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三宅委員 日本維新の会の
三宅博でございます。
戦後
日本の実相と国家のあり方について認識を深めたい、そのために個々具体の問題について質問をさせてい
ただきたいと思います。
まず初めに、きのう朝十時半から厚生労働省の方で、硫黄島の引き揚げられた御遺骨、これの引き渡し式がございまして、私も
出席をさせてい
ただきました。合計百八十一柱の御遺骨が厚生労働省の方に引き渡されたわけでありまして、新藤
大臣来られていますけれ
ども、ひょっとしたらその中に新藤
大臣のおじいさんの栗林中将の御遺骨もあったかもわからない。
遺骨収集団の
方々が厚生労働省の
職員の方に御遺骨を渡されるときに、非常に万感胸に迫るような
感じで、もう目を泣きはらしてお渡しをされておられました。見ておりました私も、本当に感きわまるような
感じになりましたけれ
ども、こういうふうな国のために亡くなった英霊、こういった
方々の思い、あるいは名誉、誇り、こういったものを取り戻していかなくてはならないと思います。そのためには、当然、河野談話の撤廃あるいは村山談話の撤廃、こういったものについてもこれから実現していかなくてはならないというふうに思います。
まず初めに、拉致問題について質問をさせてい
ただきたいと思います。
拉致問題で、宇出津事件というのがございました。昭和五十二年の九月十九日なんですけれ
ども、久米裕さんという
東京三鷹の市役所のガードマンをされていた方が石川県の宇出津海岸から北朝鮮工作員の手によって拉致をされた事件なんですけれ
ども、このときに久米さんを拉致した犯人、工作員、これは石川県警に捕まって一切合財を白状したんです。ところが、石川県警は、二週間もたたずぐらいだったと思いますけれ
ども、工作員を無罪放免してしまったんですね。ここで全て警察あるいは
政府の知るところになったと思うんですけれ
ども、これをうやむやにしてしまった。これは昭和五十二年の九月十九日です。
その直後、昭和五十二年の十月二十一日、これも
政府認定被害者の松本京子さんという方が拉致をされました。それから期間を置かずに、同じく十一月の十五日、今度は新潟で横田めぐみちゃんが拉致をされました。
宇出津事件のときに警察がこのことを、警察といいますか、
日本の
政府が国民に発表しておりましたらその後の多くの拉致事件は当然防げたであろうというふうに思いますけれ
ども、これをうやむやにした結果、多くの拉致事件がその後頻発をしてしまったということなんですね。
政府の認定被害者は十三件十七名ということなんですけれ
ども、今パネルで示させてい
ただいておりますけれ
ども、特定失踪者問題調査会の方は公開で二百七十名。この二百七十名がここのパネルに写真で張られている方なんですね。これ以外に非公開の方が二百名いらっしゃいまして、合計四百七十名。それから、警察の方の二百三十名を含めて、調査会では約七百名の拉致被害者の把握をされておられます。
調査会の方は、二カ月に一回、全国の現地調査ということでずっと全国を回られていらっしゃるんですね。そういった中で新たに寄せられる情報、未遂、既遂、こういったものがいろいろと来て、反対に、四百七十名じゃなしに、どこまでこの被害が広がるのか、あるいは底の深さ、わからなくなるようなことになってくる。
私も何回かその現地調査の方には
参加させてい
ただいて、いろいろと御家族であるとか当事者であるとか、そういうふうな情報を直接聞かせてい
ただきました。そういう中で、本当にこの拉致事件の底の深さ、恐ろしさというものを実感しております。
拉致事件の問題については、安倍さんは、
自分の
内閣でこれを全面的に解決したいというふうに明言されていらっしゃるんですね。その覚悟のほどといいますか、その本当の思いを私は確かめたいというふうに思います。
平成十四年に帰国された五名の方、地村夫妻、蓮池夫妻、曽我ひとみさんですね。彼ら、彼女らは、北朝鮮の招待所で多くのその他の拉致被害者と共同生活をされていたと思います。そういうことを一部発言されていらっしゃいますけれ
ども、彼ら五人は、大阪の誰それもいてた、あるいは
東京の誰それもいてた、あるいはその他何十人の拉致被害者もいてたということをほとんど御存じなんですけれ
ども、これについて全くと言っていいほど発言されていらっしゃらない。これは、警察の方がどこまで本当にこれを確認しているのか、聞いているのか、これを本当に私はお伺いしたいと思います。
彼らが公に全面的に知っていることを言えないという、やはり、そこに言えない何かが働いているんじゃないかなというふうに思えて仕方がないんです。
日本に帰ってきた、しかしながら、北朝鮮のおどしといいますか脅迫下にいまだに置かれているんじゃないか。だからこそ、言ったら、ひょっとしたら
自分あるいは家族の身辺に危ないことがある、それを恐れて言っていらっしゃらないんじゃないかなというふうに思えて仕方がないんですね。
それから、特定失踪者の問題については、非常にここから大きな問題なんですけれ
ども、ここに張っております、一九八四年ですから昭和五十九年です、六月四日に
山本美保さんという方が失踪をした。彼女についてはほぼ間違いなく北朝鮮に拉致されているであろうというふうなことがうかがわれるんですけれ
ども、山梨県の甲府に住んでいらっしゃって、山梨県の甲府の御家族であるとか双子の妹さん、あるいは同級生の
方々が救出活動をずっとやっていったんですね。甲府市民の人口を上回るぐらいの署名を集められた。
ところが、これに対して
政府が危機感を抱いたのかどうかは知りませんけれ
ども、その実相はわからないですよ、この昭和五十九年の事件に対しまして、
平成十六年の三月五日、山梨県警が、突如、
山本美保さんと一致する遺体があったということを発表したんです。
その遺体というのは、
山本美保さんの事件は昭和五十九年の六月四日、ところが、身元不明遺体、これは山形県の遊佐海岸に漂着した遺体なんですけれ
ども、六月二十一日に漂着した、ほぼ二週間ちょっとの後に女性の身元不明遺体が漂着したと。このDNAと
山本美保さんのDNAが一致したということを山梨県警が言ったんですね。これは警備一課長が言ったんですけれ
ども、それは余りにも唐突な発表であったし、あるいは、体のサイズそれから身につけていた衣服が全く違うと。だから、双子の妹さんも、これは絶対違うということをおっしゃっているんですね。
特に、
山本美保さんについては、失踪された当時、お父さんは山梨県警の警察官だったんですね。だから、
自分の娘のことを非常に心配されて、全国の行方不明遺体のデータをずっと全て取り寄せたと。いなくなって直後の六月二十一日の漂着遺体、これについても当然されたけれ
ども、ああ、これはうちの美保と違うということを判断されて、全然問題にされていなかったんですね。
ところが、
平成十六年に、この山梨県警の発表、それから御家族に対する伝達で、DNAが一致したと。特定失踪者問題調査会では、いや、このDNAは偽造だというふうにもう断定しているんですよ。ところが、警察発表ですから、世間一般は非常に、まさか警察がDNAの偽造をしてまで拉致事件の鎮静化を図るということはあり得ないというふうなことで、今に至っているんですね。
当時の警備一課長、この間までタイの大使館におられて、今はもう
日本国内に帰っていらっしゃるんですけれ
ども、いつか御本人にその辺の経緯を聞きたいというふうに思います。
それから、拉致事件の犯人については、多く、国際手配、あるいは逮捕状が請求されているんですけれ
ども、これは国外にいる犯人にばかりされているんですな。国内にいてる拉致実行犯、判明している人間には全く逮捕状等がとられていない。
一番有名なのが八尾恵さんといって、八尾恵というのは元赤軍派の
関係者ですけれ
ども、彼女は
自分の「謝罪します」という本で、私が有本恵子さんを誘拐しましたと
自分で書いて、言っているんですね。ところが、彼女に対して、これは警察とどのような司法取引があったのかわかりませんけれ
ども、全く彼女を逮捕して取り調べていないんですね。
あるいは、さっき言いました宇出津事件の北朝鮮工作員、これは名前もわかっている。今、
日本国籍を取って、西
東京市で悠々自適ですわ、この実行犯であるにもかかわらず。あるいはまた、認定被害者の田中実さんの拉致をしたであろう実行犯、こういった人々も、多く名前がわかっているにもかかわらず、全くこういった
部分については手つかずなんですね。本当に拉致問題を解決しようかどうかということを、私は本当に大きな疑念を抱きます。
特に、原敕晁さんという大阪の中華料理店のコックをされていた方がいらっしゃるんですけれ
ども、この方の拉致事件では辛光洙が主犯だったんです、
皆さんよく御存じだと思いますけれ
ども。二〇〇〇年、恩赦で北朝鮮に帰りました。辛光洙の事件のとき、辛光洙は原敕晁さんの合法的身分を手に入れて、パスポートを取ったり運転免許証を取ったりして、
日本と北朝鮮を行き来していたんですね。韓国で捕まって、死刑判決を受けた。
その取り調べで、韓国の地裁が発表した表といいますか、それは
皆さんのお手元に行っていると思いますけれ
ども、これを見ますと、
日本の朝鮮総連が中心的な役割を果たしている、原敕晁さんの。そういうふうな、拉致の
日本国内における実行部隊の中心的役割を朝鮮総連が果たしているということですね。大阪の商工会の
会長であったり、商工会の
理事長であったり、長野県の朝鮮総連の商工
会長であったりとか、そういうふうな多くの人間がこの表に出ているんですね。
言ってみれば、北朝鮮本国が指令を出して、
日本国内における実行部隊の中心は朝鮮総連が担って実行してきた、こういう構図が浮かび上がってくるんですね。
私がお聞きしたいのは、
日本政府は、過去、数百人の被害者が北朝鮮に拉致をされているであろう、これは知っているはずなんですよ。知らなかったはずがない。どう考えても知っていたとしか思えないんですね。ところが、これに対しては、見て見ぬふりをしようとどうも
政府決定したんじゃないかなというふうに私は思っているんです。その辺のところを聞きたいんですね。
これは、大半の拉致被害者は、自民党政権のもとにおいて事件が発生し、拉致されたであろうということが思われるんですね。
政府は、口では全面解決と言っていますけれ
ども、この拉致事件の全容というものが明らかになった場合、自民党あるいは過去の政権に対して非常に大きな国民の怒りというものが爆発するんじゃないか、このことを心配して、本当は拉致事件の解決をする気がないんじゃないかなというふうに思います。
安倍さんは先日も、北朝鮮のちょっとした変化を見逃さず、それに臨機応変に対応するとか、こういうふうなことをおっしゃっていて、言ってみれば向こうの姿勢の変化を待っているのか、待ちの姿勢でどうするのかということを私は
お話をしたいんですね。
以前に、
細田さんが官房長官のときも、なぜ拉致事件の解決がいかないのかというふうな質問を受けたときに、相手も一国の
政府ですから、
政府対
政府の交渉で、
日本は北朝鮮にお願いするしかないんですよというふうなことをちょっとおっしゃったんです。
国家主権を侵害されて、犯罪行為であるものと外交案件とを同等の取り扱いをされているんじゃないか。これはとんでもない話でして、
日本の覚悟と行動によって拉致被害者全員を取り戻していかなくてはならないというふうに私は思うんです。
今、古屋
大臣と
岸田外務大臣にお聞きしたいのは、
政府はみんな知っていたんじゃないかということをお聞きしたいんですよ。
日本の公安あるいは警察関係は非常に優秀ですよ。彼らが知らないはずがなかった、数百名の人間を。現場サイドはみんな知っていた。ところが、それに対して政治の方がストップをかけてきたという構図が浮かび上がってくるんですね。
政府は全て知っていたと思うんですけれ
ども、古屋
大臣と
岸田大臣、いかがでしょうか。