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渡辺(周)
分科員 大変、同じ考えを持っていらっしゃるということで、非常に心強い思いがいたしました。
今、間違ったメッセージにならないようにと。この対外的な発信ということは、私は常々、何かがあるたびに、
日本人の美徳というのは、善意というのが、正しいことは黙っていてもきっとわかってくれるはずだ、世界の誰もが理解してくれるはずだ、我々が一生懸命努力していれば必ずかなうように、おてんとうさまが見ている、そんな思いの中で
日本人は生きてまいりましたが、善意を、逆に言うと、つけ込まれてプロパガンダに使われる、反面でそういうこともあるわけでございます。
このことについて、ぜひちょっとまた
大臣にも、これはもう既に国会ほかでも、
予算委員会等でも
質疑されていることですが、今、このアンネ・フランクの日記は世界の記憶
遺産というものになっているわけでございます。
ユネスコにある
世界遺産、このことに対して、いわゆる慰安婦をあわせて、これも
世界遺産に残すべきだということを、
ユネスコの事務局長が訪韓した際に、二月ですけれども、このアンネ・フランクの日記を引き合いに出しながら、韓国の女性の長官が、趙允旋というんですかね、女性家族部の長官、この方が、一月末にアングレームというところで国際漫画祭をやったときに、その後、こういうことを言い始めた。つまり、ホロコーストに慰安婦を重ねている。韓国は、今そういう活動をしているわけでございます。
この点について、これは全く別の問題であって、先般の
予算委員会における石原信雄元副長官の発言にもございました。本当にいろいろすり合わせをしながら、最後まで裏を、確証、確認をとれたわけではないけれども、実はああいうことになったと。
実は、私どもも同僚の議員と、もう随分前ですけれども、石原さんがお務めになっていた、一番町にある、ある財団の理事長をやっていらっしゃったときに会いに行きまして、当時の談話のいきさつについても伺うことができました。ただ、外に出さないでほしいという形で当時はヒアリングをしたものですから。そのときはやはり韓国との
関係改善を優先的に考えて、ある意味でいえば、情況証拠がない中で、客観的なものがないけれども結論を急いだ政治的産物であったということは、そのときに伺ったわけです。今回も、そういう意味では、
日本の善意がああいう形になってしまったということで、今もこのことが尾を引いているわけでございます。
そして、世界に慰安婦の像がつくられる。そして、漫画展に行ったら、世界の中で
日本の漫画は、クール・ジャパンの一つの、
日本人が世界に売り出す、そして世界の若い方も、ヨーロッパに私も行きましたけれども、コスプレをする若いティーンエージャーたちがいたり、
日本の漫画やアニメが大好きだという、ショップもあるんですね。ちょっと違和感を感じるぐらいに、ここまで好きな
人たちがいるのかと思いましたが。そういうところで、
日本の漫画ではなくて、韓国が、いわゆる慰安婦のことを、政治的テーマを本来ならしないと言っていたのが、これは普遍の人権問題だと言って、やったわけですね。
このことを考えると、また、
ユネスコに対して、その慰安婦の記録というものがどんな形で残っているのか。石原さんの
お話を聞くと、ないからあのような曖昧なものを出した。しかし、それを認めてしまったということが全ての発端でありますけれども、例えば、
ユネスコが慰安婦の記録みたいなものを、韓国が言うように「アンネの日記」と同様に世界の記憶
遺産として残すのだということになるようなことがあってはならない。それだけに、ぜひここは、こうした動きに対してやはりしっかりとしたメッセージを出していただきたい。
今回、当事者の方がこう言われた。そのことについて、恐らく世界の方も理解しづらいと思うんですよ。だって、確証がなくてはっきりとしないのに、では、なぜ謝ったのか、謝ったことが認めたことですよねと。そもそも、なぜ慰安婦というものがあったと言うんですかと言うと、だって、謝ったじゃないですか、あったから謝ったんでしょう、普通、ないことを謝らないでしょうと言われると、いやいや、
日本人は、ここは俺が頭を下げて丸くおさまるのなら、俺の頭なんて安いものだとか、ここは俺の顔を立てて、これで何とか終わりにしてくれやと言って、
日本人型の解決の仕方というのは我々の日常生活の中であると思うんです。
部下がへまをやって、上司が来て、あの偉い人が来て頭を下げて、ここはひとつ私の顔に免じてと言ったら、もうわかったわかったとなるんですね、
日本人同士なら。ところが、そうならないというところが、外交の冷徹な現実でございます。
いろいろたくさん話をしましたけれども、この漫画展もそうです、利用されています。ここでまた、いわゆる
日本の名誉をおとしめよう、そして我々が黙っていると、どんどんどんどん、あたかもそれが全て事実のように広められてしまう中で、例えば
ユネスコに対してもやはり毅然とした態度をとっていただいて、実際、
日本が今わかっている限りのことはしっかり伝えるべきだと思うんですけれども、
大臣、いかがですか。