○石川
博崇君 是非よろしくお願いをいたします。
時間もちょっと短くなってきましたので、飛ばしながらさせていただきたいと思います。
大臣からの冒頭の御
説明にありましたとおり、今年は
ODAを開始して六十年の佳節を迎えることになります。この六十年間、
日本が
ODAを通じて国際社会において果たしてきた
役割というものは極めて大きいものがあろうかというふうに思います。
この
ODAを進めていく上で最も根幹になっております
ODA大綱でございますが、現行の
ODA大綱は改定されたのが
平成十五年になります。最初に
ODA大綱が閣議決定されたのが
平成四年でございまして、
平成四年から十年たって改定されたのが今からおよそ十年前ということで、現行の
ODA大綱ができて十年がたつわけでございます。国際社会における様々な国際情勢も大きく変化しており、また、
ODAをめぐる環境というものもグローバル経済が促進していく中で変わってきているわけでございます。
私、現行の
ODA大綱が改定されて十年という節目を来年迎えるわけですけれども、そろそろ再度の
ODA大綱の改定に向けた検討作業を始めるべき時期に来ているのではないかというふうに考えております。
しかしながら、仮にこの
ODA大綱の改定作業を進めるとしても、現在、現行の
ODA大綱が掲げております
人間の
安全保障の
観点、あるいはこの
ODAを軍事的用途、国際紛争助長への利用を回避するといったような原則というものは堅持していくべきではないかというふうに思います。
さらには、ともすると、
ODAに対する
評価をされる方の中には、
日本の企業が参加していないのではないかとか、あるいは
日本の経済的
利益に直結しているのかとか、そういった、ある意味で近視眼的な
評価をされるような意見が散見されるわけでございますが、本来
ODAというものは、その精神はDACで定められておりますとおり、開発
途上国の経済開発あるいは福祉への
向上というものが目的として定義付けられておりますし、こうした
ODAを通じて
日本の信頼を勝ち得るという中長期的な視野に立てば、自国の企業益というものを声高に追求するというような活用の仕方というのは慎むべきではないかというふうにも考えております。
その意味で、是非今日皆様に御認識をいただきたいなと思いますのは、経済
協力というものは何も
ODAだけで行われているものではございません。経済
協力というのは、
ODAに加えてOOF、アザー・オフィシャル・フローズというものがございます。例えば、JBICの国際金融、輸出金融であったり投資金融、あるいはNEXIのやっておられる貿易保険、こうした他の公的な資金も生かして戦略的に経済
協力というものを総合的に取り組んでいく必要が私はあるのではないかというふうに思っております。
残念ながら、
省庁、主管官庁が違う関係で、
ODAを管轄している
外務省、そしてJBICを管轄している
財務省、あるいはNEXIを管轄している経産省、こうしたそれぞれが対外的な経済
協力というものを行っている中で、総合的なそれぞれの各国に対する
ODA、そしてOOFをどういうふうに戦略的に活用していくのかという全体観がなかなか築けていないのではないかというふうに考えております。
是非、仮に今後
ODA大綱の改定を行っていくという場合には、こうした
日本の持つポテンシャルといいますか、経済
協力における手段というものを総合的に活用いただくよう御検討いただきたいというふうに思いますが、これも併せて
外務大臣、御所見をお伺いできますでしょうか。