて、そのときの
在留邦人五十五名の方が
大使館に避難され、そして国外に退避をされました。また、一九九〇年、湾岸戦争勃発のときには、イラクの侵攻を受けたクウェートにおきまして
在留邦人二百名が
大使館に避難をしたところでございます。さらにその翌年、一九九一年には、コンゴ民主共和国におきまして、市内で暴動が発生をして、焼き討ち、略奪、そういった混乱の中で
在留邦人二十一名が
大使館に避難して、国外に退避をいたしました。
次のページを御覧いただきたいというふうに思います。
これは
外務省から頂戴した写真付きの資料ですけれども、例えば左上、トンガの
大使館におきましては、五階建ての共同ビルの三階部分、五階部分を間借りする形で
大使館が置かれております。その右のミクロネシアでは、共同ビルの三階部分が
大使館事務所として使われているという
状況でございます。また、下には老朽化している
大使館の
状況というものも写真付きで示されているわけでございます。
大臣、こうした
状況で、いざという緊急
事態にあって
在留邦人を本当に守ることができるのかと。これは本当に危機意識を持って取り組んでいただく必要があると思いますし、
予算の
確保にも努めていただく必要があろうかと思いますが、
大臣、御所見をいただきたいと思います。