○川滝
会計検査院当局者 お尋ねのありました意見表示処置要求
事項で処置が完了していないものを、金額の大きい順に十件申し上げたいと思います。
第一に、
平成二十三年度決算検査報告に掲記いたしました独立行政法人都市再生機構のニュータウン
整備事業について、長期未処分地の需要を喚起するための方策を検討したり、土地の時価を算定する際の精度の向上に向けた取り組みを行ったりするなどして、事業完了に向けた取り組みが計画的かつ的確に行われるよう意見を表示したもので、指摘金額は九百三十六億三千八百二十万円であります。
その処置状況ですが、機構は、財務諸表作成時の土地の時価の算定につきましては、二十五年度以降の決算において算定の精度向上に向けた取り組みを行うとともに、宅地造成等経過勘定の繰越欠損金については、二十五年度末を目途に公表を予定している第三期中期計画の策定とあわせて検討することとしております。
第二に、
平成二十三年度決算検査報告に掲記した独立行政法人日本原子力研究
開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」の研究
開発等について、適時適切に研究
開発経費を把握して公表することにより研究
開発の一層の透明性の確保を図るとともに、使用可能な関連施設の利活用を図るよう意見表示したもので、指摘金額は八百三十億八千五百二十五万円であります。
その処置状況ですが、機構は、リサイクル機器試験施設の当面の利活用については、国のエネルギー政策や原子力政策の方向性を踏まえて、関係機関との協議を行うということにしております。
第三に、
平成二十二年度決算検査報告に掲記した
経済産業省のエネルギー対策特別会計の周辺地域
整備資金について、当面の間は資金残高の規模を縮減させるとともに、今後需要額の算定が必要となる場合には積立目標額の規模を見直すなどして、当面需要が見込まれない資金を滞留させないような方策を検討するよう意見表示したもので、指摘金額は六百五十七億円であります。
その処置状況ですが、
経済産業省は、資金を滞留させないような方策については、エネルギー基本計画の
内容等を踏まえて適切に検討していくこととしております。
第四に、
平成二十三年度決算検査報告に掲記した
総務省の独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構における利益の処分について、同機構が
業務を履行するために保有する必要がない利益剰余金の額を速やかに把握して国庫に納付させるとともに、関係機関と調整し、国庫納付のあり方について検討した上で、今後は中期目標期間の
終了時だけではなく、適時に利益剰余金を国庫に納付させることが可能となるように適切な制度を
整備するよう意見を表示したもので、指摘金額は六百七億千六百九十二万円であります。
その処置状況ですが、
総務省は、制度の
整備については、引き続き検討して、関係機関と協議の上、適切な処置を講ずることとしております。
第五に、
平成二十三年度決算検査報告に掲記した文部科学省の独立行政法人日本スポーツ振興センターが
運用型の基金として設置しているスポーツ振興基金の有効活用を図るよう意見を表示したもので、指摘金額は二百五十億円であります。
その処置状況ですが、文部科学省は、センターの検討結果を踏まえて、振興基金の有効活用について取り組んでいくこととしております。
第六に、
平成二十三年度決算検査報告に掲記した
内閣官房及び
人事院の人事・
給与等
業務・
システムについて、参加府省等との調整をより一層実施するなどして、安定的に
運用できるよう引き続き改修に努めるとともに、参加府省等と十分情報共有を図り移行支援を実施するなどして、最適化効果が早期に発現するよう意見を表示したもので、指摘金額は八十九億二千七百三十四万円であります。
その処置状況ですが、
人事院は、移行
経費の合理的な算定方法については、参加府省等の移行作業の
業務内容を把握するための調査を実施した上で、適切に検討することとしております。
第七は、
平成二十三年度決算検査報告に掲記した独立行政法人水資源機構の水資源
開発施設等について、保有の必要性について検証を実施し、不要と認められるものについては売却等の検討及び協議を行ったり、公道と兼用の管理用道路に係る管理費用について、道路管理者との間の標準的な負担方法等に係る協議方針を定め、応分の負担を求められるよう道路管理者と協定の見直しの協議を行ったりなどするよう改善の処置を要求したもので、指摘金額は八十億百九十二万円であります。
その処置状況ですが、機構は、実態調査の結果を踏まえた協議方針を定めた上で、応分の負担を求められるよう道路管理者と協定の見直しの協議を二十五年度中に開始することとしております。
第八に、
平成二十三年度決算検査報告に掲記した防衛省の防衛施設周辺放送受信事業の実施において、テレビ放送の聴取における航空機騒音の実態を反映させたものとなっているかを検証し、指定基準を見直すなどして、補助金を交付する根拠について透明性を十分に確保するよう意見を表示したもので、指摘金額は五十五億三千四十一万円であります。
その処置状況ですが、防衛省は、引き続き検討を行い、指定基準の見直しなどの所要の措置を講ずることとしております。
第九は、
平成二十三年度決算検査報告に掲記した厚生労働省の社会福祉法人により設置された民間保育所が保有する積立預金について、透明性の確保を図ることなどにより、有効に活用されるよう意見を表示し、及び過大に保有している当期末支払い資金残高が是正されるよう改善の処置を要求したもので、指摘金額は三十一億七千百二十四万円であります。
その処置状況ですが、厚生労働省は、会計状況が明確になるような仕組みを設けることについては、子ども・子育て会議において、財務情報の公表を含めた民間保育所における会計処理の
運営基準等を新制度の施行までに検討することとしております。
第十は、
平成二十三年度決算検査報告に掲記した農林水産省の家畜導入事業の
終了後も国庫に返納されないままとなっている基金の国庫補助金相当額を速やかに返納させることにより、事業主体間の公平を確保するとともに国費を効率的に使用することができるよう適宜の処置を要求したもので、指摘金額は十一億四百三十二万円であります。
その処置状況ですが、三十四事業主体のうち二十五事業主体については二十四年度から二十九年度までに分割して納付させることとしたため、まだ返納されていない国庫補助金相当額があるというものでございます。
以上でございます。