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2014-01-24 第186回国会 衆議院 本会議 第1号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十六年一月二十四日(金曜日)
—————————————
議事日程
第一号
平成
二十六年一月二十四日 正午
開議
第一
議席
の
指定
………………………………… 一
国務大臣
の
演説
—————————————
○本日の
会議
に付した案件
日程
第一
議席
の
指定
災害対策
を樹立するため
委員
四十人よりなる
災害対策特別委員会
、
政治倫理
の
確立
及び
公職選挙法改正
に関する
調査
を行うため
委員
四十人よりなる
政治倫理
の
確立
及び
公職選挙法改正
に関する
特別委員会
、
沖縄
及び北方問題に関する
対策樹立
のため
委員
二十五人よりなる
沖縄
及び北方問題に関する
特別委員会
、青少年問題の総合的な
対策
を
確立
するため
委員
二十五人よりなる青少年問題に関する
特別委員会
、
北朝鮮
による
拉致等
に関する諸問題を
調査
し、その
対策樹立
に資するため
委員
二十五人よりなる
北朝鮮
による
拉致問題等
に関する
特別委員会
、
消費者
の
利益
の
擁護
及び
増進等
に関する総合的な
対策
を樹立するため
委員
四十人よりなる
消費者
問題に関する
特別委員会
、
科学技術
、
イノベーション推進
の総合的な
対策
を樹立するため
委員
四十人よりなる
科学技術
・
イノベーション推進特別委員会
、
東日本大震災
からの
復興
に当たり、その
総合的対策
を樹立するため
委員
四十五人よりなる
東日本大震災復興特別委員会
及び
原子力
に関する諸問題を
調査
するため
委員
四十人よりなる
原子力問題調査特別委員会
を
設置
するの件(
議長発議
)
海賊行為
への
対処
並びに
国際テロリズム
の
防止
及び
我が国
の
協力支援活動等
の諸問題を
調査
するため
委員
四十五人よりなる
海賊行為
への
対処
並びに
国際テロリズム
の
防止
及び
我が国
の
協力支援活動等
に関する
特別委員会
を
設置
するの件(
議長発議
)
安倍内閣総理大臣
の
施政方針
に関する
演説
岸田外務大臣
の
外交
に関する
演説
麻生財務大臣
の
財政
に関する
演説
甘利国務大臣
の
経済
に関する
演説
午後零時二分
開議
伊吹文明
1
○
議長
(
伊吹文明
君) 同僚の
皆さん
、本日、第百八十六回
国会
が召集をされました。 これより
会議
を開きます。
————◇—————
日程
第一
議席
の
指定
伊吹文明
2
○
議長
(
伊吹文明
君) まず、
日程
第一、
議席
の
指定
を行います。
衆議院規則
第十四条により、
皆さん
の
議席
は、
議長
において、ただいまの仮
議席
のとおり
指定
をいたします。
————◇—————
伊吹文明
3
○
議長
(
伊吹文明
君) この際、新たに
議席
に着かれました
議員
を御紹介いたします。 第百三番、
近畿選挙
区
選出議員
、
清水鴻一郎
君。 〔
清水鴻一郎
君
起立
、拍手〕
————◇—————
特別委員会設置
の件
伊吹文明
4
○
議長
(
伊吹文明
君) 次に、
特別委員会
の
設置
につきお諮りをいたします。
災害対策
を樹立するため
委員
四十人よりなる
災害対策特別委員会
政治倫理
の
確立
及び
公職選挙法改正
に関する
調査
を行うため
委員
四十人よりなる
政治倫理
の
確立
及び
公職選挙法改正
に関する
特別委員会
沖縄
及び北方問題に関する
対策樹立
のため
委員
二十五人よりなる
沖縄
及び北方問題に関する
特別委員会
青少年問題の総合的な
対策
を
確立
するため
委員
二十五人よりなる青少年問題に関する
特別委員会
北朝鮮
による
拉致等
に関する諸問題を
調査
し、その
対策樹立
に資するため
委員
二十五人よりなる
北朝鮮
による
拉致問題等
に関する
特別委員会
消費者
の
利益
の
擁護
及び
増進等
に関する総合的な
対策
を樹立するため
委員
四十人よりなる
消費者
問題に関する
特別委員会
科学技術
、
イノベーション推進
の総合的な
対策
を樹立するため
委員
四十人よりなる
科学技術
・
イノベーション推進特別委員会
東日本大震災
からの
復興
に当たり、その
総合的対策
を樹立するため
委員
四十五人よりなる
東日本大震災復興特別委員会
及び
原子力
に関する諸問題を
調査
するため
委員
四十人よりなる
原子力問題調査特別委員会
を
設置
いたしたいと存じます。これに御
異議
はありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
伊吹文明
5
○
議長
(
伊吹文明
君)
全会一致
。御
異議
なしと認めます。したがって、そのとおり決まりました。 次に、
海賊行為
への
対処
並びに
国際テロリズム
の
防止
及び
我が国
の
協力支援活動等
の諸問題を
調査
するため
委員
四十五人よりなる
海賊行為
への
対処
並びに
国際テロリズム
の
防止
及び
我が国
の
協力支援活動等
に関する
特別委員会
を
設置
いたしたいと存じます。これに
賛成
の諸君の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
伊吹文明
6
○
議長
(
伊吹文明
君)
起立
多数。よって、そのとおり決まりました。 ただいま議決をされました十
特別委員会
の
委員
は追って指名をいたします。
————◇—————
伊吹文明
7
○
議長
(
伊吹文明
君) この際、暫時
休憩
いたします。 午後零時七分
休憩
————◇—————
午後二時二分
開議
伊吹文明
8
○
議長
(
伊吹文明
君)
休憩
前に引き続き
会議
を開きます。
————◇—————
国務大臣
の
演説
伊吹文明
9
○
議長
(
伊吹文明
君)
内閣総理大臣
から
施政方針
に関する
演説
、
外務大臣
から
外交
に関する
演説
、
財務大臣
から
財政
に関する
演説
、
甘利国務大臣
から
経済
に関する
演説
のため、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。 まず、
内閣総理大臣安倍晋
三君。 〔
内閣総理大臣安倍晋
三君登壇〕
安倍晋三
10
○
内閣総理大臣
(
安倍晋
三君) まず、冒頭、
海上自衛隊輸送艦
「おおすみ」と
小型船
の
衝突事故
について、亡くなられた方の御冥福をお祈りし、また、お見舞いを申し上げます。徹底した
原因究明
と
再発防止
に全力を挙げてまいります。 何事も、達成するまでは不可能に思えるものである。 ネルソン・マンデラ元大統領の偉大な足跡は、私
たち
を勇気づけてくれます。誰もが不可能だと諦めかけていたアパルトヘイトの撤廃を、その不屈の
精神
でなし遂げました。 不可能だと諦める心を打ち捨て、わずかでも
可能性
を信じて行動を起こす。一人一人が
自信
を持ってそれぞれの持ち場で頑張ることが、世の中を変える大きな力となると信じます。 かつて、
日本
は、
東京五輪
の一九六四年を目指し、大きく生まれ変わりました。新幹線、
首都高速
、ごみのない美しい町並み。 やれば、できる。 二〇二〇年の
東京オリンピック
・
パラリンピック
。その
舞台
は
東京
にとどまらず、
北海道
から
沖縄
まで、
日本
全体の祭典であります。二〇二〇年、そしてその先の
未来
を見据えながら、
日本
が新しく生まれ変わる大きなきっかけとしなければなりません。 その思いを胸に、
日本
の中に眠るありとあらゆる
可能性
を開花させることが、
安倍内閣
の新たな
国づくり
です。
創造
と
可能性
の地。二〇二〇年には、新たな
東北
の姿を
世界
に向けて発信しましょう。
福島沖
で運転を始めた
浮体式洋上風力発電
、
宮城
の大
規模ハウス
で栽培された甘いイチゴ、震災で多くが失われた
東北
を、
世界最先端
の新しい
技術
が芽吹く先駆けの地としてまいります。 三月末までに、岩手と
宮城
で
瓦れき
の処理が終了します。作付を再開した水田、水揚げに沸く漁港、
家族
の
笑顔
であふれる
公営住宅
。 一年半前、見通しすらなかった
高台移転
や
災害公営住宅
の建設は、六割を超える
事業
がスタートしました。来年三月までに、二百地区に及ぶ
高台移転
と一万戸を超える
住宅
の工事が完了する見込みです。 やれば、できる。
住まい
の
復興工程表
を着実に実行し、一日も早い
住まい
の
再建
を進めてまいります。
福島
の
皆さん
にも一日も早く
ふるさと
に戻っていただきたい。
除染
や
健康不安対策
の強化に加え、使い勝手のよい
交付金
を新たに創設し、
産業
や
生活インフラ
の
再生
を後押しします。新しい場所で
生活
を始める
皆さん
にも十分な賠償を行い、コミュニティーを支える
拠点
の整備を支援してまいります。
東京電力福島
第一
原発
の
廃炉
・
汚染水対策
について万全を期すため、
東京
電力任せとすることなく、国も前面に立って、予防的、重層的な
対策
を進めてまいります。 力強い
アーチ姿
の
永代橋
。関東大震災から三年後、
海外
の
最新工法
を取り入れて建設されました。
コスト
がかさむなどの反対を押し切って導入された当時
最先端
の
技術
は、その後
全国
に広まり、
日本
の
橋梁技術
を大きく発展させました。 間もなく、三度目の三月十一日を迎えます。
復興
は、新たなものをつくり出し、新たな
可能性
に挑戦する
チャンス
でもあります。
日本
ならできるはず、その確固たる
自信
を持って、新たな
創造
と
可能性
の地としての
東北
を、
皆さん
、ともにつくり上げようではありませんか。
日本経済
も、三本の矢によって、長く続いた
デフレ
で失われた
自信
を取り戻しつつあります。 四
四半期連続
で
プラス成長
。
GDP
五百兆円の
回復
も視野に入ってきました。 リーマン・ショック後〇・四二倍まで落ち込んだ
有効求人倍率
は、六年一カ月
ぶり
に一倍を
回復
。冬のボーナスは、連合の
調査
によると、平均で、一年前より三万九千円ふえました。
北海道
から
沖縄
まで全ての
地域
で、一年前と比べ、
消費
が
拡大
しています。
中小企業
の
景況感
も、先月、
製造業
で六年
ぶり
、非
製造業
で二十一年十カ月
ぶり
に
プラス
に転じました。
景気回復
の裾野は着実に広がっています。 改めて申し上げます。 この道しかない。
皆さん
、ともにこの道を進んでいこうではありませんか。
企業
の収益を
雇用
の
拡大
や
所得
の
上昇
につなげる。それが、
消費
の増加を通じて、さらなる
景気回復
につながる。
経済
の好
循環
なくして、
デフレ脱却
はありません。
政府
、
労働界
、
経済界
が、一致協力して、賃金の
上昇
、非
正規雇用労働者
の
キャリアアップ
など具体的な
取り組み
を進めていく。
政労使
で、その認識を共有いたしました。
経済再生
に向けたチーム・
ジャパン
。みんなで頑張れば必ず
実現
できる。その
自信
を持って、
政府
も、
規制改革
を初め
成長戦略
を進化させ、力強く踏み出します。
国家戦略特区
が、三月中に具体的な
地域
を
指定
し、動き出します。
容積率規制
や
病床規制
など、長年
実現
しなかった
規制緩和
を行います。
企業実証特例制度
も、今月からスタート。フロンティアに挑む
企業
には、あらゆる
障害
を取り除き、
チャンス
を広げます。
設備投資減税
や
研究開発減税
も拡充し、
チャレンジ精神
を持って新たな
市場
に踏み出す
企業
を応援してまいります。
利益
を
従業員
に還元する
企業
を応援する税制を拡充します。
復興財源
を確保した上で、来年度から、
復興特別法人税
を廃止し、
法人実効税率
を二・四%引き下げます。
キャリアアップ助成金
を拡充し、
正規雇用労働者
への
ステップアップ
を促進してまいります。 この
国会
に問われているのは、
経済
の好
循環
の
実現
です。
景気回復
の実感を
全国
津々浦々にまで、
皆さん
、
届けよう
ではありませんか。 四月から
消費税率
が上がりますが、万全の
転嫁対策
を講ずることに加え、
経済対策
により持続的な
経済成長
を確保してまいります。 五兆五千億円に上る今年度
補正予算
の財源は、
税収
の上振れなど、この一年間の
成長
の果実です。国債の
追加発行
は行いません。 来年度
予算
でも、
基礎的財政収支
が、
中期財政計画
の
目標
を大きく上回る、五兆二千億円改善します。
経済
の
再生
なくして
財政再建
なし。
経済
の好
循環
をつくり上げ、国、
地方
の
基礎的財政収支
について、二〇一五年度までに二〇一〇年度に比べ赤字の対
GDP比
の半減、二〇二〇年度までに
黒字化
との
財政健全化目標
の
実現
を目指します。
独立行政法人
の
効率化
、
公務員制度改革
を初め、
行政改革
にもしっかりと取り組んでまいります。
社会保障関係費
が初めて三十兆円を突破しました。
少子高齢化
の
もと
、受益と
負担
の均衡がとれた
制度
へと、
社会保障改革
を不断に進めます。
ジェネリック医薬品
の普及を
拡大
します。
生活習慣病
の予防、
健康管理
なども進め、毎年一兆円以上ふえる
医療費
の
適正化
を図ってまいります。 その上で、
消費税率引き上げ
による
税収
は、全額、
社会保障
の
充実
、
安定化
に充てます。
世界
に冠たる
国民
皆
保険
、皆
年金
をしっかり次
世代
に引き渡してまいります。
年金財政
を安定させ、将来にわたって安心できる
年金制度
を
確立
します。
所得
が低い世帯の
介護保険
や
国民健康保険
などの
保険料
を軽減します。
地域
において、お年寄りの
皆さん
が必要としている、在宅での
医療
・
介護サービス
などを
充実
してまいります。 全
世代
型の
社会保障
を目指し、
子ども
・
子育て支援
を
充実
します。この国から
待機児童
をなくすため、来年度までに二十万人分、二〇一七年度までに四十万人分の保育の受け皿を整備してまいります。 昨年一人の女の子から届いた
手紙
を、私は今も忘れません。 今は中
学生
となった愛ちゃんは、
生まれつき小腸
が機能しない
難病
で、幼いころから普通の食事はしたことがありません。
iPS細胞
の
研究
への期待を込め、
手紙
は、こう結ばれていました。「
治療法
が見つかれば、とっても
未来
が明るいです。そして、何でも食べられるようになりたいです。」 この小さな声に応え、
未来
への
希望
をつくるのは、
政治
の
仕事
です。
難病
から
回復
して
総理大臣
となった私には、天命とも呼ぶべき
責任
があると考えます。
小児慢性特定疾患
を含む
難病対策
を大胆に強化します。
医療費助成
の
対象
を、
子供
は六百
疾患
、
大人
は三百
疾患
へと大幅に
拡大
。
難病
の
治療法
や
新薬開発
のための
研究
も、これまで以上に加速してまいります。 病院を見舞った私に、愛ちゃんがかわいらしい絵をくれました。「私は絵を描くのが好きで、将来、
絵本作家
になって、たくさんの
子供
を
笑顔
にしたいと思っています。」
難病
の
皆さん
が、将来に夢を抱き、その
実現
に向けて頑張ることができる
社会
をつくりたい。私は、心からそう願います。 二〇二〇年の
パラリンピック
。
日本
は、
障害者
の
皆さん
にとって、
世界
で最も生き生きと
生活
できる国にならねばなりません。
難病
や
障害
のある
皆さん
の誰もが生きがいを持って働ける
環境
をつくる。その特性に応じて、
職業訓練
を初め、きめ細やかな
支援体制
を整え、就労の
チャンス
を
拡大
してまいります。 元気で
経験
豊富な
高齢者
もたくさんいます。あらゆる人が、
社会
で活躍し、その
可能性
を発揮できる
チャンス
をつくる。そうすれば、
少子高齢化
の
もと
でも、
日本
は力強く
成長
できるはずです。 全ての
女性
が活躍できる
社会
をつくる。これは、
安倍内閣
の
成長戦略
の
中核
です。
仕事
と
子育て
が両立しやすい
環境
をつくります。小一の壁を突き破るべく、第一次
内閣
で始めた
放課後子どもプラン
を着実に実施してまいります。
家族
のきずなを大切にしつつ、男性の
育児参加
を促します。
育休給付
を、半年間五〇%から六七%に引き上げ、夫婦で半年ずつ取得すれば一年間
割り増し給付
が受けられるようにします。
子育て
に専念したい方には最大三年育休の選択肢を認めるよう
経済界
に要請しました。
政府
も、休業中の
キャリアアップ訓練
を支援します。一年半でも二年でも
子育て
した後は、職場に復帰してほしいと願います。
子育て
の
経験
を生かし、二十億円の
市場
を開拓した
女性
がいます。
子育て
も
一つ
の
キャリア
。家庭に専念してきた
皆さん
にも、その
経験
を
社会
で生かしてほしい。インターンシップや起業を支援します。
女性
を積極的に登用します。 二〇二〇年には、あらゆる
分野
で
指導的地位
の三割以上が
女性
となる
社会
を目指します。そのための
情報公開
を進めてまいります。まず隗より始めよ。
国家公務員
の採用は、
再来年度
から、全体で三割以上を
女性
にいたします。 全ての
女性
が、生き方に
自信
と誇りを持ち、持てる
可能性
を開花させる。
女性
が輝く
日本
を、
皆さん
、ともにつくり上げようではありませんか。
若者たち
には無限の
可能性
が眠っています。それを引き出す鍵は、
教育
の
再生
です。 いじめで悩む
子供たち
を守るのは、
大人
の
責任
です。
教育現場
の問題に的確で速やかな対応を行えるよう、
責任
の所在が曖昧な現行の
教育委員会制度
を抜本的に
改革
します。 公共の
精神
や豊かな
人間性
を培うため、道徳を特別の教科として位置づけることとし、
教員養成
など準備を進めてまいります。 全ての
子供たち
に必要な
学力
を保障するのも
公教育
の重要な役割です。
幼児教育
の
無償化
を段階的に進めます。教科書の改善に向けた
取り組み
を進めてまいります。
世界
一の
読解力
。十五歳の
子供たち
を
対象
とした国際的な
学力調査
で、
日本
の
学力
が過去最高となりました。
改正教育基本法
の
もと
、
全国学力テスト
を受けてきた
世代
です。第一次
内閣
以来の
公教育
の
再生
が、確実に成果を上げています。 やれば、できる。 二〇二〇年を
目標
に、中学校で
英語
を使って授業するなど、
英語教育
を強化します。目指すは、コミュニケーションがとれる使える
英語
を身につけること。来年度から試験的に開始します。
日本人
は、もっと
自信
を持って、自分の意見を言うべきだ。
立命館アジア太平洋大学
で、ミャンマーからの
留学生ミン
さんがこう語ってくれました。 教授も
学生
も、半分近くが
外国籍
。文化の異なる
人々
との
生活
は、
日本
の
若者たち
にすばらしい刺激となっています。 二〇二〇年を
目標
に、
外国人留学生
の
受け入れ数
を、二倍以上の三十万人へと
拡大
してまいります。 国立の八
大学
では、今後三年間で
外国人教員
を倍増します。
外国人教員
の
積極採用
、
英語
による授業の
充実
、
国際スタンダード
であるTOEFLを卒業の条件とするなど、
グローバル化
に向けた
改革
を断行する
大学
を支援してまいります。 意欲と能力のある全ての
若者
に
留学機会
を
実現
します。
学生
の
経済的負担
を軽減する仕組みをつくり、二〇二〇年に向けて、
日本人
の
海外留学
の倍増を目指します。
可能性
に満ちた
若者たち
を、グローバルな
舞台
で活躍できる人材へと育んでまいります。
世界
に目を向けることで、
日本
の中に眠るさまざまな
可能性
に改めて気づかされます。オープンな
世界
は、
日本
が
成長
する大きな
チャンス
です。 急
成長
する
新興国
では、道路も鉄道も必要です。水道や
電気
の
インフラ
を整え、
災害
に強い
都市開発
が
課題
です。
アジア
では、二〇二〇年までに八兆ドルもの
インフラ投資
が見込まれています。 その
世界
のニーズに応える力が
日本
にはあります。
エネルギー不足
や公害などの問題に取り組んできた
経験
があります。高い
環境技術
は、
世界
の
温暖化対策
にも貢献できるはずです。長年培ってきた
経験
や
技術
を、
世界
と、惜しむことなく、共有してまいります。
インフラ輸出機構
を創設します。 交通や
都市開発
といった
分野
で
海外市場
に飛び込む
事業者
を支援し、
官民一体
となって成約につなげます。十兆円の
インフラ売り上げ
を、二〇二〇年までに、三倍の三十兆円まで
拡大
してまいります。 昨年、シンガポールで、
日本専門チャンネル
、ハロー・
ジャパン
が開局。インドネシアでは、仮面ライダーが
子供たち
のヒーローに加わりました。
日本
の
コンテンツ
やファッション、
文化芸術
、伝統の
強み
に、
世界
が注目しています。ここにも
可能性
があります。
クールジャパン機構
を活用し、
コンテンツ
の
海外展開
や
地域ならでは
の産品の
海外売り込み
などを支援してまいります。
成長センター
である
アジア太平洋
に
一つ
の
経済圏
をつくる。TPPは、大きな
チャンス
であり、まさに
国家
百年の計です。
企業活動
の国境をなくす。関税だけでなく、
知的財産
、
投資
、
政府調達
など、野心的な
テーマ
について厳しい
交渉
を続けています。
同盟国
でもあり
経済大国
でもある米国とともに、
交渉
をリードし、攻めるべきは攻め、守るべきは守るとの原則の
もと
、国益にかなう最善の判断をしてまいります。
アジア
と
日本
をつなぐゲートウエー、それは
沖縄
です。 舟楫をもって万国の
津梁
となし、万
国津梁
の鐘にはこう刻まれています。古来、
沖縄
の
人々
は、自由な海を駆け回り、
アジア
の
かけ橋
となってきました。 そして、今、自由な空を
舞台
に、
沖縄
が二十一
世紀
の
アジア
の
かけ橋
となるときです。
アジア
との物流のハブであり、
観光客
を迎える
玄関口
として、那覇空港第二
滑走路
は、
日本
の
成長
のために不可欠です。予定を前倒しし、今月から着工いたしました。工期を短縮し、二〇一九年度末に供用を開始します。 高い
出生率
、豊富な
若年労働力
など、
成長
の
可能性
が満ちあふれる
沖縄
は、二十一
世紀
の
成長モデル
。二〇二一年度まで毎年三千億円台の
予算
を確保し、
沖縄
の
成長
を後押ししてまいります。
沖縄科学技術大学院大学
には、
世界じゅう
から、卓越した
教授陣
と
学生たち
が集まります。さらなる拡充に
取り組み
、
沖縄
の地に
世界
一の
イノベーション拠点
をつくり上げてまいります。 ITやロボットには、
競争力
を劇的に伸ばす力があります。メタンハイドレートは、
日本
を
資源大国
に変えるかもしれません。海洋や宇宙、
加速器技術
への挑戦は、
未来
を切り開きます。
イノベーション
によって
日本
に新たな
可能性
をつくり出す気概が必要です。
世界じゅう
から超一流の
研究者
を集めるため、
研究者
の処遇など
世界最高
の
環境
を整えた、新たな
研究開発法人制度
をつくります。
経済社会
を一変させる挑戦的な
研究開発
を大胆に支援します。年度にとらわれない
予算執行
を可能とし、長期にわたる、腰を据えた
研究
が行える
環境
を保障します。
日本
を、
世界
で最も
イノベーション
に適した国としてまいります。
世界シェア
三割。誰にもまねのできない薄いメッキをつくる
イノベーション
は、墨田区にある
従業員
九人の
町工場
から生まれました。
日本
の
イノベーション
を支えてきたのは、大
企業
の厳しい要求に高い
技術力
で応える、こうした中小・
小規模事業者
の底力です。
ものづくり補助金
を大胆に拡充します。
物づくり
のための
設備
だけではなく、新たな商業、
サービス
を展開するための
設備
に対する
投資
も支援してまいります。あわせて、
個人保証偏重
の慣行も改めてまいります。 ソニーもホンダも、ベンチャー
精神
あふれる
小規模事業者
からスタートしました。
小規模事業者
がどんどん活躍できる
環境
をつくるための
基本法
を制定し、
小規模事業者支援
に本腰を入れて乗り出します。
iPS細胞
を初め
再生医療
、創薬の
分野
で、
日本
は
強み
を持っています。しかし、未踏の
技術開発
には、リスクも高く、
民間企業
は二の足を踏みがちです。
日本版NIH
を創設します。
医療分野
の
研究開発
の司令塔です。
難病
など不治の病に対し、
官民一体
で
基礎研究
から
実用化
まで一貫して
取り組み
、革新的な
治療法
、
医薬品
、
医療機器
を
世界
に先駆けて生み出してまいります。
電力システム改革
を前進させ、
電気
の小売を全面自由化します。 全ての
消費者
が自由に
電力会社
を選びます。
ベンチャー意欲
の高い
皆さん
に参入してもらい、
コスト高
、供給不安といった
課題
を解決する、ダイナミックな
イノベーション
を起こしてほしいと願います。 これまでの
エネルギー戦略
をゼロベースで見直し、
国民生活
と
経済活動
を支える、
責任
ある
エネルギー政策
を構築します。
原子力規制委員会
が定めた
世界
で最も厳しい水準の
安全規制
を満たさない限り、
原発
の再稼働はありません。徹底した
省エネルギー社会
の
実現
と、
再生可能エネルギー
の最大限の導入を進め、
原発依存度
は、可能な限り低減させてまいります。 さて、ことしは、
地方
の
活性化
が
安倍内閣
にとって最重要の
テーマ
です。
地方
が持つ大いなる
可能性
を開花させてまいります。
地方経済
の
中核
は
農林水産業
です。おいしくて安全な
日本
の
農水産物
は、
世界じゅう
どこでも
大人
気。必ずや
世界
に羽ばたけるはずです。
農地集積バンク
が動き出します。
農地
を集約し、
生産現場
の
構造改革
を進めます。さらに、四十年以上続いてきた米の
生産調整
を見直します。いわゆる減反を廃止します。需要のある作物を振興し、
農地
の
フル活用
を図ります。
規模拡大
に伴って
負担
が増す水路や農道など
多面的機能
の維持のため、新たに
日本
型直接支払いを創設します。
農地
の
規模拡大
を後押しし、美しい
ふるさと
を守ります。
経営マインド
を持ったやる気ある担い手が、あすの
農業
を切り開きます。彼らが安心と
希望
を持って活躍できる
環境
を整えることこそ、
農業
、農村全体の
所得倍増
を
実現
する道だと信じます。
農林水産業
を、
若者
に魅力のある、
地方
の
農山漁村
を支える
成長産業
とするため、食料・
農業
・
農村基本計画
を見直し、農政の大
改革
を進めてまいります。
人口減少
が進む中においても、元気な
地方
をつくる。これは、大いなる挑戦であります。 自主性と自立性を高めることで、個性豊かな
地方
が生まれます。一次
内閣
で始めた第二次
地方
分権
改革
の集大成として、
地方
に対する権限移譲や
規制緩和
を進めます。 行政
サービス
の質と量を確保するため、人口二十万人以上の
地方
中枢
拠点
都市と周辺市町村が柔軟に連携する、新たな広域連携の
制度
をつくります。中心市街地に
生活
機能を集約し、あわせて
地方
の公共交通を
再生
することにより、町全体の
活性化
につなげてまいります。 中山間地や離島といった
地方
にお
住まい
の
皆さん
が、伝統ある
ふるさと
を守り、美しい
日本
を支えています。 活力ある
ふるさと
の
再生
こそが、
日本
の元気につながります。こうした
地域
で、都道府県が福祉や
インフラ
の維持などを支援できる仕組みを整えます。都市に偏りがちな
地方
法人
税収
を再分配する仕組みをつくり、過疎に直面する
地方
においても財源を確保してまいります。
地方
には、特色ある産品や、伝統、観光資源などの
地域
資源があります。そこに
成長
の
可能性
があります。
地域
資源を生かして新たなビジネスにつなげようとする中小・
小規模事業者
を応援します。 昨年、外国人
観光客
一千万人
目標
を達成いたしました。
北海道
や
沖縄
では、昨年夏、外国人宿泊者が八割もふえました。観光立国は、
地方
にとって絶好の
チャンス
です。タイからの
観光客
は、昨年夏、ビザを免除したところ、前年比でほぼ倍増です。 やれば、できる。 次は二千万人の高みを目指し、外国人旅行者に不便な規制や
障害
を徹底的に洗い出します。フランスには、毎年八千万人の外国人
観光客
が訪れます。
日本
にもできるはずです。二〇二〇年に向かって、
目標
を
実現
すべく努力を重ねてまいります。
日本人
の
サービス
は
世界
一、一千万人目としてタイから来日したパパンさんの言葉です。
日本
のおもてなしの心は、外国の
皆さん
にも伝わっています。 昨年は、富士山や和食がユネスコの
世界
遺産に登録されました。
日本
ブランドは、
海外
から高い信頼を得ています。観光立国を進め、活力に満ちあふれる
地方
を、
皆さん
、つくり上げようではありませんか。 そのブランドが揺らぎかねない事態が起きています。ホテルなどで表示と異なる食材が使用されていた偽装問題については、不正表示への監視指導体制を強化します。 悪質商法による
高齢者
被害の
防止
にも
取り組み
、
消費者
の安全、安心を確保してまいります。
日本
を
世界
一安全な国にしていかなければなりません。 近年多発するストーカー事案には、警察や婦人相談所などが連携して被害者の安全を守る体制を整え、加害者の再犯
防止
対策
も実施します。
社会
を脅かす暴力団やテロ、サイバー空間の脅威への
対策
も進め、良好な治安を確保してまいります。 昨年は、自然
災害
により、大きな被害が相次いで発生しました。
災害
から人命を守り、
社会
の機能を維持するため、危機管理を徹底するとともに、大規模建築物の耐震改修や、治水
対策
、避難計画の作成や防災
教育
など、ハードとソフトの両面から、事前防災、減災、老朽化
対策
に
取り組み
、優先順位をつけながら国土強靱化を進めます。 伊豆大島への
災害
派遣。活動中に御位牌を発見した自衛隊員は、泥をみずからの水筒の水で洗い、きれいに拭き取りました。 その様子をテレビで見た方から、自衛隊に
手紙
が寄せられました。「本当に涙が出ました。あの過酷な条件の中で自衛隊員の心の優しさに感動しました。」その
手紙
は、こう続きます。「私はもう八十歳になりますが、戦争を知っている
世代
としては最後の
世代
ではなかろうかと思います。このようにたくましく、また、心優しい自衛隊員がおられる
日本
は安心です。」 自衛隊は、何物にもかえがたい
国民
の信頼をかち得ています。黙々と任務を果たす彼らは、私の誇りです。 海を挟んだ隣国フィリピンの台風被害でも、千二百人規模の自衛隊員が緊急支援を行いました。 避難する方々を乗せたC130輸送機は、マニラ到着とともに、乗客の大きな拍手に包まれました。サンキュー、サンキュー、
子供たち
は何度もそう言いながら、隊員
たち
に握手を求めてきたそうです。
日本
の自衛隊を、
日本
だけでなく、
世界
が頼りにしています。
世界
のコンテナの二割が通過するアデン湾でも、海賊
対処
行動に当たる自衛隊、海上保安庁は、
世界
から高い評価を受けています。 ことしは、ODA六十周年。
日本
は、戦後間もないころから、
世界
に支援の手を差し伸べてきました。
医療
・保健
分野
などで
生活
水準の向上にも貢献してきました。
女性
の活躍を初め人間の安全保障への
取り組み
を、先頭に立って進めています。 シリアでは、化学兵器の廃棄に協力しています。イランの核問題では、平和的解決に向けた独自の働きかけを行っています。 こうした活動の全てが、
世界
の平和と安定に貢献します。これが積極的平和主義です。
我が国
初の
国家
安全保障戦略を貫く基本思想です。その司令塔が
国家
安全保障
会議
です。 戦後六十八年間守り続けてきた
我が国
の平和
国家
としての歩みは、今後とも変わることはありません。 集団的自衛権や集団安全保障などについては、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会の報告を踏まえ、対応を検討してまいります。 先月
東京
で開催した日・ASEAN特別首脳
会議
では、多くの国々から積極的平和主義について支持を得ました。ASEANは、繁栄のパートナーであるとともに、平和と安定のパートナーです。 中国が、一方的に防空識別区を設定しました。尖閣諸島周辺では、領海侵入が繰り返されています。力による現状変更の試みは、決して受け入れることはできません。引き続き、毅然かつ冷静に対応してまいります。 新たな防衛大綱の
もと
、南西
地域
を初め、
我が国
周辺の広い海、そして空において、安全を確保するため、防衛態勢を強化してまいります。 自由な海や空がなければ、
人々
が行き交い、活発な貿易は期待できません。民主的な空気が、
人々
の
可能性
を開花させ、
イノベーション
を生み出します。 私は、自由や民主主義、人権、法の支配の原則こそが
世界
に繁栄をもたらす基盤であると信じます。
日本
が、そして
世界
がこれからも
成長
していくために、こうした基本的な価値を共有する国々と連携を深めてまいります。 その基軸が日米同盟であることは、言うまでもありません。
世界
の市民同胞の
皆さん
、米国があなたのために何をするかを問うのではなく、我々が人類の自由のために一緒に何ができるかを問うてほしい。昨年着任されたキャロライン・ケネディ米国大使の父、ケネディ元大統領は、就任に当たって
世界
にこう呼びかけました。 半
世紀
以上を経て、
日本
はこの呼びかけに応えたい。国際協調主義に基づく積極的平和主義の
もと
、
日本
は、米国と手を携え、
世界
の平和と安定のために、より一層積極的な役割を果たしてまいります。 在日米軍再編については、抑止力を維持しつつ、基地
負担
の軽減に向けて、全力で進めてまいります。 特に、学校や
住宅
に近く、市街地の真ん中にある普天間飛行場については、名護市辺野古沖の埋立申請が承認されたことを受け、速やかな返還に向けて
取り組み
ます。同時に、移設までの間の危険性除去が極めて重要な
課題
であり、オスプレイの訓練移転など、
沖縄
県外における努力を十二分に行います。
沖縄
の方々の気持ちに寄り添いながら、できることは全て行うとの姿勢で取り組んでまいります。 さて、総理就任から一年ほどで、十五回
海外
に出かけ、三十カ国を訪問し、延べ百五十回以上の首脳会談を行いました。 ロシアのプーチン大統領とは四度首脳会談を行い、外務・防衛閣僚協議も開催されました。個人的な信頼関係の
もと
で、安全保障、
経済
を初めとする協力を進めるとともに、平和条約締結に向けた
交渉
にしっかりと
取り組み
、
アジア太平洋
地域
のパートナーとしてふさわしい関係を構築してまいります。 トルコのエルドアン首相とは、三度の首脳会談を通じ、地下鉄、橋などの交通システム、
原子力
、
科学技術
分野
における人材育成など、多岐にわたる協力で合意し、戦略的パートナーシップは着実に前進しています。 直接会って信頼関係を築きながら、
一つ
一つ
前に進む。いかなる
課題
があっても、首脳同士が膝詰めで話をすることで物事が大きく動く。昨年は、トップ
外交
の重要性を改めて実感しました。 ことしも、地球儀を俯瞰する視点で、戦略的なトップ
外交
を展開してまいります。 中国とは、残念ながら、いまだに首脳会談が
実現
していません。しかし、私の対話のドアは常にオープンであります。
課題
が解決されない限り対話をしないという姿勢ではなく、
課題
があるからこそ対話をすべきです。
日本
と中国は、切っても切れない関係。戦略的互恵関係の原点に立ち戻るよう求めるとともに、関係改善に向け、努力を重ねてまいります。 韓国は、基本的な価値や
利益
を共有する、最も重要な隣国です。日韓の良好な関係は、両国のみならず、東
アジア
の平和と繁栄にとって不可欠であり、大局的な観点から協力関係の構築に努めてまいります。
北朝鮮
には、拉致、核、ミサイルの諸懸案の包括的な解決に向けて具体的な行動をとるよう、強く求めます。 拉致問題については、全ての拉致被害者の御
家族
が御自身の手で肉親を抱き締める日が訪れるまで、私の使命は終わりません。
北朝鮮
に対話と圧力の方針を貫き、全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国、拉致に関する真相究明、拉致実行犯の引き渡しの三点に向けて、全力を尽くしてまいります。 今月、アフリカ三カ国を訪問しました。力強く
成長
するアフリカは、
日本
外交
の新たなフロンティアです。
日本
は、
インフラ
、人材育成といった
分野
で、アフリカの
人々
のため、一層の貢献をしてまいります。 アフリカの
人々
のため、八十七年前、アフリカに渡った一人の
日本人
がいました。野口英世博士です。 志を得ざれば再びこの地を踏まず。
ふるさと
福島
から
世界
に羽ばたき、黄熱病
研究
のため、周囲の反対を押し切ってガーナに渡り、そして、その地で黄熱病により殉職。人生の最期の瞬間まで医学に対する熱い初心を貫きました。 我々が国
会議
員となったのも、志を得るため。この国をよくしたい、
国民
のために力を尽くしたいとの思いからであったはずです。 改めて申し上げます。 全ては
国家
国民
のため、互いに寛容の心を持って、建設的な議論を行い、結果を出していくことが、私
たち
国
会議
員に課せられた使命であります。一年前、私は、この場所でこう申し上げました。 今や、自由民主党と公明党による連立与党は、衆参両院で多数を持っております。しかし、私の信念は、今なお変わることはありません。 私
たち
連立与党は、政策の
実現
を目指す
責任
野党とは、柔軟かつ真摯に政策協議を行ってまいります。そうした努力を積み重ねることで、定数削減を含む選挙
制度
改革
も、
国会
改革
も、そして憲法改正も、必ずや前に進んでいくことができると信じております。
皆さん
、ぜひとも、国
会議
員となったときの熱い初心を思い出していただき、建設的な議論を行っていこうではありませんか。最後にこうお願いして、私の
施政方針
演説
といたします。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
—————————————
伊吹文明
11
○
議長
(
伊吹文明
君) 次に、
外交
演説
。
外務大臣
岸田文雄君。 〔
国務大臣
岸田文雄君登壇〕
岸田文雄
12
○
国務大臣
(岸田文雄君) 第百八十六回
国会
の開会に当たり、
外交
の基本方針について所信を申し述べます。 この一年間で、国際
社会
における
我が国
への期待は確実に高まっています。自由、民主主義、基本的人権のみならず、法の支配を重視し、
アジア太平洋
地域
は
もと
より、中東、アフリカ、欧州、中南米に至るまで、
世界
全体の平和と繁栄の
実現
のためひたむきに努力するという
我が国
の姿勢に対し国際
社会
の支持が着実に広がっていることを、
外務大臣
として
世界
各国を訪問する中で、強く実感いたしました。 一方、
我が国
を取り巻く安全保障
環境
は一層厳しさを増しています。 本年も、日米同盟の強化、近隣諸国との協力関係の重視、そして
日本経済
の
再生
に資する
経済
外交
の強化といった三本柱を軸とした
外交
を引き続き強力に推進し、国益の増進に全力を尽くします。また、グローバルな
課題
への貢献を通じた
世界
全体の
利益
の増進のため、一層積極的に
取り組み
ます。 来年は、戦後七十周年を迎えます。
我が国
が戦後守り続けてきた自由、民主主義、人権、法の支配は、
国民
に深く浸透し、
国家
の根本を支える柱となっています。近隣諸国との間で歴史認識をめぐる議論がありますが、
日本
政府
の歴史認識に変わりはありません。また、平和
国家
としての歩みは、今後も堅持していきます。こうした基本的立場について、各国に丁寧に説明していく考えです。 国際的にも、来年は、開発
課題
、気候変動、軍縮、防災等、さまざまな
分野
で重要な節目の年となります。 国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、
世界
の平和、安定及び繁栄に、
外交
力を最大限活用して、これまで以上に積極的に貢献してまいります。
国家
安全保障
会議
という司令塔の
もと
で、
国家
安全保障戦略に基づき、積極的平和主義を推進し、
アジア太平洋
地域
及び国際
社会
における
日本
外交
の存在感を力強く示してまいります。 この一年、地球儀を俯瞰する
外交
を展開する中で、ASEANを初めとする
アジア太平洋
諸国、ロシア、欧州、中南米、中東、アフリカ等との関係強化に努めてまいりました。
アジア太平洋
地域
の安全保障
環境
が一層厳しさを増す中で、
日本
外交
の基軸たる日米同盟の重要性は一層高まっています。 安倍政権発足以来、日米間の頻繁な要人往来を通じて具体的な成果を得ています。今後も、
日本
外交
の第一の柱として、日米同盟をあらゆる
分野
で強化してまいります。 安全保障
分野
においては、昨年のいわゆる2
プラス
2の成果に沿って、日米防衛協力のための指針の見直しを初め、安全保障、防衛協力を確実に進め、抑止力を一層向上させます。 また、在日米軍再編を現行の日米合意に従って進めながら、
沖縄
の
負担
軽減のため、できることは全て行うとの方針で全力で
取り組み
ます。 特に普天間飛行場については、その危険性の除去が極めて重要な
課題
であるとの認識の
もと
、一日も早い移設に向けて
政府
として取り組んでまいります。 第二の柱は、近隣諸国との協力関係の重視です。 中国とは、国交正常化以来四十年以上にわたり、隣国同士、あらゆる
分野
で関係強化に努めてきました。中国の平和的な発展は、
我が国
にとって
利益
であり、
チャンス
です。日中関係は最も重要な二国間関係の
一つ
であり、両国は、
地域
と国際
社会
の平和と安定のために
責任
を共有しています。日中両国、そして
地域
の
利益
のためにも、戦略的互恵関係の原点に立ち戻り、関係改善を図ってまいります。 一方、中国の軍事力強化に関する透明性の向上を求めるとともに、中国公船による尖閣諸島沖領海内への侵入や、中国による東シナ海防空識別区の設定などの、力を背景とした一方的な現状変更の試みについては、
我が国
の領土、領海、領空は断固として守り抜くとの決意の
もと
、引き続き、毅然かつ冷静に
取り組み
ます。 最も重要な隣国である韓国との関係強化は、
地域
の平和と繁栄の確保という両国の共通の
利益
にとって不可欠であり、安倍政権の優先事項です。引き続き、さまざまなレベルで意思疎通を積み重ねるとともに、冷静に問題に
対処
し、相互に敬意を払い、大局的観点から、来年の国交正常化五十周年にふさわしい、
未来
志向で重層的な協力関係を構築すべく、粘り強く
取り組み
ます。 日韓間の貿易・
投資
や、第三国における日韓
企業
間の協力の推進など、
経済
関係も一層強化していきます。
我が国
の固有の領土である竹島については、引き続き、
我が国
の主張をしっかりと伝え、粘り強く対応します。 日・ASEAN友好協力四十周年を迎えた昨年、日・ASEAN関係は大きく発展しました。安倍
総理大臣
はASEAN全加盟国を訪問し、私も全加盟国の外相と会談し、十二月には
東京
で成功裏に特別首脳
会議
を開催いたしました。この成果の上に、本年の
議長
国であるミャンマーを初めとするASEAN各国との協力関係をさらに強化いたします。 さらに、インド及びオーストラリアなどと、安全保障、
経済
等、さまざまな
分野
で協力を深化させるとともに、モンゴル、太平洋島嶼国との関係も強化いたします。 こうした近隣諸国との関係とあわせ、本年最初の訪問国となったスペイン、フランスを含む欧州や中南米との協力を推進し、これら
地域
との対話の枠組みも積極的に活用します。 昨年四月、安倍
総理大臣
は、十年
ぶり
にロシアを公式訪問し、それ以降、半年で四度の首脳会談を重ね、十一月には史上初となる2
プラス
2の開催をするなど、日ロ関係全体を底上げし、今後への弾みと方向性を示すことができました。 ロシアとは、
地域
のパートナーとしての関係を発展させるべく、首脳レベルを初めとした
政治
対話を進め、安全保障、
経済
等、あらゆる
分野
での協力の進展を図ります。 最大の懸案である北方領土問題については、両国の立場に依然大きな隔たりがありますが、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結すべく、粘り強く
交渉
に
取り組み
ます。
北朝鮮
の動向については、引き続き、情報収集と分析に努め、対応に万全を期します。
北朝鮮
による核・ミサイル開発の継続は、
地域
と国際
社会
全体の平和と安全に対する重大な脅威です。関係国と連携しつつ、
北朝鮮
に対し、国連安保理決議及び六者会合共同声明に基づく具体的行動を引き続き強く求めます。
我が国
としては、対話と圧力の方針の
もと
、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向けて
取り組み
ます。拉致問題の解決なくして国交正常化はあり得ないとの方針の
もと
、国際
社会
とも協力しつつ、現政権下での完全解決に全力を尽くします。 第三の柱は、
日本経済
の
再生
に資する
経済
外交
の強化です。 昨年末に私を本部長として立ち上げた
日本
企業
支援推進本部の
もと
で、トップセールスを含め、
日本
企業
の
海外展開
支援を一層強力に進めます。ODAを活用した
インフラ
システム輸出も推進します。
海外
における
日本人
と
日本
企業
の安全
対策
の強化にも引き続き
取り組み
ます。 また、国益にかなった高いレベルの
経済
連携を戦略的かつスピード感を持って推進し、TPP
交渉
については、引き続き早期妥結に向けて
取り組み
ます。
日本
産品の
海外
への普及促進や、風評被害
対策
にも注力します。 さらに、エネルギー、鉱物資源、食料等の安定的な確保のため、資源
外交
を強化します。 また、WTOやAPEC、G8、G20などを活用し、
経済
分野
での国際的ルールの整備と実施に積極的に
取り組み
ます。
我が国
のOECD加盟五十周年となる本年、閣僚理事会の
議長
国としての役割を果たします。 また、グローバルな
課題
についても、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、一層の貢献を果たします。 まず、唯一の戦争被爆国として、核兵器不拡散条約を基礎とした国際的な核軍縮・不拡散体制の維持強化に貢献するとともに、現実的で実践的な
取り組み
を積み重ね、核兵器のない
世界
に向け、国際
社会
の
取り組み
を主導いたします。この関連で、四月に広島で軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)外相会合を開催いたします。 また、国際的な
原子力
安全の強化にも引き続き
取り組み
ます。 イランの核問題については、包括的解決のための最終的な合意の形成とその実施に向けて、国際
社会
と連携しつつ、イランとの伝統的友好関係に基づく働きかけを継続いたします。 次に、
女性
が輝く
社会
の
実現
は、
世界
共通の
課題
です。 昨年九月、国連総会において表明した
我が国
の支援策は、国際
社会
から高く評価されています。
女性
の力を十分に引き出し、
世界
に活力をもたらすべく、国際
社会
との協力や途上国支援を強化します。 また、
女性
・平和・安全保障に関する行動計画を、市民
社会
の方々とともに策定しています。 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約、ハーグ条約が間もなく
我が国
について発効することを踏まえ、条約の適切な実施に
取り組み
ます。 ODA六十周年に当たる本年、積極的平和主義の立場から、ODAを一層戦略的に展開します。 ミレニアム開発
目標
の達成や、人間の安全保障を指導理念とする、効果的な、ポスト二〇一五年開発アジェンダの構築を目指します。特に、国際保健
外交
戦略に基づき、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジを推進いたします。
我が国
は、昨年のフィリピン台風被害に対し、過去最大規模の自衛隊派遣等の支援を行ってきていますが、
災害
救援・防災
分野
の国際協力を推進し、来年三月に仙台市で開催する国連防災
世界
会議
につなげてまいります。 また、攻めの地球温暖化
外交
戦略の
もと
、気候変動の新たな国際枠組みの構築に向け、途上国支援等を効果的に活用しつつ、国際的議論を主導いたします。 国際的重要性を増すアフリカに対しては、安倍
総理大臣
のアフリカ訪問も踏まえ、昨年のTICAD5で表明した支援策を着実に実施し、ウイン・ウインのパートナーシップ構築を目指します。
我が国
は、開かれ安定した海洋の発展と公海における上空飛行の自由の確保に向け、主導的な役割を果たします。 また、組織犯罪
対策
を含む国際テロ
対策
を強化するとともに、宇宙やサイバー空間における法の支配の
確立
に向け、国際的な規範づくりを推進いたします。
我が国
は、南スーダンを含め、国連平和維持活動(PKO)にさらに貢献し、要員派遣や人材育成などを通じて、平和維持、平和構築を推進いたします。 シリア情勢の改善に向け、先般出席したジュネーブ2を通じた
取り組み
や、人道支援、化学兵器廃棄に向けた協力を通じて、可能な限り貢献を行います。また、アフガニスタンについて、これまでに表明した支援を着実に実施いたします。 中東和平プロセスについては、平和と繁栄の回廊構想などを通じ、和平
交渉
を後押ししていきます。 国連創設七十周年となる来年を見据え、二〇一五年安保理非常任理事国選挙に万全を期すとともに、安保理
改革
を早期に
実現
し、
我が国
も常任理事国として貢献していきたいと考えます。国連などの国際機関の
日本人
職員の増強にも
取り組み
ます。 また、国際
社会
での
我が国
の存在感を一層高め、信頼される
日本
の姿がさらに理解されるよう、
我が国
の立場や考え方を戦略的に対外発信するとともに、和食を含む
文化
の発信や、
若者
を初めとする人的交流、
日本
語の普及の促進などを通じて、ソフトパワーのさらなる
充実
を図ります。 昨年の訪日外国人数は、
政府
目標
の一千万人を上回り、過去
最高
を記録しました。ビザ緩和などの措置を通じて、観光立国推進に
取り組み
ます。 さらに、二〇二〇年オリンピック・
パラリンピック
東京
大会の成功に向け、スポーツを通じた国際貢献策を着実に実施するなど、外務省としても最大限取り組んでまいります。 このように多岐にわたる
外交
課題
に適切に
対処
するため、
外交
実施体制を含む
我が国
の総合的な
外交
力を引き続き強化していきます。 戦後の
我が国
の平和
国家
としての歩みは、国際
社会
における高い評価と尊敬をかち得てきました。こうした歩みを堅持しつつ、今後は、国際協調主義に基づく積極的平和主義の
もと
、平和で繁栄した
世界
の
実現
に向け、
我が国
ならではの貢献を一切惜しみません。 私は、そのことが
我が国
の立場に対する理解を一層深め、国際
社会
からの信頼をさらに揺るぎないものにすると確信をしております。今後も、
我が国
を守り、
世界
の平和と繁栄を
実現
するための
外交
を全力で推進してまいります。
議員
各位、そして
国民
の皆様の御支援と御協力を心よりお願いいたします。(拍手)
—————————————
伊吹文明
13
○
議長
(
伊吹文明
君) 次に、
財政
演説
。
財務大臣
麻生太郎君。 〔
国務大臣
麻生太郎君登壇〕
麻生太郎
14
○
国務大臣
(麻生太郎君)
平成
二十五
年度
補正予算
及び
平成
二十六
年度
予算
の御審議に当たり、
財政
政策等の基本的な考えについて所信を申し述べますとともに、
予算
の大要を御説明させていただきます。 発足から一年、第二次
安倍内閣
におきましては、
デフレ
不況からの早期脱却と
経済再生
を図るため、大胆な金融政策、機動的な
財政
政策、民間
投資
を喚起する
成長戦略
の三本の矢を一体として強力に推進してまいりました。その政策の効果もあって、実質
GDP
が四
四半期連続
で
プラス成長
になり、物価についても底がたく推移するなど、
日本経済
は着実に上向いております。 まずは、このような
景気回復
に向けた動きや
デフレ
不況からの脱却への期待を確実な
成長
軌道につなげていく必要があろうと存じます。 このため、第三の矢である
日本
再興戦略の実行を加速、強化してまいります。同時に、
政府
、経営者、労働者が、
経済
の好
循環
実現
に向けた
政労使
会議
における取りまとめに基づいて、それぞれの役割を果たしつつ、互いに連携して
取り組み
を進めてまいります。 これにより、
企業
収益の
拡大
を賃金
上昇
、
雇用
・
投資
拡大
につなげ、
消費
拡大
や
投資
の増加を通じてさらなる
企業
収益の
拡大
を促すという
経済
の好
循環
を
実現
することが重要であろうと存じます。 これらの
取り組み
により、
保険料
収入や
税収
の基盤でもある強い
経済
を取り戻し、あわせて、
消費税率
を引き上げることにより、
社会保障
の安定
財源
を確保しつつ、持続可能な
社会保障
制度
を構築し、次
世代
に引き継いでいきます。 本年四月に実施する
消費税率
の引き上げに際しましては、反動減を緩和して景気の下振れリスクに対応するとともに、その後の
経済
の
成長
力の底上げと好
循環
の
実現
を図り、持続的な
経済成長
につなげるための施策を講じます。 具体的には、昨年十月一日に閣議決定をいたしました
経済
政策パッケージに基づき、好
循環
実現
のための
経済対策
及び
平成
二十五
年度
補正予算
の概算を決定いたしました。
平成
二十六
年度
予算
、税制改正とあわせ、
消費税率引き上げ
による影響を緩和するための
取り組み
を、
転嫁対策
とともに着実に進めてまいります。
日本
銀行が現在取り組んでおります金融緩和を円滑に進めるため、また、今後、民需主導の持続的な
経済成長
を
実現
する上でも、
日本
の
財政
に対する信認を維持することは重要であります。 一方、
日本
の
財政
状況は、
デフレ
不況や
少子高齢化
等の要因によって悪化が続いてまいりました。それに加えて、リーマン・ショック後の
経済
危機への対応などにより、近年さらに悪化が進み、歴史的に見ても、諸外国との比較においても、極めて厳しい状況にあります。
財政
への信認を確保することで
人々
の将来への不安を払拭し、持続的な
経済成長
につなげていく必要があります。 こうした点を踏まえ、
政府
としては、国、
地方
を合わせた
基礎的財政収支
につきまして、二〇一五
年度
までに赤字の対
GDP比
を二〇一〇
年度
の水準から半減、二〇二〇
年度
までに
黒字化
するという
財政健全化目標
を掲げております。今後、これらの
目標
を着実に達成していくために、引き続き
税収
を
拡大
させるとともに、各
年度
継続して歳出を
効率化
していく必要があろうと存じます。 こうした考え方の
もと
、
中期財政計画
に沿って、今後とも、歳出歳入両面において最大限の努力を行ってまいります。 次に、好
循環
実現
のための
経済対策
等を実施するために今
国会
に提出をいたしました
平成
二十五
年度
補正予算
の大要について申し述べます。 好
循環
実現
のための
経済対策
につきましては、一般会計において、総額で五兆四千七百四十四億円の
財政
支出を行うこととしております。その内容としては、
競争力
強化策に係る経費に一兆三千九百八十億円、
女性
・
若者
・
高齢者
・
障害者
向け施策に係る経費に三千五億円、防災・安全
対策
の加速に係る経費に一兆一千九百五十八億円、低
所得
者・
子育て
世帯への影響緩和、駆け込み需要及び反動減の緩和に係る経費に六千四百九十三億円、
東日本大震災
復興
特別会計への繰り入れとして一兆九千三百八億円を計上いたしております。 そのほか、
地方
交付税
交付金
として一兆一千六百八億円、国際分担金などのその他の経費として三千六百三十六億円を計上しております。 これらの歳出を賄うため、歳出面におきましては、既定経費を一兆五千三百三十四億円減額することとしており、歳入面におきましては、
税収
で二兆二千五百八十億円、税外収入で三千六百九十四億円の増収を見込むほか、前
年度
剰余金を二兆八千三百八十一億円計上しております。これらにより、国債の
追加発行
をせずに、
経済対策
等の
財源
を確保することといたしております。 こうした結果、
平成
二十五
年度
一般会計
予算
の総額は、歳入歳出ともに当初
予算
から五兆四千六百五十四億円増加し、九十八兆七百七十億円となります。 また、特別会計
予算
等につきましても所要の補正を行うことといたしております。
平成
二十五
年度
財政
投融資計画につきましては、好
循環
実現
のための
経済対策
を踏まえ、総額一千三百八億円を追加しております。 続いて、
平成
二十六
年度
予算
及び税制改正の大要を御説明申し上げます。
平成
二十六
年度
予算
は、
デフレ
不況からの脱却、
経済再生
と
財政
健全化をあわせて目指す
予算
であり、
平成
二十五
年度
補正予算
と一体として、
日本
の
競争力
の強化につながる
未来
への
投資
や、
生活
の基盤を守る暮らしの安全、安心といった事項に
予算
を重点化させていただいております。 また、
社会保障
・税一体
改革
を
実現
する最初の
予算
でもあり、
消費
税増収分を活用し、
社会保障
の
充実
と
安定化
を図ります。
基礎的財政収支
対象
経費は七十二兆六千百二十一億円であり、これに国債費二十三兆二千七百二億円を合わせた一般会計総額は、九十五兆八千八百二十三億円となっております。 一方、歳入につきましては、租税等の収入は五十兆十億円、その他収入は四兆六千三百十三億円を見込んでおります。また、公債金は四十一兆二千五百億円となっており、前
年度
当初
予算
に対し、一兆六千十億円の減額を行っております。 この結果、国の一般会計における
基礎的財政収支
につきましては、
中期財政計画
における
平成
二十六
年度
及び
平成
二十七
年度
の各
年度
四兆円程度改善との
目標
を大きく上回る、五兆二千四百七億円の改善を
実現
いたしております。 次に、主要な経費について申し述べます。
社会保障関係費
につきましては、
消費
税増収分を活用し、
社会保障
の
充実
を行います。 具体的には、国分の
消費
税収
の使途が
高齢者
三経費から
社会保障
四経費に
拡大
されることにあわせ、
待機児童
解消加速化プランによる保育の受け皿
拡大
や、
難病
の
対象
疾患
の拡充など、
若者
、
女性
、現役
世代
も受益を実感できる内容を実施いたします。 また、診療報酬改定に際しては、薬価について、薬価
調査
の結果を踏まえた上で
市場
実勢価格を反映し、新たな
国民
の
負担
の増加を避けつつ、
地域
医療
向けの補助金の創設とあわせ、
医療
提供体制の
改革
を推進してまいります。 文教及び科学振興費につきましては、将来を担う人材を養成するためのグローバルな人材育成や
大学
改革
等を推進するとともに、奨学金等の就学支援、いじめ問題対応等の施策を
充実
することといたしております。 また、
科学技術
関係
予算
につきましては、総合
科学技術
会議
が司令塔機能強化のためみずから
予算
の重点配分を行う仕組みを創設するとともに、
日本版NIH
創設に向けて、
医療分野
の
研究開発
関連
予算
を
充実
することといたしております。
地方
財政
につきましては、
地方
の
税収
増を反映して
地方
交付税
交付金
等を縮減しつつ、
地方
の安定的な
財政
運営に必要な
地方
税、
地方
交付税等の
地方
の一般
財源
の総額について、
社会保障
の
充実
分等を増額し、
地方
に最大限配慮をいたしております。 防衛関係費につきましては、新たに策定された防衛大綱及び中期防衛力整備計画に沿って、周辺海空域における警戒監視能力の強化、島嶼部に対する危機対応能力の強化等を図る観点から、昨
年度
に引き続き、
充実
を図ることといたしております。 公共
事業
関係費につきましては、引き続き
投資
の重点化、
効率化
を図りつつ、
国民
の命と暮らしを守る
インフラ
老朽化
対策
や、南海トラフ地震等に備えた防災・減災
対策
等の
課題
に対応するため、真に必要な
社会
資本整備等に取り組むことといたしております。
経済
協力費につきましては、
日本
企業
の
海外展開
支援を初め、
日本
の持続的な
成長
にもつながる
分野
等への重点化を進めつつ、ODA全体の
事業
量の確保を図ってまいります。
中小企業
対策
費につきましては、
物づくり
技術
の
研究開発
等への支援を
充実
させるほか、
中小企業
の資金繰り
対策
や
消費
税の
転嫁対策
にも万全を期することといたしております。 エネルギー
対策
費につきましては、国内資源の開発及び
海外
資源の権益確保、省エネルギーの推進及び
再生可能エネルギー
の導入
拡大
に向けた支援に重点化しているほか、
原子力
規制、防災
対策
を推進し、
原子力
損害賠償支援機構へ資金交付等も行うことといたしております。 農林水産関係
予算
につきましては、
農林水産業
の
競争力
強化を推進するため、経営
所得
安定
対策
を見直すとともに、
農地
中間管理機構を通じた担い手への
農地
集積・集約の加速化、六次
産業
化や輸出
拡大
の推進等を図ることといたしております。 治安関係
予算
につきましては、安全で安心して暮らせる
社会
の
実現
に向けて、警察活動基盤の
充実
や再犯
防止
対策
の
充実
等を図ることといたしております。
国家公務員
の人件費につきましては、給与の特例減額が終了する一方で、現行計画の
目標
を大幅に上回る合理化等による定員純減や退職手当の引き下げ等を的確に
予算
に反映しております。 なお、震災からの
復興
につきましては、
平成
二十五
年度
補正予算
とあわせて、被災地の復旧
復興
の加速に全力で取り組んでいくことといたしております。このため、
平成
二十六
年度
東日本大震災
復興
特別会計において、歳出につきましては、
東日本大震災
復興
経費二兆九千五百四十三億円、
復興
債費九百二十一億円、
復興
加速化・
福島
再生
予備費六千億円を計上し、歳入につきましては、
復興
特別税七千三百八十一億円、一般会計からの受入金七千三十億円、その他収入六百六十億円、
復興
公債金二兆一千三百九十三億円を見込んでおります。
平成
二十六
年度
財政
投融資計画につきましては、
デフレ
不況からの脱却、
経済再生
に向けて、長期リスクマネー等を呼び水として供給し、民間
投資
の
活性化
、経営改善に取り組む
中小企業
等の支援、
日本
企業
の
海外展開
支援、
インフラ
輸出、資源確保等に的確に対応するために、計画規模は十六兆一千八百億円となっております。 借換債等を含む国債発行総額につきましては、百八十一兆五千三百八十八億円と、過去最大となりました。国債発行総額及び国債残高が多額に上る中、
財政
規律を維持し、
市場
の信認を確保するとともに、
市場
との緊密な対話に基づき、そのニーズ、動向等を踏まえた発行を行うなど、国債管理政策を適切に運営してまいります。
平成
二十六
年度
税制改正におきましては、
デフレ
不況からの脱却、
経済再生
に向けた税制上の対応、税制抜本
改革
の着実な実施、震災からの
復興
支援のための税制上の対応等を行うことといたしております。 具体的には、
設備
投資
の促進、
研究開発
投資
の促進、
所得
や
消費
の
拡大
に関し、次元の異なる税制上の対応を講じたいと存じます。 こうした観点から、生産性向上
設備
投資
促進税制の創設、
中小企業
投資
促進税制の拡充、
研究開発
税制の拡充、
所得
拡大
促進税制の拡充、
復興特別法人税
の一年前倒し廃止、交際費課税の緩和を行います。このほか、給与
所得
控除の見直し、
地方
法人課税の偏在是正のための
取り組み
、車体課税の見直し等を行うことといたしております。 以上、
財政
政策の基本的な考え方と、
平成
二十五
年度
補正予算
及び
平成
二十六
年度
予算
の大要について御説明を申し上げました。
デフレ
不況からの脱却と
経済再生
への道筋を確かなものとするために、これらの
予算
の一刻も早い成立が必要であります。何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願いを申し上げる次第です。 失われた二十年と呼ばれる長い停滞の中、
デフレ
不況の影響もあり、先の見えなかった
日本
に、ようやく明るい兆しが見えてきたと存じます。 本年は、
デフレ
不況からの脱却を
実現
し、足元の
景気回復
を持続的な
経済成長
につなげ、
財政
健全化に向けて着実な一歩を踏み出す上で重要な一年であります。
少子高齢化
や
グローバル化
等の構造変化に真に対応するための
経済
基盤を構築し、
日本
の底力を引き出すことで、
デフレ
不況からの脱却、
経済再生
と
財政
健全化の好
循環
を
実現
できるよう、全力で取り組んでまいります。
国民
各位の御理解と御尽力を切にお願い申し上げます。(拍手)
—————————————
伊吹文明
15
○
議長
(
伊吹文明
君) それでは、
経済
演説
。
国務大臣
甘利明君。 〔
国務大臣
甘利明君登壇〕
甘利明
16
○
国務大臣
(甘利明君)
経済
財政
政策を担当する
内閣
府特命担当大臣として、その所信を申し述べます。 長引く
デフレ
からの早期脱却と
経済再生
を図るため、
安倍内閣
では、大胆な金融政策、機動的な
財政
政策、民間
投資
を喚起する
成長戦略
の三本の矢を一体として強力に推進してきました。 その効果もあって、実質
GDP
が四
四半期連続
で
プラス成長
となり、
有効求人倍率
が約六年
ぶり
に一倍を
回復
するなど、
日本経済
は力強さを取り戻しつつあります。政権発足時と比べると、
中小企業
を含めて業況は幅広く改善をし、全ての
地域
で景況が改善をしています。 物価動向は、もはや
デフレ
状況ではありません。
デフレ脱却
に向けて着実に前進をしております。 このように、アベノミクスの開始から一年
たち
、
日本経済
は閉塞を脱し、明るさが広がっています。これをさらに広げ、
経済
の好
循環
を
実現
するのが、二年目の
課題
であります。 本日閣議決定をした
政府
経済
見通しでは、
平成
二十六
年度
の
日本経済
について、
消費税率引き上げ
に伴う駆け込み需要の反動減には留意が必要でありますが、各施策の推進等により、
年度
を通して見れば、前
年度
に引き続き、堅調な内需に支えられた
景気回復
が見込まれ、
経済
の好
循環
が徐々に
実現
していくと考えられます。
経済成長
率は、実質で一・四%程度、名目で三・三%程度と見込んでおります。 本年四月に実施をする
消費税率引き上げ
に際しては、駆け込み需要とその反動減を緩和し、景気の下振れリスクに対応するとともに、その後の
成長
力底上げと好
循環
実現
を図りつつ、持続的な
経済成長
につなげていくため、昨年十二月に閣議決定をした好
循環
実現
のための
経済対策
を含め、
経済
政策パッケージを着実に実行していく必要があります。 本
経済対策
は、
競争力
強化策や、
女性
・
若者
・
高齢者
・
障害者
向け施策、
復興
、防災・安全
対策
の加速等を内容とし、その規模は、国費五・五兆円程度、
事業
規模十八・六兆円程度となっております。 本
経済対策
の効果が的確に発現をし、
消費税率引き上げ
に伴う反動減に適切に対応できるよう、迅速に
対策
の具体化を図るとともに、各施策の進捗状況などを
調査
し、適切に公表をしてまいります。
企業
収益の
拡大
が速やかに賃金
上昇
や
雇用
拡大
につながり、
消費
の
拡大
や
投資
の増加を通じてさらなる
企業
収益の
拡大
に結びつくという
経済
の好
循環
を
実現
するため、
所得
拡大
促進税制の拡充や、
復興特別法人税
の一年前倒しでの廃止といった思い切った税制措置を決定するとともに、賃上げする
中小企業
、
小規模事業者
への補助金の優先配分等の施策を講じてまいります。
政労使
会議
において、好
循環
実現
に向けて
経済界
、
労働界
、そして
政府
が行うべき
取り組み
を共通認識として取りまとめたところであり、その
環境
整備に引き続き全力で
取り組み
、成果をしっかりと確認してまいります。
日本
銀行は、昨年四月、二%の物価安定
目標
を、二年程度の期間を念頭に、できるだけ早期に
実現
するため、量的・質的金融緩和を導入し、現在、これを推進しております。
政府
としては、
日本
銀行がこの
目標
をできるだけ早期に
実現
することを期待いたします。 こうしたアベノミクスの効果が
地域
の隅々まで及ぶようにするため、オリンピック開催決定を契機にした
地域
活性化
、
地域
産業
の集積促進といった
課題
等に関係省庁が連携して重点的に取り組む必要があります。あわせて、
地域
の
課題
解決や
活性化
の重要な担い手であるNPOやソーシャルビジネス等の育成などを通じて、活力あふれる共助
社会
づくりを進めてまいります。 安倍政権の
成長戦略
は進化する
成長戦略
であり、策定がゴールではなく、スタートであります。
日本経済
にあらわれた
回復
の動きを持続的な
経済成長
につなげていくため、引き続き、
成長戦略
を強力に推進してまいります。 まずは、昨年策定をした
日本
再興戦略の各施策の実行に全力を挙げます。 さきの臨時
国会
では、
成長戦略
実行
国会
として、
産業
競争力
強化法、
国家戦略特区
法等の画期的な法律が成立をいたしました。三月に
国家戦略特区
の具体的な
地域
を決定するなど、これらの法律をしっかり実行に移してまいります。また、
産業
競争力
の強化に関する実行計画を閣議決定し、
日本
再興戦略の各施策の確実な実行に取り組んでまいります。 また、年央の
成長戦略
改訂を目指し、先般、
成長戦略
進化のための今後の検討方針を
産業
競争力
会議
において取りまとめたところであります。本方針を踏まえ、
雇用
・人材、
農業
、
医療
・介護といった
分野
のさらなる
構造改革
に
取り組み
、
日本
に眠る潜在力を最大限引き出します。 特に、
日本
が、
世界
を変えるような
イノベーション
を生み出す国となるよう、
科学技術
の司令塔機能を
確立
し、
研究
成果を
産業
につなげていくための
取り組み
を進めます。
女性
の活躍は、
成長戦略
の大きな柱であります。
我が国
最大の潜在力である
女性
の力を最大限引き出すため、施策を総動員してまいります。 さらに、民間
投資
の喚起による
成長
力強化を
実現
するため、PPP・PFIの抜本
改革
に向けたアクションプランの着実な推進とともに、民間資金等活用
事業
推進機構の適切な運営の確保及び密接な連携を図ってまいります。 TPPは、
アジア太平洋
地域
において、普遍的価値を共有する国々と二十一
世紀
型の新たな
経済
統合ルールを構築する野心的な試みであり、この
地域
の
成長
の起爆剤になると同時に、
人々
の暮らしを豊かにするものであります。 昨年十二月にシンガポールで開催をされた閣僚会合では、妥結には至りませんでしたが、残された主要
課題
の大部分について、
交渉
妥結へ向け実質的な進展がありました。
我が国
としては、各国とともに、
交渉
の早期妥結へ向けて努力をし、国益をしっかりと最終的な成果に反映すべく、引き続き全力を挙げて
交渉
に取り組んでまいります。 これらの施策とあわせて、
経済再生
が
財政
健全化を促し、
財政
健全化の進展が
経済再生
の一段の進展に寄与するという好
循環
を目指し、
経済再生
と
財政
健全化の双方の
実現
に取り組んでまいります。 来
年度
予算
案につきましては、
経済成長
に伴う
税収
の自然増や歳出の
効率化
により、公債発行額を前
年度
より減額し、国の一般会計の
基礎的財政収支
の赤字については、
中期財政計画
において掲げた
目標
を上回る改善額を
実現
しております。 こうした歳出歳入両面での
取り組み
の継続により、国、
地方
を合わせた
基礎的財政収支
について、二〇一五
年度
までに二〇一〇
年度
に比べ赤字の対
GDP比
を半減し、二〇二〇
年度
までに
黒字化
、その後の債務残高対
GDP比
の安定的な引き下げを目指すとの
財政健全化目標
の
実現
を目指します。 今後の半
世紀
、
世界
経済
や人口など、
日本
を取り巻く
環境
には大きな変化が予想されます。こうした中で、
世界
経済
に占める
日本経済
の規模が縮小していくという見方もあります。しかしながら、こうした姿を政策努力や
人々
の意志によって大きく変える、すなわち、
未来
を選択することが求められています。 アベノミクスによって生じた
景気回復
の動きを確実なものとし、
我が国
の中長期的発展につなげていくためには、
人口減少
など今後の構造変化を見据えつつ、二〇二〇年ころまでに重点的かつ
分野
横断的に取り組むべき
課題
を抽出し、その
課題
克服に向け包括的に
取り組み
を進めていくことが重要です。 このため、「選択する
未来
」
委員
会を
設置
し、具体的な
取り組み
を二〇二〇年に向けて進めていくための議論を行ってまいります。 今後、本
委員
会の議論を踏まえ、
日本経済
が抱える中長期的
課題
を明らかにしつつ、年央の骨太方針取りまとめに向け、
経済
財政
諮問
会議
において、引き続き、
デフレ脱却
・
経済再生
と
財政
健全化の好
循環
実現
のための道筋について検討を進めてまいります。
少子高齢化
が進展する中で、
社会保障
の
充実
、
安定化
と
財政
健全化を同時に達成する観点から、
社会保障
・税一体
改革
に取り組む必要があります。 昨年、
社会保障
制度
改革
国民
会議
の議論等を踏まえ、
社会保障
制度
改革
の全体像と進め方を示した法律が成立をいたしました。この法律に基づき、今後、必要な法案を
国会
に提出するとともに、関係閣僚から成る
改革
推進本部や、有識者から成る
改革
推進
会議
を
設置
し、
改革
を着実に推進してまいります。 第二次
安倍内閣
が発足をして一年が
たち
ました。この間、
日本経済
は力強さを取り戻しつつありますが、先般のダボス
会議
において示されたアベノミクスへの大きな期待に応えるためには、より一層
取り組み
を強化する必要性を実感いたしました。 昨年十二月、私は、早期の舌がんで入院をし、多くの皆様に御迷惑をおかけいたしました。幸い、短期間で公務に復帰をすることができました。 盲腸の手術すらしたことのない私にとって極めてつらい
経験
でありましたが、同時に、多くの人に支えられていることを痛感いたしました。立ちどまって感謝をする機会が与えられたのだと思います。今後私がなすべきことは、さらなる努力、精進を通じて、今までに倍する貢献を
国家
国民
のためになすことであると決意をいたしました。 今後とも、安倍総理のリーダーシップの
もと
、好
循環
実現
国会
の審議を通じて迅速かつ着実に施策を実行し、
女性
や
若者
を初め、頑張る人
たち
の
雇用
を
拡大
し、
経済成長
の成果を
国民
一人一人が実感できるよう、全力を尽くしてまいります。
国民
の皆様と
議員
各位の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。 ありがとうございました。(拍手)
————◇—————
あべ俊子
17
○あべ俊子君
国務大臣
の
演説
に対する質疑は延期し、来る二十八日午後一時から本
会議
を開きこれを行うこととし、本日はこれにて散会されることを望みます。
伊吹文明
18
○
議長
(
伊吹文明
君) あべ俊子君の動議に御
異議
はありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
伊吹文明
19
○
議長
(
伊吹文明
君) 御
異議
なしと認めます。したがって、動議のとおり決まりました。 本日は、これにて散会いたします。 午後三時三十九分散会
————◇—————
出席
国務大臣
内閣総理大臣
安倍 晋三君
財務大臣
麻生 太郎君 総務大臣 新藤 義孝君 法務大臣 谷垣 禎一君
外務大臣
岸田 文雄君 文部科学大臣 下村 博文君 厚生労働大臣 田村 憲久君 農林水産大臣 林 芳正君
経済
産業
大臣 茂木 敏充君 国土交通大臣 太田 昭宏君
環境
大臣 石原 伸晃君 防衛大臣 小野寺五典君
国務大臣
甘利 明君
国務大臣
稲田 朋美君
国務大臣
菅 義偉君
国務大臣
根本 匠君
国務大臣
古屋 圭司君
国務大臣
森 まさこ君
国務大臣
山本 一太君