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山内委員 大変前向きな
答弁をありがとうございます。
実際のところ、これは閣法というよりは、もしかしたら
議員立法になるかもしれませんが、こういった問題は、自民党と公明党の中で検討されていると聞いていますし、自民党でも公明党でもこういうNPOなどに非常に理解のある方が担当されていると伺っておりますので、ぜひ超党派で、党派を超えて、できれば全会一致で通せるような、そういう法案をつくるためにも、
政府も、きょうお越しの自民党、公明党、与党の皆さんも、同じ目的のために進んでいけたらいいなと思っております。
では、休眠口座の
質問は以上ですので、副
大臣、お帰りいただいて結構です。
次に、官房長官に
質問させていただきます。大変お忙しいところ、恐縮です。
次に、
外国企業の重要インフラ事業への参入というテーマで
質問をさせていただきます。重要な国家のインフラに
外国の企業が参入していく、そのことが国の安全保障に及ぼす影響について、そういうテーマで
質問させていただきたいと思います。
アメリカの議会あるいはイギリスの議会は、中国の通信大手企業であるファーウェイという企業がありますが、そのファーウェイという企業がインフラ整備に関与することについて、議会として非常に警戒感を持っているようです。
イギリスには
情報保安
委員会という
委員会があります。上院と下院の合同の
委員会なんですけれども、その議会の
委員会がレポートを出しております。昨年の六月に出したレポート、タイトルは、私の直訳で済みませんが、国家の重要インフラへの
外国の関与に関する報告書というテーマです。
この報告書は、タイトルはふわっとした内容なんですけれども、実は、中国のファーウェイというたった一社の企業をターゲットにした報告書です。そのファーウェイという一企業を
対象にして、議会が、二十七ページにもなる、結構そこそこの厚みのある報告書を出しております。それぐらい、イギリスの議会というのはこの中国の通信企業に関して警戒感を持っているということが言えると思います。
それから、同じように、アメリカ議会は、アメリカの下院の
情報特別
委員会という
委員会もやはり同じような報告書を出しています。直訳すると、中国の通信会社ファーウェイとZTEによって引き起こされるアメリカの国家安全保障上の
課題に関する調査報告書。これは結構厚みがありまして、八十ページぐらいあります。
このアメリカ議会の報告書も、ファーウェイとZTEという二社だけをターゲットにした報告書です。実際には、よく読んでいくと、ファーウェイがメーンのターゲットになることは明らかでして、これも、二〇一二年の十月ですから、比較的最近のレポートです。
アメリカ議会といいイギリス議会といい、中国のファーウェイというたった一社の企業に関してこれだけ警戒感を持って、国家のインフラに対してこういう企業が参加していくことを注視しているということが言えると思います。
なぜかというと、まず、このファーウェイという大企業、規模でいうと、
世界のスマートフォン事業で
世界三番目、サムスン、アップルに次ぐ
世界三番目の大企業です。二〇一二年の売り上げは三兆八千億円。
日本にも
日本法人があります。
この大企業の創業者が、もともと人民解放軍のそこそこの、そこそこと言うと失礼ですけれども、幹部だった方ということが言われております。人民解放軍の
情報工学院という、そこの部長さんだった人が創設した会社であるということですね。しかも、その
情報工学院という人民解放軍の
研究機関のようなところは、そもそも人民解放軍の中でもシグナルインテリジェンスと言われている
分野と密接な関係があると言われております。
ですから、アメリカ議会の報告書を読むと、このファーウェイと今でも人民解放軍のそういうシグナルインテリジェンスの部門は関係があるんじゃないかというようなことが指摘をされております。しかも、その議会の報告書の中には、人民解放軍のサイバー戦の特殊部隊の要員に対してファーウェイが特別なサービスを提供している、そういったことも出てきます。
さらに、この会社自体、一九八七年に創業した会社なんですけれども、中国
政府から戦略
分野の重要企業ということで指定を受けて、低利のローン、税の減免措置、あるいは
政府としてのバックアップを受けているということが指摘されています。そういう
政府やあるいは軍から資金的な
支援、いろいろな
支援を受けている企業は、どうしてもその
政府の、中国
政府の言うことを、あるいは軍の言うことを聞かざるを得ないというのは、これは恐らく容易に想像ができることだと思います。
ですから、イギリスでもアメリカでも、議会の調査報告書の中で、こういうファーウェイの
製品を組み込んだインフラが有事の際には危険にさらされる可能性があるというふうに言われております。
アメリカ議会の報告書のその部分をちょっと直訳すると、中国製の電気通信システムや部品に悪意のあるハードウエア、ソフトウエアを埋め込み、それをアメリカに輸出することにより、危機の最中あるいは戦争中に国家安全保障上の重要なシステムを停止させるあるいは機能低下させることができる、電力網や金融ネットワーク等の重要なインフラに悪意のあるハードウエア、ソフトウエアを埋め込むことは、中国にとって重要な武器になる、兵器になるということを議会の報告書は書いております。結構アメリカの報告書は露骨な表現を使っていると思いました。
さらに、最近の報道では、アメリカのバイデン副大統領が韓国に行ったときに、ファーウェイが韓国の通信ネットワーク事業を受注したことに懸念を表明しております。在韓米軍あるいは韓国軍の通信システムが中国に対して非常に弱くなってしまうんじゃないかという懸念だと思います。
ずっと長いこと言ってきましたが、イギリス、アメリカだけではありません。オーストラリア
政府は、ブロードバンドネットワークの入札からファーウェイを排除しております。こういう、
日本のある意味同盟国、友好国、多くの国が中国のファーウェイというこの一社を非常に警戒しているということがあります。
こういった、余り特定の企業を
政府としては名指しできないと思いますが、
外国企業一般が
日本の重要な安全保障にかかわるインフラに参入する、その危険性について、
政府はどのように認識をして、そして対策をとられているのか、
質問したいと思います。
〔
委員長退席、萩生田
委員長代理着席〕